劇場公開日 2023年11月23日

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「笑えるが毒気も強いキタノ流」首 ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5笑えるが毒気も強いキタノ流

2023年12月2日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

「アナログ」の原作がたけし氏なのには意外感もあったが、ご本人が監督と主演を務めた本作の方は、まさにキタノ流、バイオレンスとコメディーのハイブリッド。合戦シーンや殺陣には迫力があるが、壮大なスケールで描くブラックコントとでもいうべきか。
芸人をどついたり、粉をかぶせたり、熱湯に入れたりといった乱暴なコントがあるが、戦国時代にタイムスリップして、刀で斬ったり矢で射たり罠に掛けたりといった命懸けのアクションに置き換えたらどうなるか、という感じ。
大人の悪ふざけと思えば単なるどぎついコメディーなのだが、戦国時代の人命の軽さをリアルに描いているという見方も出来るので、単に笑って済ませられない毒を秘めているところが、世界のキタノの凄さかもしれない。
これは、他の人には絶対に作れない。キタノ作品好きなら、高評価だろう。

ぱおう