カラオケ行こ!のレビュー・感想・評価
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丁寧に作られた映画でした
良い映画は全てに必然性がある。たとえ非合理でも必然性があると思っている。設定がつめられ、丁寧に伏線が回収され、若しくはそれらを全て超越する世界観が示され、無条件に納得させられる。
本作は、小さな世界でもあり得ない展開が続くが、何故か納得させられる。それは監督が作品の世界観を大切にし、スタッフや出演者がそれを共有してベストを尽くしてるからだと思う。
主役は当然、脇役もみんな輝いている。
個人的には副部長と次期部長のコンビが良かった。
それと、途中からの主役の不在を一人以外不問にしてるのは、音楽に必要なのは「愛」だからなのかな?なんて思いました。勝つために身を引き、周りも暖かく見守るという。
唯一のマイナスが綾野剛の関西弁。
こればかりは音感センスなのでやむを得ないとは言え、他の出演者が完璧なだけに浮くんだよね…。
でも、とても良い映画でした。
ハーモニー
ヤクザと中学生の青春ストーリー 最初から最後までクスクス笑いで、 仕事で疲れた休みの映画には持って来いです まあヤクザとカラオケなんて設定には少し無理があったけど そこは原作が漫画ということでスルーしましょう 後半の聡実くんのカラオケシーンでは涙が出そうになりました 大人から子供まで楽しめる映画と思います!
裏声が気持ち悪い(笑)
原作漫画未読、予備知識ゼロだったが、山下敦弘監督・野木亜紀子脚本に惹かれて鑑賞。シンプルな話ながら、聡実と綾野剛との関係の深まりをじわじわ丁寧に描きつつオフビートな笑いがずっと続いておもしろい。リンダリンダリンダを思い起こさせる自然な学園風景やサブキャラ、モブキャラがほんとの中学生っぽくて、山下監督らしさが全開だった。 まあ、ヤクザと中学生がカラオケ通じて友情を深めるなんて漫画っちゃあ漫画なわけだけど、どのキャラも立っていて、合唱部内で一人やたらとアツい和田最高(後聖人って芸名がまた!)。あと、坂井真紀はいまや肝っ玉すぎず美熟女すぎない絶妙な母親役として邦画に欠かせない存在になった気がする。
終始おもろハッピー!野木作品最高!
最初から最後までひたすらおもしろかったです。 これは一人で観るのはキツイ(笑) 爆笑したいの堪えてずっと一人でスンスンしていました。 野木亜紀子さんの脚本で発揮される綾野剛さんの魅力は唯一無二だと思います。 (ドラマ"MIU404"と"空飛ぶ広報室"が大好きです。) "紅"の関西弁翻訳版がめちゃくちゃおもろいんですが、最終的にホロリ&ジーンと泣かせてくれます。 ヤクザの世界に関しては特に胸糞なシーンもなく、最後まで安心してハッピーな気持ちで鑑賞できました。 物語の鍵となる「絶対に歌が上手くならないといけない」という点に関して、話が進むにつれて「何かもっと深くて重い理由や真相が明らかになっていくのかな?」と思いながら観ていましたが、特にありませんでした(笑) でも決して内容が薄いと感じるわけでもなく、ラストで物足りなさや不完全燃焼を感じることもなく、シンプルに美味しいお弁当を食べて腹八分目でいい感じに満足した気持ちです。 続きが観たい!とか、もっともっとが欲しくなるような感じではなく、これだけで十分ちゃんとおもしろい、気持ちよく本の最後のページを閉じてプチハッピーな気分で眠れるような作品でした。 主演のお二人はもちろん、合唱部(と、映画観るだけ部)のみんなやヤクザのみなさんも、狂児の家族も聡実くんの家族も、街並みや様々な"部屋"の雰囲気、人や風景のすべてが隅々まで愛おしくて可愛らしくておもしろかったです。 あらためて、野木さんの脚本は役者さんの生かし方がすごく旨い(上手いじゃなくて旨い)と思う。
