NOPE ノープのレビュー・感想・評価
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IMAXカメラの醍醐味がガッツリ味わえる、極上のスペクタクルサスペンス!。
ホラーサスペンスの名手、ジョーダン・ピールの面目躍如といったところ。今作はそのサスペンスのスリルにIMAXカメラを活かした大画面ならではのスペクタクルな興奮もプラスされて、2時間弱の時間、劇場映画の醍醐味をお腹いっぱいになるまで楽しませてくれる。
冒頭いきなり、チンパンジーが人間を撲殺するという映像で強烈なインパクトを与えた後は、常に何か起こるぞという焦らし方の妙で前半は静かに不穏な空気で見せていく。そして未確認生物の正体が明らかになり始める中盤以降は何か大変な事が起こる前触れにIMAXに切り替わるという、こちらの不安を煽る演出が秀逸。後半はこれぞIMAXという迫力で未確認生物との対峙を描いていく。
動物という支配されている側の生物との言葉を介さない人間の一方的なコミュニケーションがこの作品の根底に流れるサスペンスのテーマになっていて(ご丁寧に動物の名前が付いたチャプター仕立てになっている)、それが未確認生物の対処方法へ繋がっていくあたりも面白かったし、人生に疲れた感じの市井の主人公がその未確認生物と対峙して成長していくあたりもエンターテイメントの作りとして抜かりない。何よりも、IMAXで見せるサスペンスとして、たっぷりと怖がらせてくれる極上の作品。
何で高評価なの?
私にとってはクソつまらない映画でした。
他の方の評価が高い意味がわかりません。
雲の形でUFOみたいなやつが雲隠れしてるのって、ムチャ定番の話で新鮮味も何もないし,,出てくるキャラの一人一人が皆な中途半端な役と演技。
地球外生命体みたいな人喰いUFOという発想も古すぎて何の新鮮味も斬新さも感じない。
映画通ぶってるめでたい方々は好きなだけ悦に浸って評価すれば良いが、一般娯楽を求めている私にとっては勘弁してください!って言いたいくらい。
そうきたか!
予告編を観て「なんだこれは?観なければならぬ」と思っていた。
なのにタイトルすら忘れて、レンタル新作コーナーに並んで初めて「あ…これ観たいと思てたやつだった…」と思い出して借りてきた。
今までにないアプローチと言うべきか?
海外作品のUFO好きは様々な作品で見せられてきた。
愛(笑)と知恵と勇気と銃器で戦うストーリーが圧倒的に多い訳だが、本作品は違う。
そもそもUFOなのかあれは?
その辺が気になる方は観た方が良い。
世界初の映画と言われる馬の走る連続写真、その馬に乗ってたのがひいひいひい爺さんだと言う祖先に持つカウガールカウボーイ(笑)兄妹が主人公。
父親を亡くして元気の無い場末の牧場の兄妹二人、その牧場周囲で起こる理解不能の現象の数々。
姿を現した時は思わず洗濯物のCMが頭に浮かんだ。
面白味も十分だし、撮影カメラマンのおっさんとかホントにバカ野郎で良かった。
不可解な現象も適度に見せてくれるし、検証してくれる。
予告編で心惹かれたが内容的にも満足したので、予告編にハマった人にはお薦めしたい。
後、うろ覚えの記憶ではその時代の貴族か何かが「馬が走ってる時、足は地に着いてないか?着いているか?」みたいな事で賭けをした。動画を撮る技術は100年前には無いが、写真はあった。で、カメラを何台も並べて紐を張り、馬が通過する瞬間をシャッターが切れるようにして、走ってる姿の連続写真を撮った…。
それが映画の始まりで、それから幻灯機とかに技術が移り変わり、映画となっていった。間違ってたらご免なさい(笑)
この"分からなさ"がたまらなく面白い!!
