ボーはおそれているのレビュー・感想・評価
全356件中、201~220件目を表示
僕はミシュランマンが怖い
幼いころ白くてモコモコしたものが怖かった。
ソフトクリームすらミシュランマン見える時があった。
人は分からないものが怖い。
正体不明のミシュランマンは何するかわからない。だから怖い。
僕にとってのミシュランマンはボーにおける全身タトゥーマン。
ボーは劇中、何度も「なぜそんなことをするの」と聞く。
非難よりも疑問に近い。
全裸の殺人鬼に襲われた時もトニーがペンキを飲んだ時もそう聞く。
分からないことが多すぎるから恐れるものを多くなる。
ボーはまるで子供だ。彼をそうさせたのはもちろんママ。
支配の悪魔モナ・ワッサーマンは念能力者で領域展開までする。
そんな悪魔すら何かを恐れてる。
続きはnoteで書いてます。無論無料。
リンクはプロフィールにあります。
狂瀾怒濤
アリ・アスター監督の新作、予告から滲み出る不気味さに加え3時間という長尺という、ただならぬ雰囲気を抱えてんなーと思いながら劇場にINしました。
これは気が狂うわ…と思いながら引き攣り笑顔で観ていました。もう途中で振り落とされてから後半は意識半分で観ていた気がするくらいには圧倒されてしまいました。
初っ端、音楽がうるさいから音を止めろと隣人から言われるけど全く身に覚えが無いし、処方された薬が水と一緒に飲まないと死に直結するとかだったりで水を求めて外に出たら全裸男が暴れ回っていたり、カードが使えないからあたふたしてたら、なぜか外の人々がボーの部屋に入って行ったりと、もう観客を突き放して突き進むストロングスタイルに突入していったので、この時点であーヤバいわ(汗)ってなりました。
風呂に入ったら入ったで、天井に男が張り付いていて、そこから全裸で逃げ出したら、警察に撃たれそうになって逃げたら車に轢かれて、そこから他の全裸男に刺されまくるというもう悪夢見てんじゃない?ってレベルでした。これはスリラーでもホラーでもない、コメディだなと頭を切り替えて観ることができたのがまだ良かったです。
そこからボーを轢いた夫婦が娘の部屋にボーを寝泊まりさせるというこれまた唐突な展開で、なんか屋外にヤバい半裸男が暴れ回ってましたし、娘は娘でヒステリックに喚いてペンキを飲んで窒息死したり、そこから夫婦や半裸男に追いかけられたりして、妄想の世界に飛び込んで行ったりするので、意識飛んでた方がまともに観れるんじゃないかってくらいには情報のパンチが凄まじかったです。この妄想の世界も淡々と進んでいくので頭真っ白でした。
主人公のタマタマが肥大化しているの伏線回収が、まさかの父親が巨大ペニス怪獣という奇想天外な回収の仕方をした時にはもう座席からひっくり返っちゃうんじゃないかくらい驚いてしまいました。
そこに発狂おじさんが突撃してきて、ペニスをブッ刺しまくってたら、ペニスの刃に頭を貫かれるという、ゴア強めの特撮でしか観ないような描写をなぜかこの作品で観れたのが謎収穫でした。
母という力があまりにも強すぎる母に囚われたボーが終盤では可哀想になってきて、ただ生まれて、ちょっとイタズラを幼少期にしていたのを母親は自分から奪っていったと解釈していたりと、母親もかなりの毒持ちだったのが明らかになってからは展開的にずっと辛いものがありました。
ラストシーンのコロシアムみたいな場所での尋問はもう置いてけぼりだったので、何やってるんだろう…と一歩引いた目線で観ていました。
子供の頃の悪行(迷子になった時に母親が呼んでるのに出ていかないとか、母親の下着を悪ガキたちに触らせたり持ち帰らせたり)が祟ったラストの転覆は今までのツケが回ってきたのかなと思いました。
撮影前に自分を辱めるために奇声を上げたホアキン・フェニックスは本当怪演でした。文字通り身を粉にする勢いの暴れっぷりで、この人じゃなきゃ1時間も持たなかったんじゃってくらい、俳優としての底力を感じることができました。
全編通してボーの不安を映像化したとんでもない一品でした。なんでこんな作品を作れるんだろうというよく分からない関心が生まれてしまいました。
よく分からなかったという言葉でササっと片付けてしまいたいんですが、どうしても何か引っかかりながら劇場を出てしまったので、このレビューを書いてる時もまだ困惑しながら書いています。罪作りなアリ・アスターに今後も翻弄されていくんだろうなぁと思いました。あー怖い怖い。
鑑賞日 2/18
鑑賞時間 12:40〜15:50
座席 G-1
いったどっちなんだろう・・・?