中3男子の物語
ヤクザの男が、組長主催のカラオケ大会に向けて、中学校合唱部部長の男子生徒のレッスンを受けるため、カラオケに通う。 この有り得そうもない設定から、ヤクザが中学生との関わりの中で変わっていく様子を描くのかと思っていたら、実際は、中3男子が大人の階段を上り始める姿を描く物語だったことに驚き、面白みがあった。 笑える小ネタを挟みながら、ウェルメイドな娯楽作品に仕上がっている。時折長回しで、「間」をそのまま見せるのは、山下敦弘監督の持ち味。 主人公役の齋藤潤は、あの年頃特有の屈託さを出している。綾野剛は、始めから終わりまで好青年であったことは意外。もう少し空恐ろしさを感じさせるシーンがあってもよかった。合唱部副部長の女の子がかわいい。VHSで古い映画を観るひとり映画研究会は、原作漫画にもあるのだろうか。 今回、発声OK上映を初めて体験したが、さすがに一緒に歌う観客はいなかったものの、スクリーンへのかけ声、終映時の拍手など、ライブ感覚で面白かった。
亀から鶴
大阪ミナミのヤクザ(成田狂児)が大阪市立森丘中学合唱部部長の岡聡美(斎藤潤)を誘拐。カラオケボックスに軟禁し、歌がうまくなりたいから個人指導してくれと頼む。その理由が親分の誕生日会で行なわれるカラオケ大会で一番ビリになると親分からシロウト入墨を彫られるから。そして「紅」にこだわる狂児の話が。逃げ出して帰宅した聡美がカラオケボックスに忘れていった傘。校門の前に黒のCENTURYを停めて雨でもないのに聡美の亀柄の女物の傘をさして佇む狂児それを見つけて聡美に教える同級生の女子。母親(坂井真紀)に別の傘をねだるが、我慢できるだけ我慢し続ければとそっけない返事。父親が新しい傘を買ってくれたがその柄が。面白すぎ。狭いカラオケボックスで中学生に土下座する強面の組員たちが可笑しい。最後にちょっと出の組長は北村一輝。贅沢な無駄使い。
親分とダブるサブちゃんはそりゃダメでしょうね。
北の漁場、風雪ながれ旅あたりでしょうか。
コミックの映画化。脚本の野木亜希子に期待して鑑賞。微笑ましい学園ものでした。後輩のソプラノパートサブの子の演技がなかなかよかった。芳根京子は安定のお花畑。「紅」の冒頭の英語の歌詞の和訳が素晴らしい。スナックカツ子で組員たちを前にそのシブいセリフ入で披露して組員たちを泣かせてほしかった。おいらも組員のひとりになって号泣したかった。もうかれこれ18年ぐらいカラオケしてないオジサンの感想でワリぃ😎
ハマってしまった
原作 脚本 監督 キャスト 音楽 全てが上手くいったとても幸福感のある仕上がりで観てしばらくは「紅」を口づさみ、また観たくなり劇場に向かう。これは何度も観てしまうぞ!! 派手な演出はなく低音ピートが響いているようなそれでいて爽やかな風が吹いて気持ちいい。間違いなく良作です!
地獄行き、ってお手洗いのことだった!
大阪の中学3年生の岡君と暴力団若頭補佐・狂児さんのひょんな出会いと交流を描くコメディ。笑いあり、ちょっとウルっとくるところあり、で面白かったです。でもですね、中学生の岡君が、やくざの歌唱指導を引き受けることになる、このお話の肝心な部分がちょっと説明不足で、モヤモヤ感を最後まで引き摺ってしまったのも偽らざるところ。原作未読なので、岡君がこんな妙な依頼を断れなかった理由がちゃんとあり、映画ではその部分を端折っただけだったのかも知れません。だって、全国大会に出るレベルの学校の合唱部の部長を務めるような"しっかり者"が、こわーい人とは言え、少しねちっこく絡まれただけで、カラオケ屋にまでついて行ったりするものなのかなぁ?と思いませんか?まあ、全てギャグだと思って軽く受け流せば済むことなのですが、もう少し"らしさ"が欲しかったかな...