前情報は一切いらない。
我々はジョーダン・ピールに全てを委ねればいい。それだけだ。そうすれば問答無用に面白い映画体験が待っているだろう。
映画、という横長のスクリーン。
それはどんなに視界は広くても、決して"上"を見る事は不得手だ。
本作はそんな特性を巧みに活かした極上のエンタメ作品だ。
主人公たちが目の当たりにする"それ"は上空にある。
つまり我々には見えないのだ。
故に分からない。
故に恐ろしい。
だから…覗き込みたくなる。
映像を前にして声を出し、モニターの内側を覗き込もうとした体験は後にも先にも本作だけだ。
いい大人がこれだけ夢中になってしまった。
こんな映画は他にない。
間違いなく今年ベスト級の面白さ‼️
最高すぎた‼️
みんなネタバレ食らう前に見て❗️ 見て‼️
キース・ディビッド、マイケル・ウィンコットら脇を固めるキャスト陣も最高❗️
ジョーダン・ピール作品としても歴代で最も好みな作品だった。
過去作と比較しても明らかにネクストレベルな1作。
何度も見て、作品に込められた隠喩やメッセージを紐解いていきたいと思う。カルト映画として語り継がれる名作になる事は間違い無いだろう。
音響にも非常にこだわった作品なので、自宅で見るならヘッドフォン推奨だ。
新世紀エヴァンゲリオンが元ネタ
経営難におちいった牧場主がUFO撮影で一山当てようとする話。(かんたんに言うとw)
牧場は映画ドラマCMなど映像作品に使われる馬の調教を専門としている。先代は撮影所から信頼される名調教師だったが事故死、息子OJは真面目だが口べたで世渡りが巧くない。手塩にかけた調教馬もテーマパークへ売りに出された。
先代の不審死以降、牧場では奇怪な飛行物体が目撃されている。OJの妹エメラルドはそれを撮影し、テレビショーに売り込んで儲けることを画策し、デジタル機器に強いエンジェルの協力を得て飛行物体の撮影を試みる。
並行してテーマパーク「ジュピターズクレイム」のオーナー、ジュープの逸話が語られる。元子役だったかれは撮影中チンパンジーが出演者を襲った惨劇の目撃者でもあった。
かれはテーマパークの新たな出し物として、その上空にたびたびあらわれる“UFO”の調教(観客の前で顕現させる)をやろうとする。
その“UFO”は、さいしょはロボット掃除機のような固まった形をしている。変形すると後光のように帆を広げた凧になる。
(ピールは映画のプロダクションノートで新世紀エヴァンゲリオンの天使を映画の前提やモンスターの主要なインスピレーションにしたと言明しており、第10使徒のサハクィエルの超ミニマリズムと生物機械的デザインのセンスに感銘を受けた。と語っている。)
それが近づくと電気からエンジンから地上の動力はすべて止まる。
有機体の感じはしないが、UFOというよりは空飛ぶ捕食モンスターで、竜巻のように地上物を吸い込んで、ひととおり咀嚼してから消化しないものを空中から吐き出す。体内はまるでバウンスハウスのようだが吸い込まれた者は絶叫しそれが地上へこだまする。
ジュープは調教馬を囮にStar Lasso Experienceショーのリハをおこない“UFO”モンスターをおびき寄せようとした結果、彼もその妻もチンパンジーの襲撃サバイバーのメアリーも観客もスタッフも全員が飲み込まれる。
海外批評家による解説によれば、ジュープが空飛ぶ捕食モンスターを調教・手なずけられると過信していたのは、チンパンジーの襲撃から無傷で生還したから。かつてチンパンジー「ゴーディ」の暴挙からまぬがれたように、モンスターから襲われることなく、つつがなく事が運ぶであろうという慢心がかれにはあった。──というわけ。なるほど。
モンスターが大音量と動きと視線に反応することを知ったOJとエメラルドとエンジェルは、エアダンサー50体を配置し、シネマトグラファーのホルストとかれのIMAX手動カメラでふたたび撮影を試みる。・・・。
映画の主題は、なにかを調教や手なずけることについて。あるいは調教できるはずという人間の慢心やおごりについて。だが細部は捉えきれなかった。
ただし(個人的には)遠回りな黒人権利主張(Black Lives Matter)映画になっている気がした。ドールマイトはじめブラックスプロイテーションとおなじ目的の映画だと思う。その視点で見るとき過激さがわかる。
なにしろ白人は全員吸い込まれ噛み砕かれ血と無機物だけが吐き出される。東洋人もしかり、チンパンジーに襲われ瀕死で生き残った元子役もしかり、捕食を免れて生き延びるのは黒人(とプエルトリコ人)だけである。そしてモンスターをやっつけたOJはラスト、西部劇のヒーローのごとく砂埃のなかから姿をあらわす。
