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小林政広監督、社会運動家・湯浅誠氏と無縁社会を語る「追いつめられてるのは自分だけじゃない」

2013年8月19日 20:00

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無縁社会を語った小林政広監督(右)と湯浅誠氏
無縁社会を語った小林政広監督(右)と湯浅誠氏

[映画.com ニュース] 年金不正受給問題を題材にした映画「日本の悲劇」の特別試写会が8月18日、東京・渋谷の映画美学校で行われ、小林政広監督と社会運動家の湯浅誠氏がトークイベントを行った。

余命3カ月と宣告され自室に閉じこもってしまった老齢の不二男と、父親の年金を頼りに生活していた失業中の息子・義男の生活を通じ、現代の日本社会が抱える闇を描き出す。「春との旅」でも小林監督とタッグを組んだ名優・仲代達矢が不二男に扮し、息子・義男を北村一輝が演じる。

バッシング」「愛の予感」など、社会の闇に深く切り込んだ人間ドラマを手がけてきた小林監督だが、「最初は違和感しかなかった。自分の映画に社会性を入れるのは好きではなかった。だけど物づくりに行き詰まって、しちゃいけないことを全部やってやろうというのが『バッシング』だった。シナリオを書いたり企画を決めたり、その世界に没頭して登場人物に入り込んでいくうちに、テーマを自分に引き寄せて自分のものにしていく」と独自のスタイルを語った。

湯浅氏は、日本が抱える無縁社会の問題をあぶり出した本作に「ありがたいと思った。年金不正受給問題が社会問題というよりオカルトチックな面で報道され、こういう家族はもっといるはずだと思っていたので、きちんと現実を見てくれている人がいたんだと思った」と小林監督の着眼点に敬意を表した。小林監督は、劇中の家族の状況を「全然特殊じゃないと思う。仕事がないわけじゃないけれど、いつ切られるかも分からない。そういう中で生きて自分の価値をお金にしか置き換えられないとすれば、自分に価値がないって思っちゃうのは当然。そうやって自信がなくなると外に出ることも減ってうつになる。誰にでも起こること」と語った。

さらに湯浅氏は、「失業したら食っていけないので日本はワーキングプア大国。それが違和感のないところまで常識化してる。特にここ20年はビジネス的にもアメリカスタンダードを追いかけてきた。職場に行けば同僚、学校に行けば友達がいるけれど、できるやつとできないやつが縦に並び横に人がいない感じがするのが格差拡大社会の特徴。そういう社会では存在意義を感じにくい」と警鐘を鳴らした。小林監督は、「僕自身が追いつめられた時期に書いたシナリオがもとで、こんな暗い話を映画にしていいのかなと思っていた。僕も小さい頃は出来の悪い子で、フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』を見て、自分とよく似たやつが映画に映っていて励まされた。この映画と同じ状況になってる人は映画を見に来ないかもしれないけど、追いつめられてるのは自分だけじゃないって感じてもらえたら」と語りかけた。

日本の悲劇」は8月31日より公開。

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