正直やられちゃいました!
もうひと月くらい前から上映してたのは知っていたんですが(他に観たい作品の目白押しで)正直どうでもいい方、テレビでやるまで待とうかな?レベルで考えてました。反省です!これはいい!!
大体予想はしていた展開?にもかかわらずも聡実(齋藤潤)くんが変声期の苦しそうな歌声で『紅』を熱唱してる時には思わず涙してしまいました。
和田役の後聖人くんも多感な中坊をうまく演じてましたよね!この世代は女子の方が大人なのはよ〜くわかるし、実体験からもあるあるなんですがお守り役の副部長や周りの女子部員の反応も『あっぱれ』でした。張本さんが生きてたらそう言うでしょう!(えっ、ご存命ですって?大変失礼しました)
昨夜、海外赴任される某一流企業の役員様夫人の送別会と称して、うん十年前の高校生だった仲間と落ち着いた隠れ家的お店で吟醸酒を嗜んで学生時代にタイムスリップしたばかりだったのでまさに『あるある』って何度もうなづくことしかりでした。
偶然ではありますが合唱部のメンバーがお二人いて、当時は聞けなかった本音話を「もう時効でしょ!」みたいに盛り上がって、時間を忘れたのも今日のこの作品に唸ってしまう要因になってました。「土曜日の『半ドン』の時の部活は‥」なんて今どきの子たちには理解不能な言葉が飛び交ってました。
それにしても『最後まで行く』でゾンビ化した綾野剛さん、今回は素敵なブラック企業戦士でしたよね。芦田愛菜ちゃんをゴミ袋に詰めてた尾野真千子さんの男の頃にはこんなにいい役者さんになるとは思いもしませんでした。(これ前にも書いた気がするけど)何にしろ、迷惑系YouTuber の餌食にならなくて(なったけど大事に至らず向こうが勝手に自滅してくれて?)本当によかったです!よく似た顔の波岡一喜さんももっとメジャーになるかと思いましたが、なかなか出てこられないですね。
そう、福田監督のコメディと対局の随所でクスって笑える素敵な作品でしたよね。侮ってて本当にゴメンなさい。いやあ、いい映画でした♪
合唱部主将の歌唱力には少々ガッカリしたが、「紅」の歌詞の奥深さに気づかせてくれた。
山下敦弘 監督による2024年製作(107分/G)の日本映画
配給:KADOKAWA、劇場公開日:2024年1月12日
歌唱力を上昇させないと組長に恥ずかしい刺青を入れられてしまうヤクザを演じた成田狂児を演じた綾野剛は、タッパとスタイルの良さが目立っていて、とてもカッコ良かった。KADOKAWA配給ということもあってか、松田優作と動き方がとても似ているとも思った。本人ももしかして、意識している?
