香川京子、アジア女優初のFIAF賞受賞に「申し訳ない」
2011年10月24日 14:23

[映画.com ニュース] 日本人初、アジアの女優として初のFIAF賞を受賞した女優の香川京子が10月24日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催中の第24回東京国際映画祭で行われた授賞式へ出席した。FIAF事務総長(オーストラリア国立映画音響アーカイブ)のメグ・ラブラム、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹の岡島尚志、東京国際映画祭の依田巽チェアマンらが香川へ祝辞を述べ、それを受けた香川は「こんな華やかな賞を頂いて光栄に思いますとともに、申し訳なく思います」と謙虚に喜びを語った。
FIAF賞は世界77カ国、150以上の映画保存機関から構成される国際組織フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)が2001年に制定。映画遺産の保存活動に貢献した人物を表彰する賞で、過去の受賞者にはマーティン・スコセッシ、マノエル・ド・オリべイラ、イングマール・ベルイマン、マイク・リーら世界のそうそうたる巨匠たちが名を連ねている。
香川は小津安二郎監督の「東京物語」(1953)、溝口健二監督の「近松物語」(54)、成瀬巳喜男監督の「驟雨」(56)、黒澤明監督の「どん底」(57)など日本が誇る巨匠監督の名作に数多く出演。受賞にいたった理由は、当時の巨匠たちとの撮影現場での貴重な写真や資料を、10年ほど前からFIAFの会員である東京国立近代美術館フィルムセンターへの寄贈。現在までに約300点にのぼるという。
アジア人女優初の受賞となった香川について、岡島主幹は「偉大な意志を持つ映画人に列せられたのだと思います」と敬意を表し、出演作品を保存することは「日本、世界の映画の宝を守ることであり、日本映画の誇りを未来に提唱すること」と、感謝の言葉を述べた。
受賞決定以前はFIAFの存在をあまりよく知らなかったという香川。「(これまでの受賞者らと)肩を並べる資格があるのかしらと心配になりますけども、お手伝いをするのは賞をきっかけにこれからだと思っています」と更なる貢献への意欲を語った。
10月30日まで開催の第24回東京国際映画祭では、東京国立近代美術館フィルムセンターとの共催で「香川京子とその巨匠たち」部門が設けられ、香川が出演した映画の特集上映を実施。「近松物語」の新訳ニュープリント版(10月24日上映)、「東京物語」のデジタルリマスター(10月24日上映)、「驟雨」(10月26日上映)、「どん底」(10月28日上映)など計9作品が順次上映。
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