首のレビュー・感想・評価
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世界のキタノ、凱旋
最高傑作とは言えないが、北野映画の集大成的な作品であることに疑いない。
素晴らしいことに90年代の映像美が帰ってきている。
内容はやや散漫な印象であるものの、「首」と介錯にまつわる複数の見立てを1つの映画の中で描き切ろうと腐心した跡とも取れる。
また、男色、エログロという事前評判であったが、実際には全編ずっしり重たく、山田風太郎的(あるいはソナチネ的)な物寂しさを感じる演出であった。時に挟まれるコント的な挿話なしには、見通すのはかなりしんどかったのではないか(史実を嘲る本作のスタンスを明確にもしており必要な演出と思う)。
本作には幾つかのハイライトがあり、うち1つは炎上する本能寺での一連のやり取りであろう。
ネタバレになるので記載しないが、同時代的な問題提起を孕み、且つ胸のすくカウンター表現であった。喝采。
演技面では中村獅童が圧巻。加瀬亮の傍若無人な信長像は謂わば壮大なフリであり、先述の本能寺において回収される。
海外の映画祭で何らか受賞して然るべき秀作であった。次回作にも期待したい。
北野武全開です!!
予告を見た感じ“戦国アウトレイジ”だと思ったのですが、案外そこまででした。
序盤から信長の尾張弁に圧倒されます。東海圏以外の方は理解大丈夫だろうか心配です。
そこから、官吏的な光秀(西島さん)、荒木村重(遠憲さん)を中心にストーリーは進みます。
中盤以降は、秀吉(北野武)と曽呂利(木村祐一)、その他、千利休、家康を中心に進展していきます。
そして、あれよあれよと山崎の戦いです。
本作、特に戦闘シーンが秀逸です。鉄砲と弓矢の恐ろしさよ…最近、Youtubeで黒澤作品の「乱」を見ましたが、迫力は引けを取りません。
ただ…アドリブなんでしょうが色々と意味のない会話があったり、脚本&編集が少し勿体ないなと思いました。(北野監督なんですよね…)
後、やたら“軽い”首に違和感MAXでした。発泡スチロール??笑
とはいえ、先に述べた通り戦闘シーンは迫力満点で、是非映画館でご観賞ください!!
納得
戦国時代版アウトレイジ
うーん、面白いけど
戦国コント(昭和エンタメ)
おっさんずラブだぎゃ
武士の美意識が笑いのツボに
たけし解釈の本能寺の変
いかにして明智光秀が謀反を起こすに至ったか、たけし解釈で描く。
みんな腹の底を隠しながらのしあがろうと必死。
明智光秀と荒木村重のやられっぷりは可哀想、だけどBLはきちぃ。
織田信長はまさしく魔王。カリスマ性は皆無でイかれっぷりはお見事。忠臣に裏切られるのは当然。
豊臣秀吉はコントパート、でなんだか一番腹黒い。でもコントがちょっと滑ってる…
徳川家康が冤罪で狙われながらも、のらりくらりと交わしていく飄々とした感じが良い。
たけしといえばバイオレンス描写のイメージだが、戦国時代はこれが当たり前な世界だと考えるといまいちパッとしなかった。
首を取ることを最大の手柄としていた異常な時代の中、あのラストはたけしの冷めた視点を感じた。
攻防劇コメディ
戦国エンターテイメント
俳優さんは良かった。
現代から戦国時代に変えただけの、
まさにアウトレイジそのものでした。
でも、この時代を本当に描こうとすると、
こんな血生臭いものになるのだろうと思う。
スクリーンから血の匂いがしてきそうだし。
加瀬さんの信長、西島さんの光秀の存在感は抜群だし、
大森さん、浅野さん、監督の北野さんのトリオの
掛け合いがセリフなのかアドリブなのかわからない
ところも楽しかった。獅童さんの狂言回し的な役柄が
とても良かったし、ピッタリだった。
でも今までの北野作品から規模が大きくなっただけで、
北野作品のファンとしては、イマイチでした。
何か違う気がして、何か足りない気がして。
ただ死がとても近くに確実に存在していて、逃れられない感じは
今までと一緒だったように思う。
ただ刀であんなに簡単に人の首って斬れるものだろうか?
予告編で期待値上げすぎ?
戦国時代の血みどろ絵巻かと思わせて、内容はブラックコメディみたいな映画だった
予告編の戦国スペクタクルみたいな見せ方はあまり内容とマッチしてないのではないか。
それはそれとして、普通に楽しめた。
百姓あがりの秀吉や、大名たちから少し離れた場所で見る曽呂利や中村獅童さん演じるノスケなどを主軸に、首を取ることへ執着する将軍たちなどの武士道を、小馬鹿にしながら皮肉たっぷりに映し出す。その中で衆道も皮肉に描かれる。
ラストの秀吉のセリフが全てでしかないが、それのために長々と戦国コントを見たという感じだ。
映像に関して言うと、合戦のシーンはもっと引きの画を見たいなと思った。やはり大人数が動いているのは迫力がある。
あと斎藤利三と服部半蔵の戦闘シーン。まさかキタノ映画でシン・仮面ライダーみたいな残念アクションを見ることになるとは思わなかった。
戦国に渦巻く野望を元に展開するブラックユーモア
始めのシーンから首切り死体の傷口からサワガニが出てきたり、人が次々に切られたりと、なかなかグロい映画ではあったけど、秀吉、秀長、官兵衛の間抜けなやり取りや、家康の影武者が何度も襲われても、次々に出てくる展開には、笑わせてもらった。
戦国だからこそ策略渦巻く人間模様も、恐ろしいものがあったけど、その中で展開される笑える人間模様は、まさにブラックユーモアそのものだった。
その中でも気に入ったシーンは、農民上がりの足軽が光秀の首を取ったら、また別の兵士たちにやられた時、自分が殺した友人がいたこと。
そして、最後の光秀と農民上がりの足軽の首が秀吉の前に出され、光秀の首が捨てられそうになった時、秀吉が「俺は光秀が死んだことが分かれば、首なんかどうでもいいんだよ」と言って蹴り飛ばすシーン。
あの流れこそ、まさにブラックユーモアだ❗
世界の北野は、私にはハマらなかった。
世界は、これを評価するのですね。
そこそこの俳優さんが揃っているので、そこそこの緊張感はありつつストーリーは、流れます。
でも、まぁそんな感じ‥世界で認められる人の作品を私はキャッチできなかったってことですね。
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