ゲットアウトやUsにも根底にそれがあったが、ホラーやSF的パラメータを隠れみのにした黒人至上主義映画と言っていい。(と個人的には思った。)
だが海外の批評家でそんなことを言っている人はいなかったw。
もっと器用に分析・理解している。
面白かったので(wikiにあった情報を元に)いくつか挙げてみた。
◆スペクタクル(危機的状況下にもかかわらず、逃げるなどの行動をとることなく、目が離せなくなっていることを意味する)に対する中毒を描いている。
◆(動く馬の調教師及び騎手が黒人であることについて)映画草創期における黒人の貢献度の搾取や消去を訴えている。
◆ゴーディ(チンパンジー)と若いジュープの拳がぶつかりそうになる(グータッチしそうになる)ショットは、2022年のセントルイス・ゲートウェイ映画批評家協会の最優秀シーン賞にノミネートされるなど批評家からベストショットの1つに選ばれ、ミケランジェロの名画「アダムの創造」と肯定的に比較された。
◆ジュープがゴーディ(チンパンジー)やジーンジャケット(OJとエメラルドがモンスターにつけたあだ名)が善意だと捉えているのに対し、OJは「手に負えない動物に囲まれて育ち、手なずけることが仕事だった」という調教師としての人生体験をもち、両者は対照を為している。
◆先代(OJ父)は空から降ってきたコインが目から頭蓋に入って死ぬ。公的には飛行機からの落下物による事故死──だが、んなことはあり得ない。その結果OJの心中に「最悪の奇跡」が定義される。
狂乱したゴーディが、破壊された撮影セットを動き回っているとき、若いジュープは暴行を受けた共演者の靴が、不可思議に直立していることに気づく。大人になったジュープは『ゴーディーズ・ホーム』の思い出の品を集めた部屋に、その靴を飾っている。 不可思議に直立した靴は悲劇の合間に起こったため謂わば「最悪の奇跡」でありOJの言う「最悪の奇跡」と相互作用するように配置される。
◆ジュープはゴーディ事件によって被ったトラウマを資本主義的な空元気とユーモアによって偽装している。その運命をジークフリート&ロイに喩えることができる。(ジークフリート&ロイはラスベガスで人気があった二人組の奇術師。ホワイトタイガー/ライオンをあやつったが、とあるショーにてロイがタイガーに襲われ重傷を負い運動・言語能力を恒久的に害する結果になった。)
◆脚本監督のジョーダンピールはCOVID-19とそのロックダウンの経験にもとづき「厳しい回避できない悲劇の終わりなきサイクル」からNopeを書いてみようという気になった──と語ったという。
──
Nopeは洋画等でよく聞くNoの強調表現。ご存知のようにノーとちがってノウッとむしろウを強めに言いプは発声しないで鼻から出す。(感じ。)
意味はNoに準じると思われるが、この映画での意味は「(見たものについて)手に負えないからおれは関わらないよ」という独り言のようなニュアンス。(だと思う。)
映画中には登場人物がNopeと言う場面が何箇所もあるが、タイトルになったNopeの気分をいちばんよくあらわしている”真Nope”はOJが車からモンスターの開口部を見上げた時のNopeであろう。Nopeとは否定と拒絶だが、ここでは生き延びようとする人間の賢明な判断として使われている。
すなわち(昔、NOと言える日本というビジネス書があったが)本作のタイトルは言うなれば「NOpeと言える地球人」という意味合いだろう。侵略者であるモンスターはCOVID-19を具象化したものかもしれない。いずれにしても拒絶・否定よりある種の決意をあらわすNopeであるはずだ。
ピールは新型コロナウィルスによって初めてロックダウンしたとき、そして新型コロナウイルスが終わらないことを知ったとき、Nopeと言ってこの悪夢を書き、タイトルもそれにした。おそらくその気分はおれは関わらないけど生き抜いてやるよという決意のようなものだったに違いない。
黒人に寄せるムードについては、Black Lives Matter当事国では、面倒くさいことになるので黒人も白人も人種主張があることを指摘しないのだろう。(と思われる。)とうぜん目を奪われるのも人種ではなく豊饒といって差し支えない想像力だった。
じぶんはいまでもたびたびKey&Peeleの傑作スケッチSubstitute TeacherをYouTubeで見る。(ピールは「present」としか言わないがw。)
ゲットアウトを見るまで、ピールはComedy Centralに出てくるコメディアンに過ぎなかった。
日本でも映画をつくったり書いたりしているコメディアン(お笑い芸人)はいる。だけどNopeを劇団ひとりやバカリズムの映画と比較できるだろうか。めまいがするこの格差。日本人から見たとき、この宇宙人を描いた映画が、むしろ宇宙人がつくった映画に見えてしまう──という怪。
