劇場公開日 2023年11月23日

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「狂ってるのが普通」首 いちじろうめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0狂ってるのが普通

2023年12月3日
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鑑賞方法:映画館

怖い

昔見た戦国自衛隊は未だにトラウマで、当時は小学生だったから矢が無数に突き刺さったり、信玄の首とか強烈だった。この「首」も酷たらしく目に焼きつくシーンがたくさんあったけど、年を取ったからかこの時代はこれが普通なんだと冷静に観てた。

たけしさんが言うように戦国武将なんて偉人とかカッコいいとかなもんではなく、ロクなもんではない。この時代の人達(自分達の先祖)も生き延びるために狂人でありただの動物である。人のためにとか信用したら一瞬で消える。権力、手柄、金、生存のため人を利用し躊躇なく殺めるのは普通。普段正義感を持ってるつもりの私もこの時代に放りこまれたらそうなるだろう。まぁすぐ死亡だろうけど。

現代も法や罰がなければそこら中で強奪殺人はしょっちゅう起こり自分さえよければいい狂ってる世の中だろう。むしろ人のいい方が狂ってると言われるかもしれない。現代ですら私利私欲と生存を天秤にかけて法が甘いからか大小犯罪もなくならない。
世界で戦争が起こってる所もあり報道以上に悲惨だと思う、有事になると皆狂う。無法地帯になると自分のためだけに行動してさらに悲惨になる。

映画は観る人それぞれ楽しみ方感じ方は違いますが、ギャグっぽい所も所々あり、この殺伐とした状況では笑えず(笑えたら狂ってる仲間入りなのかも)、終始非情残酷なシーンばかりで気分は悪くなる作品。
首なんてどうでもいいんだよ、相手が死んでればな。と蹴りとばす秀吉。信長の首にしても光秀の首にしても、証拠はなくても確実に相手がいなければ自分は安泰最高。
自分の事しか考えない人間の本質、たけしさんの人間に対する思いの一部もあるのかなと感じた。

いちじろうめ