静かなる圧倒。時代の変わり目に立つ一作
静かな圧倒が押し寄せ続けた。観る者の人生や価値観を揺さぶる、忘れがたい2時間だ。本作には都市部やビル群がほぼ姿を見せない。登場するのは延々と続く道。天然の石、大自然の公園、恐竜のオブジェ。その渦中で、人は誰かの生き方に合わせる義務もなければ、貨幣経済に縛られる必要もない。眼前に広がる果てしない風景は時に寂寥感に覆われることもあれば、希望を感じるほど光に満ちることもある。大切な皿はいつか割れて... 続きを見る
現代の日本という「すばらしき世界」
西川美和監督作品は恥ずかしながら1度も観た事が無く、イメージだけだと「音が少なくて静かな作品を作る人」といった感じ。
是枝裕和が「西川美和新章突入」と言っているので作風を変えたのかもしれないけど、思ってたよりもお茶目でリズミカルな作風だった。現代に適応出来ない役所広司の姿は笑えるし、最初の運転のシーンは思わず声が出た。
しかし、笑いというのはいとも簡単に涙に変換されてしまうもの。
現代に適応... 続きを見る
小さな悪意と小さなやさしさの混在する社会の中で
13年ぶりに出所した元ヤクザの三上が、堅気としての地道な自立を手に入れようと精神的にもがく様が、淡々と描かれる。
三上は私生児として産まれ、母親は施設に彼を置いて失踪したため、親の愛を知らず育った。劇的な展開のある物語ではないが、直情的な彼が感情の制御に苦しみながら一進一退で歩んで行こうとする様をつぶさに見せられているうちに、その不器用さにはらはらしながらもいつの間にか応援していた。
... 続きを見る
私は嘘つき……と言う芳根京子ですが、もしかすると「私は嘘つき」という言葉自体が嘘なのではないかと思わせる、まるで気が触れたかのような女性を演じていて、これは凄かったと思います。
しかし、なんだかなーと思ったのが、ストーリーの拙劣さです。
登場する数名に同一種のトラウマが設定されていたり、人間関係を設定=偶然に頼り過ぎている点など、ストーリーとして許せる限度を超えており、鼻につきました。
誰であれ、人間である以上は、親にまったく反発を抱かないことはあり得ないはずです。
しかし親を許せないと考える人の気持ちを安易に尊重してしまっている現代の風潮はどんなものなのでしょう... 続きを見る
全1011004件中、4571~4580件目を表示