主人公の父親・岡晴実を演じた宮崎吐夢の、父親としての怖さや威厳が皆無な演技もとても印象に残った。笑えたし、主人公のヤクザとの関係性構築に、説得力を持たせていたと思う。
合唱部副部長(八木美樹、2006年生まれ)の面倒見の良いキャラクター設定も、とても良かった。周りの女子たちの「何してる?」に「子守」と答えていたのは、あの年代の男女の精神的な年齢差を見事に表現してして、笑えると共に野木亜紀子脚本にいたく感心。
原作には無いらしい合唱部主将の岡聡美(齋藤潤)が「映画を見る部」にも属している意味付けは、良く分からなかった。見ていた映画は、自分にはカサブランカしか分からなかったが、「白熱」(ジェームズ・キャグニー主演の1949年米ギャング映画)→「カサブランカ」→「三十四丁目の奇跡」(1947年米クリスマス映画)→「自転車泥棒」(1948年伊ネオリアズモ映画)とか。前の二つは物語と良くフィットしていたが、後の二つの物語との関連性は分からなかった。
主人公が音楽だけではなく、大人の世界への関心が高いことを示したかったのか、それとも監督/脚本家の青春時代のノスタルジーの現れなのか?とは言え、テープを壊してしまうドタバタ劇は、二度と戻らない主人公達の貴重な時間の象徴的意味合いということは理解できた。
主演の齋藤潤はオーディションで選ばれたとか。確かにあの年代らしい、大人の男への反発や憧憬を表現した演技は良かった。ただ,クライマックスの「紅KURENAI」の熱唱で、声変わり中で高音出ないのは良しとしても、合唱部主将としてはもう少し歌唱の旨さが欲しかったとは思った。熱い気持ちが伝わったところは、あっただけに。
X JAPANのツイン・メインギターのハードロック曲として大好きであった「紅KURENAI」の歌詞、特に英語部分に光を当ててくれたところは、とても嬉しかった。この曲の歌詞には正直関心乏しかったが、新ためてじっくりと見てみると、奥が深い歌詞で、巷で噂されている様に、YOSHIKI(英語部分)と早逝したらしい父親(日本語部分)の会話にも思えてくる。そして、映画で主人公が死んでしまったと思ったヤクザ成田狂児の代わって歌うシチュエーションに、とても合致したものともなっていた。この歌の選曲は、原作者(和山やま)らしく、歌詞まで登場している様、なぜこの曲だったのかは、是非知りたいところである。
監督山下敦弘、原作和山やま、脚本野木亜紀子、製作遠藤徹哉 、野村英章 、渡辺和則、 舛田淳 、渡辺勝也、企画若泉久朗、プロデューサー二宮直彦、 大崎紀昌 、千綿英久、 根岸洋之、撮影柳島克己、照明根本伸一、録音反町憲人、美術倉本愛子、装飾山田智也、衣装プラン、宮本まさ江、衣装江口久美子、ヘアメイク風間啓子、VFX浅野秀二 、横石淳、サウンドデザイン石坂紘行、編集佐藤崇、音楽世武裕子、主題歌Little Glee Monster、音楽プロデューサー北原京子、助監督安達耕平、キャスティング川口真五、制作担当間口彰。
出演
綾野剛成田狂児、齋藤潤岡聡実、芳根京子森本もも、橋本じゅん小林、やべきょうすけ唐田、吉永秀平銀次、チャンス大城尾形、RED RICE峯、八木美樹中川、後聖人和田、井澤徹、
岡部ひろき松原、米村亮太朗、坂井真紀岡優子、宮崎吐夢岡晴実、ヒコロヒー和子、加藤雅也田中正、北村一輝祭林組組長。
スマッシュヒット!
組内カラオケ大会で最下位になってしまうと、組長の趣味程度の拙い入墨技術で絵心のない入墨を入られてしまう。これを恐れた若頭が、藁にもすがる思いで、合唱コンクールで銅賞を受賞した中学の合唱部の部長をカラオケに誘い、歌を教えてもらう話。 気持ちよく観られた。なんか初々しい映画。原作漫画にしても、この映画にしても、なくても困らないか、読んだり観たりすることで、ほっこりしたり楽しくなったりするこういった作品が、世界を少しずつ幸せにしてるのかもしれないなあ、と感じる。 三連休初日で、小さなスクリーンだったせいか、珍しく満席だった中で、隣に座ったカップルのうちの女性の方、めっちゃ笑ってくれたおかげで、こちらもいつも以上に楽しめました。ありがとう。 ちなみに俺は「紅」、好きではないけれど、この映画では最高でした! おまけ 綾野さん(剛)、こういう役(チンピラ)似合うよねえ。 芳根さん(京子)、「アーク」以来でした。お久しぶり。
