「のぼうの城」約1年公開延期「水攻めの表現ふさわしくない」
2011年4月22日 13:32

[映画.com ニュース] アスミック・エースは4月22日、東日本大震災の被害状況、被災者の心情を鑑み東宝との共同配給作品「のぼうの城」(9月17日公開予定)の公開を延期することを発表した。新たな公開時期は、2012年秋を予定しているという。
野村萬斎主演の「のぼうの城」(犬童一心×樋口真嗣監督)は、和田竜の人気時代小説が原作。「のぼう様(でくのぼうの意)」と呼ばれ、領民からも慕われた忍城の城代・長親が、わずか500人の兵で石田三成率いる豊臣秀吉方2万人の大軍に対抗した姿を、個性豊かなキャラクターによる人間ドラマと、城を丸ごと水に沈める“水攻め”戦術など迫力の映像でダイナミックに描く。
同社は公開延期の理由について、「本作には、豊臣秀吉の命を受けた石田三成による戦略のひとつとしての水攻めが迫力ある映像で描かれております。これは史実であり、水攻めは数ある戦略の中のひとつです。しかし、この水攻めの表現は、この時節柄上映するにはふさわしくない描写ではないかという観点から協議を重ねてまいりました。その上で最終的に、関係各位協議・合意の上、公開の延期を決定致しました」と説明している。
他作品では、ワーナーエンターテイメントジャパンが大津波の被災シーンがあるとして、「ヒア アフター」(クリント・イーストウッド監督)を上映中止に。松竹は「唐山大地震 想い続けた32年」(フォン・シャオガン監督)の公開延期を発表している。
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