動く馬のエピソード、ヘイウッド牧場の背景、クリーチャーデザイン、サウンドデザイン、とくにゴーディが対象物を殴る音、凶行の無惨さ、現場で不可思議に直立している靴、OJやエメラルドの人物造形、いっせいにはためくエアダンサーの奇景、巨大なヘリウム風船の滑稽さ、それを食って破裂する意外にあっけないモンスター、全体としてどういう思考回路がこういうものを思いついて成立させたのだろうか──その叡智。とはいえ新世紀エヴァンゲリオンが映画の発想元になっているという不思議。じぶんは門外漢だが新世紀エヴァンゲリオンのファンには違った見地があるのだろうか?いや、そもそもエヴァファンてジョーダンピールの映画を見るような人たちなんだろうか?w。
シンプルなストーリーに何層にもレイヤーが重ねられている
Amazonレンタルで視聴。
ネットである程度の事前情報を知って見たので、ある程度の内容は把握した状態で観たのでビックリはしなかったけど、思った以上にシンプルなストーリーながら、ワンシーン・ワンカットの中に何重にもメタファーやメッセージが重ねられていて感心したし、一つ一つのエピソードで、しっかり前フリしてオチをつけていく丁寧な作劇は「RRR」に近いものを感じた。
ただ、あえて言えば物語前半が作劇全体のフリに使われているため、若干かったるい印象。前半部分でもう少し動きがあればさらに楽しかったかも。
あと、ネットで事前情報を見聞きして、もっとぶっ飛んだ内容かと思ったけど、思ったよりは真面目な印象だったかな。正直もっと振り切って欲しかったけど、ジョーダン・ピールの真面目さが出ちゃった感じ。
あと、多くの人が言っていたように、この映画はやっぱ、劇場の大画面、出来ればIMAXで観た方が楽しかったと思う。
常に考察を求められる映画
ジョーダンピール監督作ということで、U-NEXTにアップ後即視聴。
最初から最後まで何かしらのメッセージ?、不可解さ?、不気味さ?が含まれているそんな映画でした。必ずネットで考察を見ないといられない映画でした。
「観る・観られる」の関係性を表現した映画だったのですね。
・・難しい。
様々な媒体での高評価をみて期待したけど、びっくりするほど自分には刺...
様々な媒体での高評価をみて期待したけど、びっくりするほど自分には刺さらなかったなあ
いろんな意図はあるんだろうけど、それと面白さは別物じゃね?
それともIMAXレーザーGTでなきゃ面白さはわかんないの?
それってどうなのよ
OJが気になって好きになってくる
imaxレーザーの1.43:1のために作られたような作品 最高の映画体験
異星人ものとしてまず楽しい よく考えたらバカバカしいんだけど何故かアツく鳥肌たたされてしまう演出
疾走シーン特に興奮した!
トラウマや打開できない鬱屈とした日々を異星人の襲来をきっかけに何か見出そうとする そこにあるものを得れば、何かが変わるはず!とすがって集まる人々
不器用でもこの選択に間違いはないんだと思わせる
主人公の態度がとにかくオフビートで笑える (もともと陽気な人ってことがわかる)
やっと見られた
池袋グランドシネマサンシャインにて
レーザーIMAXで鑑賞。
これが宇多丸さんがしつこく言ってたやつか、
と納得。画角が大事。
不穏な音、なんかやだな、変だな、恐いな、
おもしろ恐いのバランスが絶妙。
これぞジョーダンピール節。
AKIRAの金田バイクオマージュとか、
最終形態のエヴァンゲリオン使徒の影響にニヤリ
普通に面白い娯楽作
アトロクでの宇多丸さんの押しもあってかグランドシネマサンシャイン池袋のIMAXレーザーGTにて短期間の再上映が決まったとのこと。地味なタイトル、地味なポスター、地味な宣伝で、苦手な心理ものなのか?奇怪ものなのか?もやもやが残るやつか?などと考えてしまいもう一歩食指が動かなかった本作だが、IMAXレーザーGTをフルに体感できるとのうわさを確認に参上。同様のお客さんで相当の入りの中、鑑賞した結果は、画角はもちろんのことながら、大スジやディテールについても不足のない堂々の娯楽作だったのはウレシイ誤算。なんならトップガンマーヴェリックなどとも同じ種類の娯楽作なんだが、日本でそれほど宣伝に金掛けられないんだと思うんで、ポスターやタイトルなんかでも少し魅力が紹介されていればと思いました。
期待を遥かに下回る。
映画の最初に「マタイ伝◯◯詩第2章..」みたいなの出て来る映画、だいたいしょうもない説。。
旗吸い込むと詰まるのは、UFOが実家の掃除機レベル。
田舎バイクがEV。
見なきゃいいの分かっててなぜに身代わりごっこ?