野木亜紀子さんの脚色&山下敦弘監督の演出の妙による相乗効果が醸し出す痛快作。
率直な感想としましては、 クスクスッと笑えるシーンも多々あり、かなり面白い青春コメディ映画でした。 本作を観始めた当初は、綾野剛さんのちょっと外れた関西弁の微妙なイントネーションのズレが気になって映画にも集中出来なかったのですが、それも時間が過ぎていくと、次第に映画自体の面白さにハマっていって、それも気にならなくなっていました。 本作に、原作漫画があるらしいことは知ってはいましたが、和山やまさんの原作コミックスはわずか1巻で完結する内容とのことでしたので、それならばイッキに読めるとばかりに、映画を鑑賞後に、慌てて購入。 先ず、いま世間を賑わしている、漫画『セクシー田中さん』のドラマ化に対して、原作漫画家の芦原妃名子さんが、ドラマ化の際の脚本が原作者である自らの意向や約束事が守られずに、脚本内容が勝手に一人歩きして大幅に改変された事などから、急遽ドラマの第9話、最終回を原作者の芦原妃名子さんご自身が担当されることになるなど、紆余曲折を経て、SNS上でも騒動に発展したことも影響し、急死された悲しい一件もあり、原作有りきの漫画の映像化作品における脚色の難しさが今になって問われています。 そんな中、この『カラオケ行こ!』は原作コミックスはわずか1巻のみで完結していることもあり、原作の脚色に関して、まだ自由な裁量もあったからかも知れないですが、先ず、鑑賞後に原作漫画を読んで思ったのは、今作の脚本家の野木亜紀子さんの場合には、和山やまさんの原作漫画をリスペクトしておられるのがよく分かるほど原作のセリフ一つをとってもに忠実に再現しながらも、実写映画化に際して、原作ではスポットを浴びないようなサブキャラクターにも無理のない程度にキャラ立ちさせたり、主人公の岡聡実や成田狂児との関係性や心情の運びなども、ごく自然な感じな流れに改変するなどされていましたが、野木亜紀子さんの原作漫画の世界観を壊すことのない無理のない脚色や、お話しの膨らまし方が巧かった点、また山下敦弘監督の演出の妙が加わって、すごく笑える映画になっていたと思いました。 そういった意味合いでは、今作は、原作者の和山やまさんと脚本家・野木亜紀子さん、そして山下敦弘監督とが上手に関係を保ちながら実写映像化に成功した一例とも言えるでしょうね。 脚本家・野木亜紀子さんの発案なのか、山下敦弘監督の演出上の発案なのか分らないのですが、例えば、岡聡実の雨傘の派手な模様や、狂児による和子との想い出のエピソード、聡実が「映画を見る部」の幽霊部員を兼務している点など、すべて原作漫画にはない実写映画化に際してのオリジナルな設定だった訳なのですが、すべてが巧く機能していて、主人公の岡聡実や成田狂児のキャラクターに、より深みを与えていて非常に良く出来た脚色(脚本)でした。 聡実が幽霊部員を兼務している「映画を見る部」の栗山くん(井澤徹くん)は最初から最後まで終始冷静沈着で物怖じしないのに対して、合唱部の後輩の和田くん(後聖人くん)は終始感情剥き出しという対比も面白くしてありましたね。 また、合唱部副顧問の森本もも先生(芳根京子さん)や合唱部副部長の中川さん(八木美樹さん)のキャラも微笑ましくて面白かったりと、実写映画化に際して、映画独自のオリジナルのキャラクターを配したり、また原作漫画では単なる端役の各キャラクターをキャラ立ちさせていた点もすごく面白くなっていたと思いました。 また、「映画を見る部」のVHSビデオデッキの巻き戻しが効かないのは、単にデッキが壊れているからなんですが、そこには「青春時代は巻き戻しが効かない=青春は一方通行」という隠喩をこめた設定にしてあったのかも知れないなと思うと、更に、野木亜紀子さんの脚本の奥深さが感じ取れて感動しますよね。 「映画を見る部」で観ていたモノクロ映画も、『白鯨』、『カサブランカ』、『三十四丁目の奇蹟』など、山下敦弘監督が選んだのでしょうか、そのセンスもなかなか良かったでしたね。 