アダム・ドライバー、ジャームッシュ監督作「パターソン」で学んだ“スローライフのススメ”
2017年8月22日 18:00
[映画.com ニュース] 「スター・ウォーズ フォースの覚醒」や「沈黙 サイレンス」で知られるアダム・ドライバーが、ジム・ジャームッシュ監督と初めて組んだ映画「パターソン」について語った。
舞台は、米ニュージャージー州パターソン。詩を愛し、妻と愛犬と暮らすバスの運転手パターソン(ドライバー)の静かな日常を、ユーモアを込めて丹念に描き出す。「彼女が消えた浜辺」「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のゴルシフテ・ファラハニがパターソンの妻、「ミステリー・トレイン」でもジャームッシュ監督と組んだ永瀬正敏が、パターソンと出会う日本人詩人を演じる。
本作に出演した理由を「ジム・ジャームッシュだよ。それが理由のすべてと言っていいね」と語るドライバーは「彼は、現役で活躍する最高の映画監督の1人。自分が雇ってもらえることなんか、絶対にありえない巨匠だ。そんな、まさかの出来事が起こったと思ったら、彼は僕の意見を聞いてくれたりしたんだよ。偉大な映画監督が、僕みたいなただの俳優がどう思うかに興味を持ってくれるなんて、信じられないじゃないか」と喜びを爆発させる。
これまでにもマーティン・スコセッシ、コーエン兄弟、J・J・エイブラムスらそうそうたる監督と組んできたが「ジムの現場は最高だよ。『明日もまたここに戻ってくるのが楽しみでたまらない』と、みんなが本気で感じるような現場なんだ。彼はユーモアのセンスにあふれた人。とても正直な人でもある。不安や疑問を持っているときも、それを隠すことなく、正しい答えを探そうとするんだ」とジャームッシュ監督の現場を経験し、大いに刺激を受けた様子。
本作に出演したことで「パターソンというこのキャラクターを演じることに、僕は大きな喜びを感じたよ。この役は、僕に、スローダウンすることを思い出させてくれた」といい、「パターソンは、基本的に聞き役。そんな男を主人公にしたジムは大胆だよね。この男が黙って考えるのを観客は飽きずに見てくれると、ジムはわかっていたんだ」とジャームッシュ監督への称賛が止むことはない。「僕らは、次々に何かが起こることに慣れている。僕だって、最初に脚本を読んだときは、『これらの詩が後に何か意味を持ってくるのか』とか、『誰かが犬を盗んだりするんじゃないか』とか、『バスが大きな事故に遭ったりするのでは』などと、いろいろ先回りして考えたものだ。でも、結局これは、2人の人がお互いに自由を与えてあげつつ、一緒に生活を築いていく様子を描くものだったんだよ。こんな大胆な映画に出させてもらえた僕は、ラッキーだ」。
本作は、パターソンの1週間を淡々と見つめつつ、パターソンに起こる緩やかな“変化”を描いている。パターソンにある感情をもたらす詩人を演じた永瀬については「素晴らしかったよ。彼はとても存在感のある俳優だ。永瀬さんとのシーンは、僕が今作で最も気に入っているシーンの1つだよ」と語った。
「パターソン」は、8月26日から全国順次公開。
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