妹、少し静かにして。
UFOの内側ムギュー、布団乾燥機の中。
馬いまどの馬?
バルーン吸い込んでボーン。
猿の話しわい。。
以上。
これを難解な比喩の連続で素晴らしいと持ち上げて名作と酔いしれてる方も多々いらっしゃるようですが、私にはシンプルに分かりませんし、予告MAXの映画でした。
ありえない事だらけの世界
『ゲット・アウト』や『アス』。人種差別やドッペルゲンガー現象などを斬新なアイデアとスリルとブラック・ユーモアで描いて大ヒット&高評価に導き、今やハリウッド期待の監督となったジョーダン・ピール。
その待望の新作は、謎、謎、謎…。
予告編では、広大な牧場の上空に突如現れた謎の飛行物体…。
UFO…? SF…?
第一印象は、M・ナイト・シャマランの『サイン』…?
しかし、奇才ピールが模倣やありふれた作品を作る訳がない。
またまた独創的なアイデア、野心的な作り、映画愛溢れるオマージュで、唯一無二のピール流UFO映画になっていた。
映画やTVなどに出演する馬を調教するヘイウッド牧場。
父親と二人で経営するOJ。ある日、父親が空から降ってきた異物にぶつかり死亡。OJは“それ”を見る。
“それ”が“あれ”だと確信したOJは、妹エムと動画撮影しようとするのだが…。
『サイン』ではなかったが、これは確かに一種のUFO映画。おっと、今は“UFO(未確認飛行物体)”とは言わないんだよね。“UAP(未確認空中現象)映画”。
怪現象。雲の中に見え隠れする影。遭遇と闘い…。
UAP映画は群像パニック劇がほとんどだが、これを一個人の視点で描き、それは『サイン』風でもあるが、ピールは着想や演出をスピルバーグ映画からインスピレーション。
序盤の怪現象は『未知との遭遇』的。
特に影響大は『JAWS』。見せない演出。突如の襲撃。“補食”。あちらは海からの恐怖だが、こちらは空からの恐怖。
ピールが幼い頃に見たスピルバーグ映画のワクワクを、UAP×ホラーにオマージュ変換させたと言えよう。
斬新なのは、UAPの描写。
本作に“宇宙人”は登場しない。が、“地球外生命体”は登場する。つまり、
UAPそのものが、生物なのだ。
“Gジャン”と名付けられた“奴”は、一見飛行物体だが、出入口みたいな所が口で、そこから地上の人々や物を吸い上げ補食。金属などの“食べかす”は地上に吐き出す(OJの父親はそれに当たって死亡)。
不快な音(鳴き声)、異様な空間(食道)は不気味。“血の雨”は衝撃。
終盤は変貌。空飛ぶ円盤型からクラゲのような生物型へ。幾何学的なデザインは『エヴァ』の使徒も参考にしたという。
おそらくピールは『トワイライト・ゾーン』を意識したろうが、日本人からすれば『ウルトラQ』。
UFO映画にモンスター映画。スピルバーグ映画からだけではなく、往年のB級SF映画をピールが凝った見せ方で現代的にアップデート。
現代的と言えば、登場人物たちの行動にも。
動画撮影をして、一攫千金。果ては“オプラ(・ウィンフリー)”を狙う。
所謂“バズる”は現代人の手っ取り早い手法。
ネット上でもそういう“バズる映像”は氾濫。真偽のほどは別として。
見たいものを見る。
見よう見せようと欲する余り、何かしらの目に遭う。
その事は作品でも反面的に描かれている。
ピールの十八番となった人種問題も前2作ほどではないが、やんわりと。
OPや劇中何度も挿入される“世界初の映画”。騎手が馬に乗る僅か数秒の『動く馬』。
その騎手が何者であったか今はもう謎だが、本作では黒人であったと仮定(確かに黒人に見えなくもない)。
主人公兄妹はその末裔という設定。
映画に初めて“出演”し、調教師として業界に貢献してきたにも関わらず、今や忘れ去られ、隅に追いやられる身。もしこれが“白人”だったら違ったのだろうか…?