聡実が自分の限界を知り、そして、「少しずつ、大人の階段を上っていく」というフレーズも原作漫画にはない実写映画オリジナルだったりと、その言葉選びも野木亜紀子さんの脚本センスが輝ってましたね。 また原作漫画にはなかった、X JAPANの『紅』の英語歌詞の和訳の意味合いも意味深で面白かったり。 とは言え、「机に肘ついて食うたらアカンで!聡実くん」とか原作の台詞にもかなり忠実に再現していたりと、基本的には原作コミックスの前後編とコミック化に際しての描き下ろしの3つのお話しを基本にして、上手く再構築し直してあって、原作漫画家の和山やまさんの『カラオケ行こ!』の世界観を壊すことなく、これほどオリジナルエピソードも加筆改変し脚色しながらも、面白く実写映画化してあるのも珍しいかと思いました。 俳優陣は、綾野剛さんが原作漫画のようにオールバックにしている髪型でもないのに、スマートなヤクザ像を上手く演じていましたね。 プライベートでは、脅迫などに苦しんでられたりもなされていたことを考えますと、綾野剛さんには、この映画で完全復活を遂げてもらえて本当に良かったです!!! 北村一輝さんが四代目祭林組長役、そして、加藤雅也さんがヒモ男役で友情出演。チョイ役でもなかなかの存在感を魅せてくれていました。 ポストクレジット(オマケ映像)で、久しぶりに聡実に電話をかけている狂児が出てきますが、彼の腕に彫られてある文字も原作漫画の通り(笑) 映画館で観た際にはいったい何という文字なのかよく分からなかったのですが、原作漫画でも確認し直したら再度笑えました。 原作漫画の実写映画化に際して、原作者や作品に敬意を払わずに「原作クラッシャー」とも称されるほど、元々の原作漫画の世界観を台無しにするような大幅な改変(いや改悪)をなされる脚本家や監督も中にはおられるようですが、今作に関しては、元々の和山やまさんの原作漫画『カラオケ行こ!』の素材自体がかなり面白いのに加えて、今回の脚本家・野木亜紀子さん×山下敦弘監督の最強コンビの脚色・演出の妙により、相乗効果で、更に面白さ度合いがパワーアップして素晴らしい作品に仕上がっていたと感じました。 私が観に行った上映回ではクスクスッと笑い声が溢れ出ていて、館内が爆笑の渦状態でした。 従いまして、私的な評価としましては、五つ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい映画かと思いました。 ※尚、関西でも大阪府・京都府・兵庫県では公開館数も、かなり多いのですが、「三重県では、109シネマズ四日市まで行かないと観られないんよ」と、還暦過ぎの松阪市に住む従姉がすごく残念がっていましたので、三重県の他のシネコンでも、『カラオケ行こ!』のセカンド上映を是非ともご検討願います。
歌で出会うはずがない二人が出会う
🎤あらすじ 合唱コンクールで部自体が納得しない結果になってしまい、それに悩む中学3年生の部長岡聡実。この結果になったのは自分の声変わりのせいではないかと悩む。聡実がコンクール会場でヤクザの狂児に出会い、カラオケに誘われる。カラオケ大会に向けて特訓している狂児を聡実がアドバイスをする。あることをきっかけに声変わり前の聡実が全力でカラオケを歌う。 🎤考察 ・ヤクザは何事にも一生懸命 ・部活で大切なのは結果ではなく、その途中経過が思い出となる。 ・いい顧問は技術面ではなく、精神面でサポートをする ・組長さん最高ですね 🎤よかったところ ・スナックのシーンがよかったです。 ・映画を見る部の映画チョイス ・シリアスな笑いが多かった 🎤いまいちな点 ・前半のテンポが悪かった 映画見たあとはカラオケへ行きたくなります
綾野剛は893役が良く似合う。
ガーシー被告の求刑の日に、綾野剛主演映画を観る。 彼はスタイル抜群で、かっこいい。裏声の「紅」は最高に笑える。 彼の活躍の場は、これからは映画中心になるんだろうけど、コメディセンスもあるので、頑張って欲しい。
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