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「日本のいちばん長い日」原作者・半藤一利氏&原田眞人監督、最重要シーンの裏側を解説!

2015年7月23日 14:10

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(左から)半藤一利氏、原田眞人監督
(左から)半藤一利氏、原田眞人監督

[映画.com ニュース] 原田眞人監督が7月22日、都内で行われた「日本のいちばん長い日」の公開記念フォーラムに出席し、原作者の半藤一利氏とともにトークを繰り広げた。

映画は、昭和天皇がポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争終結を決定した1945年8月14日から、みずから玉音放送で国民に終戦を知らせた翌15日の正午までの24時間を中心に、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)や昭和天皇(本木雅弘)、鈴木貫太郎内閣総理大臣(山崎努)ら戦争を終わらせるために尽力した人々を描くと共に、本土決戦を望む青年将校・畑中健二(松坂桃李)らによるクーデター未遂事件の全容に迫る。

昭和史研究の第一人者として知られる半藤氏は、陸軍の暴走を止めようと腐心した阿南陸軍大臣を、「いくさ下手だが、教育熱心な人格者」と評し、「こういった誠実な軍人が日本に残っていたということが幸運だった」と持論を展開。「阿南さんが昭和天皇の侍従武官をやっているときに、のちの内閣総理大臣である鈴木貫太郎が侍従長として同じように天皇に仕えていた。この3人がお互いに分かり合っていたこと、これが、昭和の一番の偶然であり面白さです」と、戦争終結の立役者たちについて語った。

「脚本を書いているときから、阿南さんは役所さん、貫太郎さんは山崎さんしかいないと思っていた」と語る原田監督は、昭和天皇、阿南陸軍大臣、鈴木内閣総理大臣を“疑似家族”と表現。「貫太郎さんが昭和天皇に聖断を仰ぐシーンで、この3人がワンフレームに入る。そこが、この映画のヘソです」と語り、撮影時には能楽師・茂山逸平を招へいし、鈴木内閣総理大臣の動きに関してレクチャーを受けたと明かした。

本作の大きな特徴である、昭和天皇を詳細に描いている点について、半藤氏は、岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日(1967)」に触れ、「初めて天皇が前に出てきて、時代が変わったんだと感じた。原田監督に感謝したい」と感慨深げに語った。配役に関しては、「わが母の記」「駆込み女と駆出し男」(15)で原田監督とタッグを組んだ本木の義理の母・樹木希林の存在が大きかったそうで、原田監督は「樹木さんが本木さんに、原田作品なら出なさいよ、と言ってくれた」と語り、会場は笑いに包まれた。

日本のいちばん長い日」は、8月8日から全国公開。

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