ブギーマン

劇場公開日:

解説

ホラー小説の巨匠スティーブン・キングが欧米の昔話に登場する恐怖の存在「ブギーマン」を題材に執筆した短編を原作に、得体の知れない何かに狙われる家族の運命を描いたサスペンスホラー。

母の死から立ち直れずにいる女子高生セイディと幼い妹ソーヤー。セラピストである父ウィルもまた、妻を亡くした悲しみにとらわれ娘たちと向きあえずにいた。そんなある日、ソーヤーが家の中で怪しい何かを目撃するが、セイディはまともに取りあおうとしない。一方、ウィルは謎の患者レスターから怪しげなメモを渡される。娘たちの異変に気づいたウィルは解決を図ろうとするが……。

ドラマ「ボバ・フェット The Book of Boba Fett」のソフィー・サッチャーが姉セイディ、ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」のビビアン・ライラ・ブレアが妹ソーヤー、「AIR エア」のクリス・メッシーナが父ウィルを演じる。監督は「ズーム 見えない参加者」のロブ・サベッジ。

2023年製作/98分/PG12/アメリカ
原題または英題:The Boogeyman
配給:ディズニー
劇場公開日:2023年8月18日

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(C)2023 20th Century Studios.

映画レビュー

3.5「大人はわかってくれない」ホラー

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

子どもだけが見えるというおばけの伝承を描いたスティーブン・キングの短編小説の映画化。キング原作らしい良質なホラー作品に仕上がっていた。母親が亡くなって精神的に不安定になっているふたりの娘。父親は精神科医で、ある日妙な男が突然診療にやってくると、子どもが死んだと告げて、子どもの言った通り「あの怪物は実在した」と言い出し唐突に自殺。子どもたちは闇にやばいものがいると訴えるが、精神的な不安からくる幻想だと取り合ってくれない。まさに「大人はわかってくれない」という状態である。
ブギーマンの造形が最終盤まで明かされないのが、この場合は効いている。ホラー映画モンスターの造形はたくさん堪能したいところなのだが、大人には見えない怖さがこの物語には重要。見えない恐怖を優先したのはいい判断だったと思う。配信用に企画されたらしいが、出来がいいので劇場公開したというのは納得感がある。あまり変化球ではない、クラシックな作りが逆に新鮮。監督はZoomを題材にしたホラー映画で有名になった人だけにこういう直球も作れるのだなと嬉しかった。

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杉本穂高

2.0怖さはあまりない、逆に暗すぎて画面がよく見えない場面あり

2024年10月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

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nayuta

3.5子供の頃を思い出す

2024年8月4日
Androidアプリから投稿

2005年に同タイトルの作品があるが、特段リメイクという訳では無いそうだ。「ZOOM 見えない参加者」のロブ・サベッジ監督だが、変わり種を多く生み出す過去作とは打って変わって王道ホラーで攻めてきた様である。
母親を失って悲しみに暮れる残された家族が、怪物と対峙するのと同時に次へと進んでいく構成はいかにもスティーヴン・キングの物語そのものである。ブギーマンの正体等は深掘りしないが、子供の頃に漠然とした恐怖―例えばドアの隙間から誰かが見ている感覚、あのなんとも言えない光る目が2つ自分を睨みつけている様に感じるあの感覚を思い出させてくれる様な演出が中々怖くて好きだ。
また、暗闇と対照的に光を放つアイテムを使って陰影を付け、より暗い部分に怖さを増強させる技も披露してくれる。末っ子が持ってる光るボールはいかにも何か出てくるフラグが立っており、怖さを通り越して笑えてくる位だ。恐怖演出にオリジナリティは感じられないが、「怖さ」で言えば次第点だろう。
前半はじわじわ攻めてくる陰湿な怖さで畳み掛けて来るが、後半はお互いで物理攻撃を繰り出す肉弾戦へと発展する。そのギャップに驚かされながら、王道かつ安定の作りでそれなりに楽しめる作品だ。

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Mina

3.5抑制的な演技や陰影を活かした撮影が、ホラーという枠を超えた印象を残す一作

2024年4月6日
スマートフォンから投稿

序盤の助走なしのいきなり恐怖描写に、えっ、この作品はこんなにハイテンポなの?と驚いたものの、それ以降はむしろ抑制的な演出、映像が印象的で、闇に潜む恐怖を体感させてくれる作品です。

主人公の家族はほぼ全編にわたっていろいろと怖い目に遭っているのに、それでも一人で部屋に止まったり、怪しい一角にずんずん足を踏み入れるなど、どんだけ剛の者なんだ、と思わずにはいられない肝の太さ。

彼女たちに襲いかかる「異形のもの」は、なかなか正体をあらわさないため、実は全て彼女たちの妄想でした、と、いう流れにもなりそうな物語です。こうした心理的な恐怖描写に重きを置いた演出自体はそれほど真新しいものではないんだけど、陰影を活かした映像は、類型的なホラー作品を超えた何かが本作にはあるのでは、と予感させ、それが終盤になっても衰えない鑑賞の推進力になっています。つまりスラッシャー映画やスプラッター映画のような過激で派手な見せ場よりも、日常を何かが侵食していく恐怖をじわじわ描く作品が好きな人向けの作品といえます。

キングの短編小説が原作、というよりも本作の原案となっているんですが、キング原作の映画化作品は、最後にオチを見せすぎて失速しがちなのが一種のお約束。本作も同じパターンを踏襲してるかどうか、ぜひとも直接確認してもらいたいところ。

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yui