「マンチェスター・バイ・ザ・シー」で話題沸騰、ルーカス・ヘッジズの“憧れの人”は?
2017年5月17日 10:30

[映画.com ニュース] 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(公開中)で第89回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた新進俳優ルーカス・ヘッジズが、作品に参加した喜びや、本作で得た収穫を語った。
マット・デイモンがプロデューサーを務め、第89回アカデミー賞ではケイシー・アフレックが主演男優賞、監督・脚本を手がけたケネス・ロナーガンが脚本賞に輝いたヒューマンドラマ。ボストン郊外で便利屋として生計を立てる男リー(アフレック)が、16歳の甥(おい)パトリック(ヘッジズ)の面倒を見るために悲痛な思い出が残る故郷に舞い戻り、自身の過去と向かい合っていく。リーの元妻ランディをミシェル・ウィリアムズが演じている。
1996年生まれの米俳優ヘッジズは、2012年にウェス・アンダーソン監督作「ムーンライズ・キングダム」で本格的な俳優デビューを飾り、ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン共演作「とらわれて夏」、テリー・ギリアム監督作「ゼロの未来」、アンダーソン監督との再タッグ作「グランド・ブダペスト・ホテル」と話題作に次々と出演してきた若き演技派。本作ではキーキャラクターのパトリックに扮し、アフレックと共に物語をけん引している。
17歳の時に本作の脚本に出合ったというヘッジズは「今まで読んだなかで、最高のティーンエイジャーの役だった。何よりも、すべてのシーンが美しくつづられているんだ。いくつか悲惨なほどに気まずい瞬間があって、多くの映画監督はそういったものを描くときに尻込みしてしまうけれど、ケニー(ケネス・ロナーガン)はそういった瞬間こそを大切にして物語をつづる。真実味のある会話を聞き取ることができる鋭い耳を持った作家は滅多にいない。ケニーは会話に命を与えられる稀有(けう)な存在だと思ったよ」とキャラクターの心の機微を丹念にすくい取ったロナーガン監督の手腕を絶賛。出演決定は、ロナーガン監督から直接知らされたそうで「喜びのあまり叫んでいた」と振り返る。
本作に参加したことで多くの気づきを得たそうで「この映画から学んだのは、僕は悲しみについてまったく知らないということ。それぞれのシチュエーションには独自の状況があり、演じる唯一の方法はオープンマインドで現場へ行くこと。パトリック自身も悲劇にどう対応したらいいかなんか知らないわけだから、それでいいんだって」と語る。アフレックとの共演については「初めはとても怖かった。ケイシー(・アフレック)は現場ではリーになりきっていたからね。リーとパトリックの関係性は、ケイシーと僕の関係性に反映されていると思う。役者になりたい僕は、ヒーローであるケイシーからの愛と承認がほしかったけれど、いつでももらえるわけじゃなかった。これはまさにパトリックに起きていることだ。パトリックはただリーに愛してほしいけれど、リーはなかなかそうできない。撮影が終わって初めて、ケイシーに『お前は素晴らしかったよ。ただ、撮影中にはそれを伝えられなかったんだ』って言ってもらえたんだ」と明かす。
アカデミー賞の授賞式では「あこがれのアンドリュー・ガーフィールドに会えてうれしかった! その直後にエマ・ストーンにも会ったんだ。しかも彼女は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見ていて、ほめてくれたんだ」と喜びいっぱいに語ったヘッジズ。注目度は日に日に増しているが「僕の仕事は人間であること。自分自身を大切にして、しっかり地に足をつけて、舞台や映画も挑戦し続けたい。とにかく演じることが大好きなんだ」と真摯(しんし)に語った。
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