野村萬斎「のぼうの城」1年越しの公開に感無量 ド派手プレミアでいざ出陣!
2012年9月20日 18:12
[映画.com ニュース] 累計発行部数130万部を突破した和田竜のベストセラーを映画化した「のぼうの城」のジャパンプレミアが9月20日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われ、主演の野村萬斎をはじめ、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市、共同でメガホンをとった犬童一心監督と樋口真嗣監督が出席した。
本作は昨年9月17日に公開予定だったが、東日本大震災の発生を受け、劇中の見せ場である“水攻め”の表現が時節柄ふさわしくないと判断され、公開が延期されていた。それだけに萬斎は「公開が1年延びましたが、こうして皆さんのお目に触れることになり素直にうれしい。笑って泣いて、びっくりしてズッコケて(笑)。ぜひ活力をもらって、劇場をあとにしてもらえれば」と感無量の面持ちだった。
現在の埼玉県行田市に位置する武蔵国忍城を舞台に、“のぼう様(でくのぼうの意)”と領民から慕われる城代・成田長親(萬斎)が、天下統一を目指す豊臣秀吉方2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めに、わずか500人の兵で対抗する歴史スペクタクル。萬斎は「周りからでくのぼうと呼ばれているだけで、どういう思考回路をもっている男なのか(シナリオに)書かれていないから、役作りには悩んだ」と述懐。「待ち時間1時間、撮るのが1分なんてことも。それでもツワモノがそろっているので、飽きることがなかった」と豪華な共演陣をたたえた。
時代劇に初挑戦した榮倉は「2カ月ほど練習したのに、乗馬のシーンがカットされた」と恨み節。「いや、ひとつ残っています」(樋口監督)、「僕が切りました」(犬童監督)とかぶとをかぶった両監督が丁々発止のやりとりを披露した。佐藤は「そもそもなんで監督がふたりだったの?」と素朴な疑問。それでも「最初は戸惑ったが、だんだん妙に融合し、うまく化学反応が現れた」と異色の現場にも手ごたえを感じていた。
8月には第36回モントリオール世界映画祭でプレミア上映され、上地が現地入りし「向こうのお客さんのリアクションがとても大きかった」。滝をイメージした水のカーテンをバックに、ステージ前方では炎が上がるというド派手な演出のなか、キャスト陣は汗だくになりながら「壮大な時代劇であると同時に、重厚な人間ドラマ」(成宮)、「家族三代、いや四代で楽しめる映画」(山田)、「僕の衣装にはそでがないので、二の腕フェチの方に楽しんでもらえれば」(山口)とアピール。犬童監督は「スケールの大きな娯楽映画が作れて満足。面白くてつい5回も見ちゃった」と自信をみなぎらせ、樋口監督も「監督がふたりいると、演出は“当社比2倍”でツインターボを搭載しているような感覚」と本作の“出陣”に胸を張った。
映画には野村、榮倉らプレミア出席者に加えて、市村正親、鈴木保奈美、西村雅彦、平泉成、夏八木勲、前田吟、尾野真千子、芦田愛菜ら豪華な顔ぶれがそろう。
「のぼうの城」は、11月2日から全国で公開。
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