ベネチア映画祭金獅子賞は、性描写が話題のアン・リー監督作に!
2007年9月10日 12:00

[映画.com ニュース] 9月8日、第64回ベネチア国際映画祭が閉幕、同日夜にコンペティション部門の結果が発表され、全23作品の中から選ばれた最高賞に当たる金獅子賞(グランプリ)は、アン・リー監督のアメリカ・中国・台湾合作映画「ラスト、コーション/色・戒」に決定。2年前の「ブロークバック・マウンテン」に続く2度目の受賞になるアン監督は、授賞式でトロフィーを受け取ると、先頃89歳で亡くなったスウェーデンの監督イングマール・ベルイマンへ同賞を捧げて、喜びを爆発させた。
ただ、昨年の同賞受賞もジャ・ジャンクー監督の中国映画「長江哀歌」であり、今回の審査委員長であるチャン・イーモウ監督(中国)の口からこのタイトルが発表されると、記者席からは一斉にブーイングが起こった。「アン・リーが2つ目の金のライオンを盗んだ」と辛辣に報じた欧米のメディアもある。
同作は、第2次大戦の日本軍占領下の上海や香港を舞台に、チャン・アイリンの同名短編小説を映画化したサスペンスドラマ。大臣暗殺を目論む抗日運動家(トニー・レオン)の元へ送られる女スパイの揺れ動く心を描くというストーリー。1万人のオーディションから選ばれた新人タン・ウェイの大胆なセックスシーンに、同映画祭記者会見で「本物か?演技か?」と質問が飛んだほどの話題作だ(ワイズポリシー配給で08年1月日本公開、予告編参照)。
監督賞は、イラク戦争の内実を描いた「Redacted」のブライアン・デ・パルマ監督。
優秀女優賞はトッド・ヘインズ監督の「I'm Not There」のケイト・ブランシェット、優秀男優賞は「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」のブラッド・ピット。奇しくも、審査員の1人であったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作「バベル」で夫婦役の2人が受賞した。
また、オリゾンティ部門では、昨年の金獅子賞を受賞したジャ・ジャンクー監督作「無用」が最優秀ドキュメンタリー賞受賞。なお、コンペティション部門の三池崇史監督「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」と、オリゾンティ部門の青山真治監督「サッド ヴァケイション」は受賞を逃した。
★金獅子賞(最優秀作品賞グランプリ)/アン・リー監督「ラスト、コーション/色・戒」(米・中・台)
★銀獅子賞(最優秀監督賞)/ブライアン・デ・パルマ監督 「Redacted」(米)
★審査員特別賞/アブデラティフ・ケシシュ監督「The Secret of Graine」(仏)&トッド・ヘインズ監督「I'm Not There」(米)
★コッパ・ボルピ(優秀男優賞)/ブラッド・ピット「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」(米)
★コッパ・ボルピ(優秀女優賞)/ケイト・ブランシェット 「I'm Not There」(米)
★マルチェロ・マストロヤンニ賞(優秀新人俳優賞)/ハフシア・ヘルジ「The Secret of Graine」(仏)
★オゼッラ(優秀撮影賞)/ロドリゴ・プリエト「ラスト、コーション/色・戒」
★オゼッラ(優秀脚本賞)/ポール・ラベルティ「It's A Free World...」(英・伊・独・西)
★特別獅子賞/ニキータ・ミハルコフ監督「12 Angry Men」(露)
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