終盤、馬に乗って荒野を駆けるOJ。黒人は西部劇で冷遇され続けてきたが、その勇ましいカウボーイ・スタイルはハリウッド西部劇へのアンチテーゼにも感じた。
(名カメラマン、ホイテ・ヴァン・ホイテマによる雄大な映像美も秀逸)
共に『ゲット・アウト』でブレイクしたピールとダニエル・カルーヤが(あれから5年、二人共オスカー受賞者)、キャリアアップして再タッグを組むのは必然だったと言えよう。
カルーヤは寡黙な兄OJを、キキ・パーマーが正反対な性格の妹を存在感たっぷりに。
二人に協力するエンジェル役のブランドン・ペレアも好助演。
3人のやり取りはこの異色SFスリラーに於いてユーモアをもたらす。
キャストの中でも異彩を放つのは、スティーヴン・ユァン。元子役で、現テーマパークのオーナー。
かつては人気者だったが、今はもう忘れ去られ…。何処か胡散臭さと侘しさを感じさせると共に、彼の役もハリウッドに於けるステレオタイプのアジア系へのアンチテーゼ。
もう一つ、個人的に彼を通して感じたのは…
タイトルの“NOPE(ノープ)”とは、“NO(ノー)”のスラング表現。劇中でも「ありえない(=ノープ)」とメインタイトル。
Gジャンとの遭遇がそれだが、ユァン演じるジュープの過去も。
子役時代出演した、チンパンジーのゴーティが主役のホーム・コメディ。人気のTV番組だったが、ある事件で曰く付きに…。
破裂した風船に驚いたのか、突如凶暴化。出演者を殺傷。
隠れていたジュープの目前に迫った時、射殺。
業界に伝わる惨劇であり、ジュープにとっても今尚思い出すトラウマ。
一体あれは何だったのか…。ありえない事が起こる。
全ての事柄が巧みに意図的に繋がってるという訳ではない。
鮮やかな伏線とストーリーテリングを期待すると肩透かしかもしれないが、何か暗示めいていて象徴的。
ピールが脚本を執筆したのはコロナ禍中真っ只中。不穏と不安な雰囲気は、ありえない事が起きた現実世界への警告か。
前2作ほどの斬新さや衝撃は無かったが、人によっては淡白で退屈、人によっては意味深で深読み。
ジョーダン・ピールはますますクセ者監督の座を欲しいままにしている。
???
んんー どうでしょう 久々に??な映画ですかね 最初の入り方は良かったんですけどね その後ドラマが続きゆったりとした流れ 肝心のヤツは姿は現しますが何者かははっきりしません ラストもやっつけた的なのは期待してないというか 正体の方が知りたかったですから あのオチではまったくスッキリしません 星も最低の2つになりましたね この監督の"ゲットアウト"があまりにも良かったので期待しましたが やっちゃったって感じですかね
難解過ぎる映画!!!
解説サイトを漁ってようやくこの映画がどんな話だったか理解出来ました(笑)。というぐらいに、そのまま観ると結構難解な作品です。
序盤父親の謎の死、中盤で突如現れるグレン!じゃなくて元子役のアジア人俳優。そしてやはり、随所に散りばめられる黒人ネタや差別ネタ。
そいつの正体とそれに纏わる昨今の生命に対する人類の向き合い方。及びアメリカを蝕む差別の歴史。これらをミックスさせているので、アメリカの大地を生きている者でないとややピンと来ない作品なのかもしれない。。。
しかし、一切の前情報無しで一体どういう話だったのか?という点で考察が捗るという意味では立派な現代SFだったと思う。やっぱ純粋なSFってこういう変な気持ち悪さが終始漂ってて、コレなんだよな~という感じで好きな人は好きだと思う。
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