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ダン・トラクテンバーグ監督が明かすJ・J・エイブラムスと「10 クローバーフィールド・レーン」

2016年6月17日 08:00

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ダン・トラクテンバーグ監督
ダン・トラクテンバーグ監督

[映画.com ニュース] J・J・エイブラムスが製作を手がけた「10 クローバーフィールド・レーン」が、本日6月17日から封切られる。初めて長編作を手掛けたダン・トラクテンバーグ監督が、映画.comのインタビューに答えた。(取材・文/小西未来

――もともと「クローバーフィールド」の関連作品として企画された映画なのですか?

「いや、もともとはオリジナルの脚本として書かれたものだ。それを(エイブラムスの製作会社)バッド・ロボットが長い時間をかけて、『クローバーフィールド』の世界に引き入れた。僕が脚本を読ませてもらった時には、既にこの形に仕上がっていたんだ。僕は手に汗をかきながらページをめくって、それからバッド・ロボットへ行って、自分の映画化案をプレゼンした。幸い、雇ってもらえることになったんだ。この映画にもっとも興奮したのは、とてつもなくユニークな作品だからだ。あらゆるジャンルが混ざっていて、似たような映画は存在しない。こんな映画体験はめったにできないから、嫌悪する人もいるだろうし、めちゃめちゃ気に入る人もいると思う。見終えたあと、すぐに忘れ去られてしまうような映画ではないと思う」

――謎の部屋に閉じ込められたヒロインの脱出劇という点は、あなたの短編映画「Portal: No Escape」と似ていますよね。

「バッド・ロボットが、僕に映画を任せようと思った理由のひとつだと思う。あの短編は『ポータル』というテレビゲームを題材にしている。ゲームのほうは一人称なんだけど、映画では三人称で主人公を映している。主人公が画面に映っているけれど、観客は主人公の心境を理解し、主人公と一緒に行動するような演出を心がけた。この映画でも、同じアプローチを取っている。『クローバーフィールド』は一人称で描かれた作品だ。同じような体験を提供するために、三人称でありながら、観客が主人公と同化できる仕掛けを用意したつもりだ。映画を見たのではなくて、主人公と同じ体験したと感じてくれたら嬉しいね」

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――ヒロインの過去がほとんど描かれませんね。

「僕は、アクションでストーリーが綴られるタイプの映画が好きで、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』なんてその最良の例だと思う。説明がほとんどないのに、それぞれの登場人物に深みがあり、何を求めているのかがわかる。『ゼロ・グラビティ』もしかり。J・Jは『ヒッチャー』が大好きで、この映画の大きなインスピレーションになっている。これらの映画はすべて、登場人物が置かれた状況が描かれている。ほら、危機に陥ったとき、その人の本質が見えるとよく言うよね。それは、人生だけじゃなくて、映画のなかでも同じだと思う」

――J・J・エイブラムス監督からどんな助言がありましたか?

「監督としての心構えをひとつひとつ教えてくれたわけじゃないんだ。ほら、スピルバーグだったら『履き心地のいい靴を履け』という名言があるよね。J・Jの場合は、僕にアドバイスをするより、むしろ行動で示してくれた。たとえば、彼が率いるバッド・ロボットでの振る舞いがそうだ。相手に敬意を払い、コラボレーションを大切にする。彼からリーダーシップを学んだよ。さらに、この映画についてコメントするときも、常にポジティブで、こちらを励ましてくれた。他の映画会社だったら、いろいろ文句をつけてきたり、理不尽な要求をつけてくることもあるだろうけど、彼は違う。この映画がヨットだとしたら、彼はありったけの追い風を吹かせてくれたよ」

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