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「たかが世界の終わり」ギャスパー・ウリエル、天才ドランの演出は「全く逸脱したやり方」

2017年2月9日 17:00

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繊細な演技を見せたギャスパー・ウリエル
繊細な演技を見せたギャスパー・ウリエル

[映画.com ニュース]第69回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した、グザビエ・ドラン監督の新作「たかが世界の終わり」が、2月11日公開する。舞台劇を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と、家族の葛藤や愛を描く。来日した主演のギャスパー・ウリエルが、若き天才と呼ばれるドランの現場を語った。

ナタリー・バイバンサン・カッセルマリオン・コティヤールレア・セドゥーらフランス映画界を代表する実力派がキャスト共演。若手作家のルイは自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。ルイの長年の不在を埋めていくかのように、大仰に昔話を始める母、粗野な態度でどんな発言にも突っかかる兄、そして美しく成長した妹。ルイの気持ちは一方通行のまま、帰郷した理由を告白するタイミングを失う。

繊細な演技を必要とされるルイ役を、ドラン監督から直接オファーされた。「数年前から彼と僕は、カンヌなどで直接話をするチャンスがあって、お互いいつか一緒に仕事ができるといいねと言っていました。ある時ロスでランチに誘われて、この企画を伝えられたんです。彼はキャスティングについては、オーディションはやらずに、俳優にあてがきをしていくタイプだと思います」

家族の緊張感溢れる会話の応酬の中、ルイはほとんど言葉を発することなく、その表情だけで自身が抱える葛藤を伝えていく。「役作りの上でやるべきことがありました。原作にも一切描かれていない彼の過去を自分の頭の中で作り出す必要があったのです。ルイが1人で生きてきた過去ではなく、家族と共有していた経験、そこになにがあったのだろうかと。ちりばめられた手がかりを基に、どのようなことがおきたのか、詳細に想像しました。過去をイメージしていたからこそ、家族の彼への批判に正確に反応できたと思います」

画像2(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual

弱冠25歳で「Mommy マミー」がカンヌ映画祭審査員特別賞、翌年は同映画祭の審査員に選出もされた若き天才の現場はどのようなものだったのだろう。「今まで僕がやってきた監督たちとは全く異なる、逸脱した演出方法でした。共演者も皆、ドラン監督のやり方に驚いていました」

「彼は脚本段階で明確なビジョンを持っているので、途中でガラッと変わることはありません。ジャン・コクトーも言っていますが、アーティストは最初にこういうものだという想定内のビジョンを持っているものなのです。そこに、偶然が上手く入り込むことによって、芸術が生まれていく。ですから、最初から明確に固まったものではなく、偶然と共に作り上げられるのがアートなのです」

「ですから、テイクの途中で演技を止めることはしょっちゅうで、新しいアイディアが生まれたからやってくれとか、俳優陣と双方向でいきいきと演出を行ってました。普通はテイクが終わってからダメ出しする監督がほとんどですが、彼の場合は、俳優が演技を続けているところで、セリフにかぶせて入ってきて、録音技師を困らせることも。途中で音楽をかけてみたり、非常に特殊な現場でした。また、彼の作品はカット割が細かく、長回しはほとんどなく、カットを連続して編集していくと言うタイプです。そこで独特のリズムが生まれます」

今作以外で、ドラン作品で気に入っているものは「トム・アット・ザ・ファーム」だそう。「今回の『たかが世界の終わり』に近い長所があります。彼が同じテーマから離れてリスクを取った作品だと思うのです。アーティストは時にはリスクをとって挑戦するのが本当のアーティスト。『たかが世界の終わり』も、これまでのドラン監督のはったりのようなものをそぎ落とした魅力があり、成熟の域に達しているように感じます」

たかが世界の終わり」は、2月11日から東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開。

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