西川美和監督、ウエイトリフターを演じた江原由夏を絶賛「素晴らしい女優の誕生」
2012年10月4日 12:30
「ゆれる」「ディア・ドクター」など、国内外で高い評価を得る西川監督の長編第4作。本作で初共演を果たした松と阿部が、家事で失った小料理屋の再会資金を捻出するために結婚詐欺を繰り返す夫婦を演じる。
劇団「扉座」に所属する江原は、本作でウエイトリフティング選手・皆川ひとみ役を演じるため過酷なトレーニングに挑み、先日行われた第2回全国都道府県対抗女子ウエイトリフティング選手権大会で8位入賞を果たすほどの実力を身につけた。江原は、「よくTwitterで『選手だったんですね』と言われるけど、一応女優です」と予想外の反響に苦笑いしながらも、「役者としてひとつ認められた感はある。劇団でも常に迷いながらどうしたらいいんだろうって感じなので、自分にとって進歩できたのでは」と手応えを感じていた。
西川は、江原の抜擢理由を「お芝居がとても良かった。ひとみの中にある暗さとせつなさを持っている人で、内面の自信のなさやコンプレックスが役柄とリンクした」と説明。また、「女性が色々な職業に就いている時代だけど、男性が活躍するようなエリアで孤独に戦っている女性を見て、色んな未来が閉ざされても前に突き進んでいくという人物を(映画に)出したかった。柔道などの有名スポーツではなく、あまり脚光を浴びないところで孤高に戦っている女性リフターたちを見て、かっこいい、美しいなと思った」と語った。
また、江原が「公演で殺陣をやった時、殺陣師の人に『サモ・ハン・キンポーになれる!』と言われたことがある」と明かすと、西川監督は「なかなか日本の芸能界にいないよ!」と驚嘆。そして、「今回の作品で私も“デニーロ・アプローチ”をやってみたかった。素晴らしい女優の誕生」と江原の功績を称えていた。
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