役所広司×中島哲也監督「渇き。」で5年ぶりタッグ！新人・小松菜奈が大抜てき

同作は、突如失踪した容姿端麗で優等生の娘・加奈子を探すため、父親で元刑事の藤島昭和が捜索に乗り出すが、その足跡をたどっていくうちに驚がくの事態に巻き込まれていくという設定だ。脚本にも名を連ねる中島監督は、「悪夢のような原作です。映画化なんて絶対無理！　ですが……最低最悪の主人公を演じる役所広司さんの勇気、新人女優・小松菜奈さんとの劇的な出会いが、僕にこの物語の映画化を決意させました。日本映画にかつてないバイオレンス・ファンタジーを目指し、現在、スタッフ・キャスト血まみれで撮影中です」とコメントを寄せている。

中島監督とは「パコと魔法の絵本」以来のタッグとなる役所は、家族が破綻した原因が自分の性格や行動であることには一切目もくれず、自分の“家族”像を取り戻すことだけを夢想し、なりふり構わず娘の行方を調査する役どころに挑む。久々の中島組参加に緊張しているといい、「孤独から抜け出すために、壊れてしまった家庭を再生しようと、もがけばもがくほど何もかもが壊れていく。そんな愚かで孤独な男の虚しさを、懸命に演じたいと思っています」と意欲をみなぎらせている。

オーディションで加奈子役を勝ち取った小松は、中島監督が演出を手がける「dビデオ powered by BeeTV」のCMにも出演中。中島監督作は全て観賞したそうで、「どれも素敵な作品ばかりで、本当に今までにないちょっと変わった内容や独特の映像の綺麗さに圧倒されました。中島監督の作品に出演できるなんて、今でも信じられません!!」と驚きを隠しきれない様子だ。銀幕デビュー作となるが、「相手の演技に負けて加奈子の存在が薄くならないかとか不安しかありませんが、私にしかできない加奈子を演じたいです」と気負いはない。

役所、小松だけでなく、今作には豪華なキャストがずらりと並ぶ。事件の重要参考人となった藤島に密着する元部下で刑事の浅井を妻夫木聡、藤島が失った“家族”を何よりも大事に考える刑事・愛川をオダギリジョーが演じる。また、二階堂ふみが加奈子と同じ中学だった不良少女の遠藤、「告白」での熱演が記憶に新しい橋本愛が失踪の原因を藤島にほのめかす高校の友人・森下に扮する。さらに、「嫌われ松子の一生」で中島監督と“共闘”した中谷美紀が、加奈子の中学時代の担任・東役で出演し、藤島が過去をたどるうえでの重要な役割を担う。

「渇き。」は、2014年夏に全国で公開予定。