最悪な気分が加速する
まず、タイトルでは「ボー」なのですが、作中は「ボウ」と呼ばれる主人公名に「統一しろよ」と、心の中の校閲モードが炸裂したところから、不安を煽られた気分。
脅迫神経症のきらいがある私は、冒頭のマンションエピソード内で若干ボウの狼狽ぶりに共感しつつも……
ボウの目の前(部屋の外)に広がる光景に「?」の違和感。
路上に溢れる狂った人々などの姿は、きっとボウが狂ってるんだろうなとすぐに気づいた。
これ、『ビデオドローム』に近いような。
気持ち悪いし、飲み込まれるような感覚。
登場人物が全員頭おかしい。
人(ボウ)の話を聞かないし、ボウに必要最小限の情報も与えない、全員碇ゲンドウ状態。
そしてボウの嫌がることしかしない。
ボウが狂っているのだとしても、ますます絶望させるような、画面を見ている我々観客にさえ、居心地の悪く気分が最悪などん底になっていく展開。
後半に行けば行くほど、不快感が加速していく。
ヘンテコというか、観客に対する嫌がらせのようなフィルム。
きっと監督の狙い通りなんだろうけども。
ただ、事故の後の医師の家のシークエンスで「ボウがひどい目に遭うのは全部仕組まれたもの」だと寝間着から察せられたので、オチには驚かなかった。
トゥルーマン・ショーかと
極度の心配症?不安症?から来る妄想ストーリー・・・がどこまでなのか。ONOFFの表現が無いし種明かしも無いから世界観が観客の理解を前提としていて、映像をそのまま観ていると、は??っていう印象。ラストがホントという意図のような気がするが、それも現実味を帯びてないシーンなので、もはや何でもありのように感じてしまった。観た人の感性や解釈次第ではきっと面白く感じるのであろう。
劇中では眠りや気絶するシーンが多く、これは夢なのか現実なのか、ずっと夢なのか・・・
結局、母親が見返りの愛を求める毒親のように見えるが、ボウの主観構成であれば真実も曖昧だ。
演劇パートで睡魔に襲われたので、何かを見逃した・・事もないと思うが、期待値は高かった作品だけに、自分には刺さらなかった。ミッド・サマーが特別好きだったわけではないが、なんかメディアに持ち上げられすぎ作品。
ヨブ記の基礎知識が必要。
アリ監督曰く「ユダヤのロードオブザリング」
神に選ばれた選民ユダヤ人は歴史では
国を奪われ常に住む場所に追われた人種。
ユダヤの聖典・ヨブ記の中ではヨブという人は
神を信じ、家族と仕事に恵まれた清い人であった。
ある日の神々の話し合いでヨブに受難を下せば神を信じなくなるでしょう、と
言われ主はヨブに受難を与え続ける。
その日からヨブの人生は過酷の一途を辿る。
ボーが常に生活の中で不安を感じ続けるのは
ユダヤ人の持つ、神を信じていてもいつ受難が来るかもしれないという
極度な不安症から来るものであるとわかる。
明るい童話のように進むシーンもあるが
どこか奇妙な雰囲気が常に漂う。
難解な話と長尺3時間は苦痛と捉える人も多いだろう。
次回作はホアキン主演続投でウエスタンだと言うアリ監督。
良くも悪くも今、最も注目される監督であると言える。
初めまして&さようなら、アリ・アスター
ボーが一番まとも
不快な三時間
精神を病んだ主人公ボーの見ている奇妙奇天烈な世界を3時間もみせられた
もう少し短くてよくない?
みる前に予想した通り不愉快度120%
ミッドサマーや継承よりはまし
吐き気をもよおさなかったので
不愉快な時間の長さはナンバーワンかも
精神を病んだ息子を心配して見守る母親の仕組んだ壮大なドッキリ大作戦
ドッキリにはめられてどんどん妄想膨らむ主人公
彼の見る現実と過去と絡みあう異様な妄想
そこにストーリーはほんの少し
かあちゃん死んじゃったから葬式に帰る
実際は見守るレベルじゃなくて異常な監視
こんなモンスターペアレントがいたらどんどん頭おかしくなっちゃうよね
モンスターペアレント通り越して精神異常者
頭おかしいやつしか出てこないし、ヒステリックに叫びまくって発狂するやつ多数
本当に不愉快な3時間
こんな映画他には存在しないし見事な世界観なサイコパスホラーだけどさ、やっぱ二度と観たくないな
A24ホラーって2度と観たくない映画ばっかり
トークトゥーミーは良かったけどね、それ以外は二度とみないよ
で、結局屋根裏に父親監禁してたって事でOK?
