スピルバーグ監督版「オールド・ボーイ」、双葉社提訴で製作中止か?
2009年6月22日 12:00
[映画.com ニュース] スティーブン・スピルバーグ監督、ウィル・スミス主演でハリウッドリメイクが企画されている韓国映画「オールド・ボーイ」(03)の映画化権をめぐり、原作漫画(土屋ガロン・作、嶺岸信明・画)の出版元である双葉社(東京都新宿区)が、韓国の製作会社ショーイーストを提訴した。
この提訴により、米ユニバーサル・ピクチャーズによるリメイク版は製作中止に追い込まれる可能性が出てきた。
ソウル中央地裁が韓国メディアに明らかにしたところによると、日本の双葉社は韓国のショーイーストを相手取り、版権契約に関する不存在確認訴訟を起こしたという。双葉社は、「ショーイーストが、ユニバーサル・ピクチャーズとリメイク版の製作を進める際、関連する収益支出の事項を双葉社に事前に通知し代価を支払うという基本契約に違反。これを一向に改善しないため、映画版権契約を破棄する」という訴状を提出した。
なお、双葉社はeiga.comの取材に対し、この訴状の内容については全面的に認めたが、裁判の行方については「現在は係争中なので、何も話せない」としている。
パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」は、主演チェ・ミンシク演じる平凡な男が何者かに15年間(原作漫画では10年間)監禁され、解放後に復讐を遂げるという物語。03年韓国で公開されるや、観客動員300万人超を記録した大ヒット作で、04年カンヌ国際映画祭で審査委員長のクエンティン・タランティーノの激賞を受け、審査員特別グランプリを受賞した。
同映画を「ポセイドン」(06)、「アイ・アム・レジェンド」の脚本家マーク・プセドビッチが脚色。監督をスピルバーグ、主演をウィル・スミスでユニバーサル・ピクチャーズによるリメイク版が企画されていた。