春に散る

劇場公開日:

春に散る

解説

沢木耕太郎の同名小説を佐藤浩市と横浜流星のダブル主演で映画化し、ボクシングに命をかける男たちの生き様を描いた人間ドラマ。

不公平な判定で負けたことをきっかけに渡米し40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、同じく不公平な判定負けで心が折れていたボクサーの黒木翔吾。飲み屋で出会って路上で拳を交わしあい、仁一に人生初のダウンを奪われた翔吾は、彼にボクシングを教えてほしいと懇願する。最初は断る仁一だったが、かつてのボクシング仲間である次郎と佐瀬に背中を押されて引き受けることに。仁一は自信満々な翔吾に激しいトレーニングを課し、ボクシングを一から叩き込んでいく。やがて世界チャンピオン・中西との世界戦が決まるが……。

共演にも山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎、窪田正孝ら豪華キャストが集結。「ラーゲリより愛を込めて」「護られなかった者たちへ」の瀬々敬久監督がメガホンをとった。

2023年製作/133分/G/日本
配給:ギャガ
劇場公開日:2023年8月25日

スタッフ・キャスト

監督
原作
沢木耕太郎
脚本
瀬々敬久
星航
製作
鷲見貴彦
園田憲
依田巽
益田祐美子
河内真人
エグゼクティブプロデューサー
木村麻紀
チーフプロデューサー
麻生英輔
松下剛
プロデューサー
星野秀樹
共同プロデューサー
佐治幸宏
ラインプロデューサー
及川義幸
キャスティングディレクター
元川益暢
撮影
加藤航平
照明
水瀬貴寛
録音
高田伸也
美術
井上心平
装飾
櫻井啓介
衣装
纐纈春樹
ヘアメイク
那須野詞
編集
早野亮
音楽
田中拓人
主題歌
AI
VFXスーパーバイザー
立石勝
スクリプター
江口由紀子
音響効果
岡瀬晶彦
助監督
副島正寛
題字
池田樂水
ボクシング指導・監修
松浦慎一郎
ボクシングアドバイザー
田中繊大
内山高志
スーパーバイザー
池田朋寛
制作担当
馬渕敦史
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(C)2023映画「春に散る」製作委員会

映画レビュー

4.5最高の散り方

2023年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 5件)
共感した! 39件)
ニコ

4.0主演二人が両輪を成し共闘していく様が魅せる

2023年8月31日
PCから投稿

沢木耕太郎といえば「深夜特急」が思い出される一方、「一瞬の夏」などのボクシングに焦点を当てたノンフィクションでも知られる。そんな彼が小説という形で二人の男の再起をかけた共闘を描いたのが「春に散る」だ。映画と文学はまた別物と思いつつ、冒頭の居酒屋で佐藤浩市がたった一杯のビールを大事そうに、美味そうに飲み干すシーンを見ただけで、この映画が受け継ごうとしている魂を感じた。そこからの身のこなし、全てのきっかけを作るパンチ。極限まで体を鍛え上げた横浜流星が炎の塊だとすると、本作での佐藤浩市は熱すぎず、冷めすぎず、人生を少し達観したところから見つめる共闘者を真摯に演じている。この両輪が素晴らしい。また、彼が声をかける昔の仲間として、片岡鶴太郎がなんともいえない味わいをもたらし、微笑ましくも胸熱くなる。その他の競演陣が色を添える様も実に見事。それぞれの生きる道が重厚に織り込まれたドラマに仕上がっている。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
牛津厚信

4.5邦画界の“ボクシング部”的人材が大集合

2023年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

大勢の熱意が結実した力作なのは確かだ。毎回演技派の人気俳優たちが豪華に顔を揃える瀬々敬久監督作品だが、今作には実際にボクシングや他の格闘技の経験があったり、過去作でボクサーを演じたことのある身体能力の高い役者たちが大集合。翔吾役の横浜流星は中3で空手の世界大会で優勝し、「きみの瞳が問いかけている」ではキックボクサー役で主演、また本作の役作りの一環でボクシングのプロテストを受け合格した。

翔吾が所属するジムのトレーナーの一人、山下を演じる松浦慎一郎は、瀬々監督が認めるように近年の日本のボクシング映画のキーパーソン。大学でボクシング部に所属し、俳優の下積み時代にはトレーナーも兼業、ボクシング指導を担った作品は「百円の恋」「あゝ、荒野」「ケイコ目を澄ませて」など多数あるほか、ボクシング映画への出演も多い。世界チャンピオン・中西を演じる窪田正孝は「初恋」「ある男」に続き3度目のボクサー役で、「ある男」で共演した松浦から撮影後も個人的にトレーニングを受けていたという。別のジムのトレーナー・郡司を演じた尚玄は、「義足のボクサー GENSAN PUNCH」のタイトルロールで主演。佐瀬役の片岡鶴太郎も、芸能活動で人気を博してから33歳でプロテストに合格している。こうした役者たちの豊かな経験と資質に加え、瀬々監督の演出と松浦の指導の下、ボクシング演技の精度をさらに高めていったことが本作の迫力ある場面に貢献したのは間違いない。

個人的な好みになるが、翔吾と中西の試合でパンチが顔にヒットして打ち抜くまでのアップをスローで見せる演出は、当然ながら相手に怪我を負わせない力の入れ加減がわかってしまうので、再生スピードを落とさずにカットを工夫して見せる演出の方が迫真度が増したのではないか。もっとも劇映画でこれ以上のリアリティーを求めるなら、現役のボクサーたちを起用して実際に殴り合う姿を撮影するか、打たれた瞬間の顔の歪みや頭部の揺れをポストプロでCG加工して描画するしかないだろうという気もする。

もう一点、これも好みの問題だが、「春に散る」のタイトルが表示されたあとのシークエンスは蛇足に感じた。あのタイトルショットで潔く終わった方が余韻をより深く味わえそうなのに。とはいえ、若い世代には希望が託されるラストシークエンスの方が共感度が高いだろうか。

コメントする 2件)
共感した! 21件)
高森 郁哉

4.5また観たい!

2024年8月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

単純

興奮

試合のシーンががっつりあって満足度が高い。ボクシングの試合演技って殺陣とはまた違った覚え方だと思うけど俳優陣の記憶、動作、鍛え方に尊敬する。

ボクシングには詳しくないので これを機にタオルを投げ入れる意味を知った。

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共感した! 2件)
トウマ(20代/女)