すぐに妄想入って奇妙奇天烈炸裂してたけどね
最終的に被害妄想裁判にて自爆
あんな母親いたら誰だってね
同情します
ホアキン・フェニックスの病み芝居は最高です
ボーの見る奇妙奇天烈な妄想世界をみて、彼と世界を哲学的に分析しましょう
その前に、どれが現実でどれが妄想かだけ教えてもらえすか?
自分で判断しろって?
そうですよね
無理です
まず強烈なオープニングから察するにボー君は生まれた時から精神異常あり
オープニングに爆発音。戦争?
いや、でも水の中っぽいし
戦争中に水の中に潜ってるのか?
と思ったら出産シーン
泣かない赤ちゃん
そしてヒステリックに叫ぶかあちゃん
思い返すとお腹の中にいる時から母親との戦争が始まっていたって事でしょうか
そして精神異常な子供が生まれたのは父親のせい!
と屋根裏監禁の流れでしょうか?
ボー家の周りは最悪な環境
そこも妄想なんだろうけど、最初は気づかずに最近のアメリカの荒み具合やばいねって勘違いする
アメリカでオピオイド中毒者が蔓延している番組を見たばかりで、ボーのマンションの入口にいたホームレスが番組に映っていた中毒患者そのものだったんですよね
オピオイドを作った会社を母親の会社にたとえて風刺をいれてるんだろうな
ボーが半監禁?の手下の家の子供も朝ご飯が、そのお薬だったし
ドア下から投げ込まれるメッセージ
うるさい隣人
母親に会わなければならない恐怖
恐怖が生みだす妄想のオンパレード
妄想なのかと思ったけど、身体に傷跡あったから全裸のシリアルキラーは現実ですよね
路上のホームレス軍団も妄想かと思ったけど、部屋荒らされてたから現実?
部屋荒らされてたの妄想の可能性だとしたら‥
やっぱりパンフレット買って読まなきゃだめかな?
妄想が表現する彼の過去のトラウマなど、またWOWOWで放送した際に録画してじっくり分析してみます
いや多分しない、だって二度と観たくないから
奇妙奇天烈ぶっ飛び映画としては
哀れなるもの
の方が俄然好きです
変な映画
めっちゃ眠い
観てて眠すぎる。
主人公がかなりの心配性。
主人公目線で描かれるから誇張された出来事が連発。
コメディでもなくホラーでもなく中途半端。
ストーリー自体微妙なので叫び声や音響でインパクトを出している感じ。
合わない人はひたすら眠いです。
不安が漂う
ホラーコメディとありますが、私は笑えませんでした。3時間と知ると、いつも一瞬躊躇しますが、あっという間でした。
精神世界を描いた映画ですかね。
壊れた母と息子。父親不在の家庭で、財力があり何でも手を回す頭の良い母。
愛情をかけないのもいけないが、与えすぎてもダメなのだろうし、思いどおりにコントロールしようとすればそりゃあ歪むでしょう。そういった意味では人間が壊れる怖い話です。
ママ自身に問題がありながら、ボーもいわゆる手のかかる子だったのでしょうね。ママの家にあった会社のヒストリーにも、発達障害支援のようなワードがありましたね。。
終始弱々しい表情と声のホアキンでした。恐れ、不安そのものでした。
そんな中、この映画で好きだったのは、ママの家の内装。逆に最初のボーのアパートメントと治安の悪い街は嫌いでした。あの暮らしに幻想が混じると怖かったです。
うん、確かにホラーですね。
二度ある事は三度ある?三度目の正直?
二度ある事は、
三度ある。
か、
三度目の正直になるか。
内容は、
前前作、前作、
以上でも以下でもない。
が、
両作品以下と、
評価される可能性がある主な理由3点。
1.何故予告編であのシークエンスを披露しないのか。
『ヘレディタリー/継承』も、
『ミッドサマー』も不穏な設定一発の予告効果は内容よりも強いインパクトがそれなりに効いてなかったか。
2.あの人とあの部屋を、
中盤からでも何故もっと入れないのか、
プロット、編集の問題、追加撮影は不要。
『ヘレディタリー/継承』のツリーハウスと同じ役割、無理矢理だけど、それだけで何とかしていた(私の記憶では)。
3.言ってもしょうがない事の最後は、
不要なシークエンスが多い、
例えば、父とのシークエンスを全オミット。
以上。
【蛇足】
もしも、
ボウうしろうしろ!
