「パズル」「ライヴ」出演の佐々木心音、井口監督が“死にっぷり”を明かす
2014年8月19日 13:40
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[映画.com ニュース] 若者から絶大な支持を集める作家・山田悠介氏の人気作を映画化した「パズル」「ライヴ」のブルーレイ&DVD連続リリースを記念し、内藤瑛亮監督(「パズル」)と井口昇監督(「ライヴ」)、両作に出演する女優・佐々木心音が、山田作品の魅力や撮影の舞台裏を語った。
「海賊戦隊ゴーカイジャー」でブレイクした若手俳優・山田裕貴を主演に抜てきした「ライヴ」は、うだつの上がらないフリーターらが繰り広げるデスマラソンを描いた意欲作。若手実力派の夏帆&野村周平が主演を務める「パズル」では、うっ屈した高校生たちによる凄惨な“殺人ゲーム”が描かれている。
「片腕マシンガール」「ヌイグルマーZ」などカルト的な人気を博す井口監督は、「45歳の僕の世代でリアリティを感じなくても、生まれた時からネットやゲームがある世代の若者たちがリアルに感じられる恐怖やスリルが詰まっているのが山田さんの小説」と人気の秘密を分析。メインの読者層と一番世代が近い佐々木も、「難しいことを考えずに一気に読めちゃう。ゲームをやっている感覚に近いかも」と親近感を抱いていた。
佐々木が演じたのは、両作に共通して登場する女教師の安田。「パズル」で生徒から非情な暴行を受けた安田は、その後の世界「ライヴ」では“死のレース”に強行参加させられるという痛ましい役どころで、両監督が「擦り合わせを一切しなかった(笑)」というほど印象が違う。佐々木は、「監督の『こうやりたい!』という要求がどんどん欲しいタイプ。私は絶対に『ノー』とは言いたくないんです」と女優魂で過激なシーンも乗り切った。
壮絶な死のトラップが張りめぐらされた「ライヴ」では次々と参加者が命を落としていくが、なかでも佐々木の“死にっぷり”は衝撃的。井口監督は、「佐々木さんにはどんな豪速球を投げても受け止められる反射神経がある。そういうところに甘えちゃう僕たちもいるけれど、だからこそ派手な死に方はせめてもの“はなむけ”なんです」と語る。
実際の事件を映画化して物議を醸した「先生を流産させる会」で注目を浴びた内藤監督は、「僕は卒業制作の『牛乳王子』でも女の子をいじめまくるので、資質としてそういうものを持っているんだと思う(笑)。でも、サディスティックというよりはモテない男の逆恨み」と自己分析。井口監督は、佐々木のコメディエンヌとしての才能にも注目しており「『サザエさん』のようなホームドラマやコメディも見てみたい!」と早くも新たなイメージを膨らませていた。
全くタイプの異なる井口監督と内藤監督だが、佐々木によると「『ライヴ』は体育会系で、『パズル』は文科系。現場の雰囲気も全然違うのに、2人とも人が死んだり血が流れたりするとすごくテンションが上がる(笑)」とやはり共通点はあるようだ。井口監督は、「まさに“好きこそ物の上手なれ”(笑)。これぞ“スプラッター健康法”。嫌悪感をもってスプラッターシーンを撮ると観客にも嫌悪感しか伝わらない。心をつかむ残酷シーンを描くには、茶目っ気が必要!」と持論を展開する。内藤監督も、「血の吹き出すシーンの仕掛けはまさに文化祭的なノリ。夏帆さんも『血しぶき浴びてみたい!』と言っていた」と目を輝かせていた。
この2作のほか、石井隆監督作「フィギュアなあなた」、瀬々敬久監督作「マリアの乳房」、園子温監督作「TOKYO TRIBE」に抜てきと、日本を代表する鬼才監督たちから熱視線を浴びる佐々木だが、「とにかく目の前のことにがむしゃら。やりたいことをやらせてもらっているだけなんです」とあくまでも自然体。その気負いのなさが人気の秘密なのか、「いつもヤラれる側なので、今度は笑いながら人を殺す役とかをやってみたい(笑)。今はとにかく演技という“非日常”が楽しいんです!」と、近々見せてくれるだろう新しい顔をのぞかせた。
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