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津川雅彦が幻の伊丹十三監督版「社長シリーズ」構想明かす

2011年10月23日 18:44

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トークショーを盛り上げた(左から) 村田雄浩、宮本信子、津川雅彦
トークショーを盛り上げた(左から) 村田雄浩、宮本信子、津川雅彦

[映画.com ニュース]  1997年に亡くなった伊丹十三監督(享年64)作品の回顧上映「JUZO AGAIN」が、第24回東京国際映画祭の提携企画として開催され、妻で女優の宮本信子津川雅彦村田雄浩が10月23日、東京・日本橋三井ホールで「たんぽぽ」(1985)の上映後にトークショーを行った。

名前にちなみ、没後13年の節目に企画された特集で、監督デビュー作「お葬式」(84)から遺作となった「マルタイの女」(97)までの全10本に加え、29歳のときに伊丹一三名義で撮った“幻の初監督作”といわれる短編「ゴムテッポウ」(62)を連日上映。宮本は、「今は伊丹十三を知らない世代の方もたくさんいらっしゃいます。こういう機会を得て、面白い映画を撮って駆け抜けた男がいたことを知ってほしい。私も女優として、本当に厳しく鍛えられました。それが自分の実になり血や肉になっています。これからも前に向かって歩いていきたいと思います」と感慨深げに語った。

静かな生活」を除く9作品に出演した津川は、「伊丹さんは責めるのがうまい。『素晴らしい、99点です』と言った後に『100点にしましょう』とニコニコしながらもう1回と言う。これが憎らしい。一切譲らないけれど、OKが出たらもうやらなくて済むと思い、悔しいけれど握手しちゃうんだよ」と毒舌を交え思い出を披露。さらに、「セリフも1字1句間違えてはいけない。自分が大根(役者)だったから微に入り細に入り責めて、自分が思い描いたとおりにやらせようとするんだ」と憎まれ口までたたくありさまだ。

それでも、「100点と言われるためにセリフを叩き込まないと、リアルにしゃべられないしいい芝居にはならないと間接的に教えてくれた。『あげまん』(90)のころは、自分が最高にうまいと自覚していた」と感謝も忘れない。そして、自ら脚本を手がけていた伊丹監督に、別の人間が書いた脚本も演出する意思があることを確認したうえで、津川、故緒形拳さん、西田敏行のトリオで「社長」シリーズを復活させる構想があったことも明かした。

津川の独り舞台に宮本が調子を合わせる丁々発止のやりとりに、会場は爆笑の連続。完全なフリートーク状態となり、質問役の司会者が間に入れないほど。「ミンボーの女」(92)、「マルタイの女」の2作のみの出演で、撮影当事は30代の若手だった村田にいたっては、ほとんど聞き役に徹するしかなかった。

なお、伊丹監督の10作品を5本ずつにまとめたブルーレイボックス「伊丹十三FILM COLLECTION」が11月25日、2012年1月27日に順次発売される。

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