「好きな監督はジョン・カサベテス」。菊地凛子はシネフィル?
2007年3月20日 12:00
「現場に戻れてホッとしているの。日本映画の現場というより、映画の“現場”が楽しいんです。ず~っとプロモーション活動ばかりしていましたからね」。三木監督と共演の松尾スズキが「『幸せの黄色いハンカチ』以来、久々に現れたおもしろいロードムービー」と豪語するこの映画で菊地凜子が演じるのは、アカデミー助演女優賞候補になった「バベル」のチエコとは一変、手首につけた“ためらいキズ”がおろし金のようになっている(わさびまで擂れる)元SM嬢サヨコ。伊勢谷友介が演じる主人公たちを巻き添えにする、快活な女性だ。「全編を通じてムダ口しかない」(松尾スズキ・談)というおもしろい脚本に惹かれたというが、「いろんなトラブルも起きましたけど、ほんと、おもしろい体験をさせてもらいました。そして新しい挑戦も、ね」(菊地)
そんな彼女の次回作は、高校を舞台にした超ド級のハードボイルド映画「BRICK/ブリック」(4月14日公開)で、サンダンス映画祭などを震撼させたライアン・ジョンソン監督によるハリウッド映画「The Brothers Bloom」。3月中にヨーロッパに渡り、その撮影に全力投球するという。主演のレイチェル・ワイズをハメる、エイドリアン・ブロディとマーク・ラファロのペテン師の兄弟に一枚かむアジア人女性という役柄らしい。「その兄弟の仲間になるわけなんだけど、コンゲームを成功させるため、今度もしゃべらせてもらえないの(笑)。英語で歌う場面はあるんだけど」と彼女。
「映画は大好きで、チャンバラを見ると居合いを習い、西部劇を見ると乗馬を習ったぐらい影響力があるの。手当たり次第に見るんだけど、私の生涯のベストワンは『ミニー&モスコウィッツ』。ジョン・カサベテス監督の作品が大好きなの」。今後どんな手を使ってでも演じてみたい映画のキャラクタートップ3を、過去の作品から選んでもらった。「3位は『ポンヌフの恋人』(レオス・カラックス監督)のジュリエット・ビノシュ、2位は『SWEET SIXTEEN』(ケン・ローチ監督)の男の子(マーティン・コムストン)、そして1位はジョン・カサベテス監督の『こわれゆく女』のジーナ・ローランズ!」
映画の趣味もなかなかだが、演じたい役柄も「バベル」同様にチャレンジングである。