森田芳光監督に捧ぐ 「の・ようなもの」続編に“森田組”結集!主演は松山ケンイチ
2014年9月17日 06:00

[映画.com ニュース] 2011年12月に急逝した森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)の“その後”を描く続編「の・ようなもの のようなもの(仮題)」が製作されることになった。森田組で16作品にわたり助監督・監督補を務めた杉山泰一が、今作で監督デビューを果たす。主演は、森田監督の遺作「僕達急行 A列車で行こう」で瑛太とともに主人公を演じた松山ケンイチ。また、「の・ようなもの」に出演した伊藤克信、尾藤イサオ、でんでんが同じ役どころで登場するほか、森田組に縁のあるキャストが結集する予定だ。
第3回ヨコハマ映画祭で作品賞と新人監督賞を受賞した「の・ようなもの」は、東京・下町を舞台に落語家のようなもの“二ツ目”(真打になる前のタマゴ)のありふれた青春を軽妙なタッチで描いたコメディ。森田監督の妻でプロデューサーの三沢和子氏は「月命日のたびに、森田組のスタッフが家に集まってくれていました。一周忌が終わり、去年の初め頃から『回顧上映やイベントなどはあるけれど、やはり何か新しく発信しなきゃいけないんじゃないか』と思い始めた」という。そして、「ある日いつものように集まっている時に、『“の・ようなもの”で師匠の命日に、あの落語家たちが集まっているみたいだな』と、みんなで盛り上がって…、自然発生的に今回の企画がスタートしました」と語る。
森田監督から「杉山は監督にならなきゃダメだ」と常日頃言われていたという杉山監督は、「最初は正直抵抗があったんですが、プロデューサーから『自分のやりたいものを自由に発想して』と言っていただいた」と明かし、森田組で助監督として研さんを積んだ堀口正樹(「ショートホープ」)とともに脚本作りを進めていった。今作では、落語家一門の出船亭に入門した志ん田(しんでん)が、師匠の志ん米(尾藤)に頼まれ、かつて一門に在籍していた志ん魚(伊藤)を探すことになり、昔の門下生たちを訪ね歩く姿を描く。
主人公・志ん田に扮する松山は、「『の・ようなもの のようなもの』の世界に自分が入る事がとても不思議で、同時に光栄にも思います。今回のほとんどの出演者が森田作品経験者なので、その中で仕事ができる事も喜ばしく思っております」とあふれる思いを堪え切れない様子。そして、「奇をてらわず人間そのもののおかしさが出せたらなと思っています。とにかくまっすぐに役と向き合おうと思います。落語に出合えたのもこの作品のおかげです。落語も存分に楽しみたいと思います」と締めくくっている。
撮影は、9月5日に栃木・日光でクランクイン。三沢プロデューサーは、「スタッフのほとんどが森田組なので、同じような空気が流れているし、段取りの良さ、みんな和やかな雰囲気なんだけど、無駄はない。それは、完全に引き継いでいます」と話している。杉山監督も、「この映画を作るうえでの思いとしては、最初に『の・ようなもの』が根底にあった時に、森田監督の映画自体も落語家は登場するけれど落語の話ではなく、いわゆる“人間はみんな面白い”という監督の基本的なコンセプトがあったので、それをしっかり踏襲して自分らしい作品にしたい」と気合をみなぎらせている。
なお配給の松竹では、公式サイト(http://ws.formzu.net/fgen/S45735408/)で、21日に都内で行われるクライマックスシーンとなる落語会の撮影で、500人のエキストラを募集している。
「の・ようなもの のようなもの(仮題)」は、2015年に全国で公開。
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