どん底
劇場公開日:1957年9月17日
解説
ゴーリキーの同名戯曲を、黒澤明監督と小国英雄が翻案。陽の当たらない、江戸の場末の棟割長屋に暮らす人々の人生模様をユーモラスに描いた辛口辛口群像劇。黒澤としては珍しく短期間・低予算で仕上げた作品といわれる。入念なリハーサルを繰り返し、本番では複数カメラで一気に撮り上げた。物語のほとんどが長屋の中で展開されていながら、極限の臨場感と緊張感を見るものに与える複数カメラ演出が光る。
1957年製作/137分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年9月17日
ゴーリキーの同名戯曲を、黒澤明監督と小国英雄が翻案。陽の当たらない、江戸の場末の棟割長屋に暮らす人々の人生模様をユーモラスに描いた辛口辛口群像劇。黒澤としては珍しく短期間・低予算で仕上げた作品といわれる。入念なリハーサルを繰り返し、本番では複数カメラで一気に撮り上げた。物語のほとんどが長屋の中で展開されていながら、極限の臨場感と緊張感を見るものに与える複数カメラ演出が光る。
1957年製作/137分/日本
配給:東宝
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2023年3月11日いつの時代にも、金も心も豊かな者がいれば、金に貧しく心も貧しい者もいる。
そして、大体は豊かな者は豊かな者同士で、貧しい者は貧し者同士で集まって
暮らすモノだ。
そんな「全てにおいて貧しい者達」が集まった集落。 今日が不幸なら、明日も
不幸…明日も不幸なら、明後日も不幸… どうにもならない状況が、いつまでもいつまでも続く…
そんな時には、とても小さいながらも、自分達でやれる祭りでもやって、心を
慰めるしかない。 だが、そんな僅かな心の猶予の時間も、あっさり崩れ去る…
なら、また下らない人生を続けようじゃないか…
そんな「人間の業」を描いた作品。
黒澤明はなぜこの映画を撮ったのか?黒澤は、この映画の後、立て続けにアクション映画ばかり撮ってそれが大成功して全盛期を作った。その前にこの映画をなぜ短期間で撮り上げたのかということは着目に値する点ではないかと私は思う。黒澤は三船敏郎という俳優をえてアクションを撮り始めるわけであるが作家としては本来そうではない。この作品ようなものを描くタイプなのだ。それは映画監督にデビューする前に20代で書いた「だるま寺とドイツ人」と晩年に撮った「8月のラプソディー」という映画の内容がとてもよく似ているという点からもはっきりしている。黒澤明は面白いことに作家としての資質と監督としての資質がズレているのだ。監督としてはどうしてもアクションを撮りたいのであるが作家としてはどうしても人情ものを書きたい人であったのだ。そしてこのタイミングで「どん底」を撮った。黒澤は作家としての自分を終わらせるためにこの作品を撮ったんじゃないかと思う。
さて、この映画は見る前にひとつだけ予備知識が必要である。それは決し手に汗握るとかワクワクする映画ではなく我慢して見るべき映画だという点だ。三船敏郎が出ているが決して主役とは言えない。カッコよくもない。いつもと違って感情的になりやすく頭が良さそうに見えない。この映画は群像劇なのだ。それをまず最初に知ってからじっくり我慢して見る気になってみよう。見終われば、何かよくわからんがグっとくるものが塊のように心に残ることだろう。
カメラワーク的に面白いと思ったのは一番最後のちんじゃらどんどんのシーンだ。この部分ではアップが多用されている。全体的にアップが少なめなのにここんところで大胆にも多用しているのはちょっと度肝抜かれるものがあった。アップを使うことによってそれまで江戸時代の人物たちを見ていた感じから、昭和の俳優を見ているような感じに変わった。「どうです?この俳優たち、魅力的でしょう」という監督の声が聞こえてくるような気がした。この部分の演出により暗い話が少し明るい雰囲気になり地味な映画が少し楽しめたような気分がしてくる。そして最後の締めくくりがまたアップで終わる。これは途中でアップを多用していたからこのラストが決まったんだと思う。「これは映画ですよ。劇ですよ」って感じに。
地味ではあるが白黒映画の魅力に富んだ、とても面白い映画だった。
原作も黒澤映画も好きだけど、前半が長すぎる。
生き方で悩める人が観るべきなのに、すべてクリアする前に挫折するだろう。
馬鹿囃子はクライマックスだけで充分。職人の妻のくだりに時間かけ過ぎ。暗くなるだけ。
左卜全が魅力的で憧れるが、なにより山田五十鈴が黙っていても笑っていても情念が恐ろしくて良かった。
それだけにもったいない。
Blu-rayで鑑賞。
原作は未読です。
棟割長屋で繰り広げられる群像劇と云うことで、黒澤明監督にしてはかなりこじんまりした作品だなと思いましたが、つくり方がとても実験的でした。「七人の侍」などで行われていたマルチカメラ方式の総決算的要素が強く、入念なリハーサルを重ねた上での本番は結構長尺な長回しで撮影され、キャスト陣の緊迫感と演技の熱量が画面越しに分かるくらいに濛々と立ち込めていて、圧倒されっぱなしでした。本作が上質なクォリティーで成立しているのは、監督の手腕だけでなく、演技巧者な俳優たちによる見事なアンサンブルの賜物だなと思いました。
特に、山田五十鈴の演技が目を引きました。嫉妬に狂った女の壮絶な性を表現するために、目の動きや表情など細かい部分まで徹底的につくり込んでいるように感じられて、筆舌に尽くしがたいほどの強烈な存在感を醸し出していました。
様々な事情を抱えた登場人物たちの織り成す群像は、黒沢監督の貧困への怒りと人間愛に満ちた視線によって、時にユーモラスに、時に残酷に描かれていて、ハッとさせられること度々でした。一筋縄ではいかない人間と云う生き物の複雑さが浮き彫りになり、享楽的な踊りによって高揚した気分がどん底に落とされて終わるラストシーンが印象的でした。
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