歓声、応援、声出し、コスプレOK、
うちわ、タオル、ペンライト、サイリウムの持ち込みOK、
火器類の持ち込み、クラッカー・笛などの鳴り物の使用までOKなら、
やっぱり行かないかな・・・
ホラー・コメディの傑作!
この作品が、ホラーでありながらコメディであることを俯瞰できないと、チンプンカンプンな作品に観えるかも知れません。評価がイマイチなのは、そのツボのようなところが分からない方だと、私は勝手に思います。現実の世界があって、そこに抽象的な表現が差し込まれると、作品でも取り上げられている迷子状態になりそうです。あと、母親と息子の確執という、男性であれば誰もが経験するベースを、実にうまくエピソード化しているところは、この作品の真骨頂だと言えるでしょう。ホアキン・フェニックスは中年でありながら、子供のように不安症に苛まれよく劇中で泣き出します。その気持ちがヒタヒタと伝わってくるので、とても可哀想になるのですが、反面、私たちを笑わそうとしている名演だと感ずると顔が緩みます。この作品は15歳以上指定の映画ですから、当然エロいシーンもありましたが、何故か初恋の人と結ばれるシーンに、不思議な感動がありました。あと、母親が亡くなって、実家にたどり着くまでの、難行、苦行のような時間は、茨の道になるのですが、その中に込められた比喩や箴言は、学ぶことが多いです。それにしても、子供から見たら、普通は母親は完璧な存在に見えるものですが、この作品では、その母親の未熟ささえも白日のもとに晒しているのですから、考えさせられること多しです。最後に、水の中にホアキン・フェニックスは沈み、浮き上がってきません。母親が水のような存在であるとしたら、きっと母親の愛に抱かれたのかも知れないと思うと、静かな感動が押し寄せてきました。
やりすぎアスター
アリ・アスター節が全開過ぎた
アリ・アスター監督の才能はスピルバーグ以来のものと感じている。これがホラー以外のジャンルで炸裂したら本物だと思うが、今回のこれはホラーではないので、その才能が如何なるものかという興味がまずあった。
結果から言うとやはり本物。3時間の上映時間は全く飽きる事無く、グイグイとスクリーンに引き込まれて行く。
以下は少々ネタバレあり。
描写は主人公であるボーからの視点のみ。そしてボーは難産のせいか少々発達障害のきらいがあるのがポイントで、腐乱死体の転がるスラムやペニス怪物などは、何かがデフォルメされた描写だろう。これはアンソニー・ホプキンスの「ファーザー」を思い出した。
ボーはおそらく無職で、母親の仕送りで暮らしていると思われるが、全ての出来事は母親の監視下による仕掛けなのだが、森の劇団のエピソードは一見不要にも見えるけど、ボー自身の願望なのだろう。だから元兵士はそれを破壊したと思う。
色々と深読みすると面白いけど、でも今回はちょっとやり過ぎで、母と息子の対立が無駄に難解で長いと言わざるを得ず、バランスを少々欠いた映画になってしまったと思う。
しかし次回作が楽しみで仕方ない。
不快という爽快感
まず、この映画の3時間をあっという間に感じる人と長いと感じる人で分かれるだろう。一種のカルト映画なのは間違いない。なので、ハマる人にはとにかくハマる。私はハマった。観てからずっとボウの事を考えている。
この監督の作品は精神的に不安定な人間が多いが、ボウはその中でも図抜けているし、痛くなるほどそれを描写してくる。内面がすでにボロボロなのに、周囲にはチラチラとボウに迫る危険を見せて来て、不意に爆発を起こして殺意を向けてくる。そしてそれが現実なのか非現実なのかはわからない。
もう一度書く。ハマる人にはとにかくハマる。私はハマった。観てからずっとボウの事を考えている。沢山の人に観てほしい気もするが、大半の人には理解されないだろうから人には勧められない。誰かに「実はあの映画が好きで・・・」とひっそり言われたら嬉しくなって話し込んでしまうだろう。そんな映画。
全356件中、201~220件目を表示