伊藤英明×武井咲×山下智久、強い思いで身を投じた「テラフォーマーズ」を語る
2016年4月30日 16:00
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[映画.com ニュース] 三池崇史監督史上最大の挑戦ともいえる「テラフォーマーズ」に、中核を担う“共犯者”として指名された伊藤英明、武井咲、山下智久の3人。年齢も、また三池作品での経験値も違えど、それぞれに強い思いをもって、一見“蛮勇”とも思えるこのチャレンジに身を投じた。(取材・文・写真/黒豆直樹)
原作は累計発行部数1600万部のSFコミックで、舞台は火星。加えてCGやVFXを多用した激しいアクションもあるが、あくまでも日本映画であり、ハリウッド並みの予算が投じられるわけでもない。オファーを受け、原作を読んだ伊藤が当初、決して出演に前向きではなく「最初は不安しかなかった」というのもうなずける。それでも「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」「悪の教典」「喰女 クイメ」と過去3度にわたって作品を共にしてきた三池監督をただ、信じた。
「最初、恥ずかしながら原作を知らず、読んでみたら『火星に人類が移住』って……これ、日本映画でどこまでやるの? と思いました。でも、三池さんとプロデューサーに会って話をするうちにだんだん盛り上がってきて、最後はガッチリ握手して『火星に行きましょう!』と言っていましたね(笑)」。
友人から勧められ、少し前に偶然、原作漫画を読んでいたという武井は、自身にとって初主演映画である「愛と誠」(2012)に続く三池作品となった。
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「三池監督が『見たことのないものを作る!』とおっしゃっていて、そこに参加できる面白さ、嬉しさがありました。原作を読むと、首が折れたり、飛んでったり、気持ち悪い描写、絶対無理でしょ! ってシーンがたくさんある(笑)。どう実写化するの? と思いつつ、三池さんが『すごいものを作る!』という情熱で臨んでいました」と笑う。
そして、三池組初参戦となる山下。迷いはまったくなかった。「お話をいただいて単純に『やったー!』と(笑)。原作も知っていたし、三池さんが監督で英明さんが主演の作品にご一緒できる機会もなかなかないので光栄でした。すぐに『やらせてください』と言いました」と明かす。
重ねてたずねる。このプロジェクトに飛び込むことに恐怖はなかったのか? いや、本作に限らない。3人ともこれまで、人気原作の映画化作品、苛酷になることが撮影前から分かり切っているアクション大作などに身を投じてきた。数万のテラフォーマーに囲まれた劇中の小吉ら乗組員さながらの、そんな苛烈な状況、巨大な壁を前に、それを乗り越える原動力、勇気の源は。
伊藤は三池監督の存在の大きさに加え、「現場」が与えてくれるパワーを挙げる。決して現場に正解が転がっているわけではない。むしろ本作では、目の前に相手がいるわけでもない中で、グリーンバックでのアクションなど、完成した作品を見るまで何もわからないような状況だった。それでも、現場にいれば信じることができた――。
「現場に行けば監督、共演者がいて、衣裳やメイクにセットがある。だから乗り越えられる。僕は“役作り”って苦手なんです。体を鍛えたり、やせたり太ったりはできるけど、家で『どうしようか?』なんて考えてもしょうがない。やっぱり、現場が一番です。例えば、アクションでは実物大のテラフォーマーの分厚いウエットスーツを着た役者がずっと現場にいてくれるんです。彼らはあくまで(アクションをするわけではなく大きさなどの目安となる)ガイドなんですけど、朝から晩までずっと現場にいるわけです。そういう人たちの存在……誰かが誰かのために頑張ってくれている姿を見ると『やらなきゃ』って思います」。
山下はこの未知なる挑戦について「もちろん怖いですよ」と同調しながら、「でも……」と続ける。
「だからって、そこで断れば一生後悔してしまう。やってみて、もしも認めてもらえなくても、断ったり逃げるよりもやったことの方がずっと価値があると思います。見逃し三振よりも空振りの方がまし。飛行機が飛び立つ前にものすごいGが掛かるのと同じで、タフな状況を乗り越えないと、その先に広がる世界は見えないってどこかで思っているんです」。
最初から「楽しみでしかなかった」と語るのは、武井。「もちろん、難しさも、どうなるかわからない部分もあるけど、わからないところは『わからないです』と周りに聞いて、自分なりの答えを出して解決するしかないし、そこで『怖いからやめよう』という考えはない。周りのいろんな声? ありますけど……届かないですね。自分がやると決まったら、それ(周囲の声)は必要のないものなのかなって思います」。
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