ZAPPA

劇場公開日:

ZAPPA

解説

アメリカのロックミュージシャン、フランク・ザッパの革新的な人生に迫ったドキュメンタリー。1960年代以降、圧倒的な独創性で音楽史上最大規模のディスコグラフィを築き上げ、数多くのミュージシャンに影響を与えたザッパ。数千時間にも及ぶ初公開のアーカイブ映像など膨大な量の資料・素材を通し、商業的な成功とは別次元の世界を生きた彼の音楽キャリアとその背後にある私生活を探求。一般的には狂気の変人というイメージであったザッパの知られざる人間性と芸術への真摯なアプローチを浮き彫りにし、伝説的アーティストの妥協なき精神を描き出す。監督は「ビルとテッドの大冒険」シリーズでキアヌ・リーブスとともに主演を務めたことでも知られる俳優で、「ミュータント・フリークス」など映画監督としても活動するアレックス・ウィンター。

2020年製作/128分/アメリカ
原題または英題:Zappa
配給:ビーズインターナショナル
劇場公開日:2022年4月22日

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映画レビュー

3.5「自分の作曲がしたいなら、まず仕事をすることだ。」

2022年5月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

純粋に自分のやりたいことに邁進した人生。
(「愚直に」という表現は違うんだったな。)
ほんと「真っ直ぐ」な人だった。

やりたいことをやる、それには現実的な問題が立ち塞がる。
・「経済面の障壁」 食っていかないといけないからね。
・「クリエイティブの障壁」 ジャケットもできれば自分で作りたいが実際は人に頼まないと。
・「演奏面の障壁」 全部自分で演奏できればいいが、バンドのパートを全部自分で演るわけにはいかない。オーケストラならなおさら。
・「政治の障壁」 表現に難癖つけてくる人たちも。

ZAPPAの凄いところは、それで諦めたり、手をこまねいていたり、声を荒げたりするのでなく、
実現できる方法を考えて具体的に歩を進めていくこと。

「作曲で暮らすには、大衆に向けて曲を書くしかない。自分の作曲がしたいなら、まず仕事をすることだ。」

経済的成功=成功ではない。
本当にやりたいことは経済的成功をおさめないかもしれない。(むしろその可能性の方が高い。)
でもそれをやるためには、先立って食べていけないといけない。
そのために経済的成功(「ValleyGirl」)が必要。
ZAPPAが言う「仕事」とはこういうことを指しているのだろう。
ミスチルの櫻井和寿さんも同じようなことを言っていた。
「売れて一番良かったことは、売れることを気にせず作れるようになったこと。」

しかしオーケストラ音楽も作っていたのか。
「リハ2回目まで」とかそんな制約をオケ側から出されるのね。そりゃいい演奏できないわ。
最後はザッパの音楽を表現したい人たちが集まったオケで「思う存分」演奏できて幸せそうだった。

「自由の王」 チェコではまさに自由の象徴。自由の国アメリカの象徴。
一方でそんなザッパと手を切れと圧力かけるのもアメリカ。

ZAPPAは「全人格の発露」ができてとても幸せな人生だったのではないだろうか。
心が願うことに向かっているか、言い訳ばかりしていないか。。
自己の言動を省みた映画だった。

※以下、良かった言葉をメモしておく。

「友達はいない。すばらしい妻と4人の子どもがいる。大好きだ。
家族が友達だ。」

「収入を得る時も条件が屈辱的であればあるほど
音楽もダメになる。」

「ただ編集がしたかっただけ」
「おれがやりたいのは作曲をすることだった」

「でも誰かに頼るよりこのほうがいい。
政府や国王、男爵などに援助してもらったら
作品が気に入らなかった時どうなるかわからないからね。
それはごめんだ。」

「基金も政府の援助もない。
起業や委員会の絡みもない。
イカれた男が金を注ぎ込み
イギリスの楽団を雇い、コンサートをして
自分のレコード会社でアルバムを作る」

※前半は睡魔、後半はお尻が痛くなる映画だった。

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momokichi

4.0Must-See Rock Doc on Under-Recognized Legend

2022年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

As much as I am aware of Frank Zappa's influence on rock music, I didn't realize until seeing this film how deep the roots are. By far one of the most eccentric musicians, this film shows how seriously he took his work. Musicians might be as comforted as disappointed regarding his faith in not doing it for the money. A kid pyro grown to polyamorous orchestra conductor, it's a colorful biography.

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Dan Knighton

4.0フランク・ザッパについて、初めてその人となりが分かりました

2022年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

懐かしかったなあ。フランク・ザッパについては、超絶テクのギタリストって認識してて、昔何枚かCDを買いましたが、ディスコグラフィーが厖大すぎて「何から聞けばいいんだよ」って戸惑いと、さらに、新譜が半年おきぐらいドンドン発売されるので、もう全然ついていけなかった記憶が甦りました。

この映画を見て、彼の底なしの作曲エネルギーの全貌がよく分かりました。「ワーカホリック」とかそんなレベルの形容では効かない、取り憑かれたような仕事ぶりを初めて知ることができました。ザッパを知る者にとっては、非常に貴重なドキュメンタリーです。

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駒井尚文|映画.com編集長

4.0生きること

2022年9月1日
iPhoneアプリから投稿

と音楽をすることは同義。
恐らく彼がこの映画を通じて教えてくれたことは
こう言うことだったと僕は思う。
生きることと同じなのになぜそれで
金を稼ごうとするのか?
何故人の意見を気にするのか?
なんでなんだ。ロックするんだろ!
そう言うメッセージを終始伝えてくれていたんだと
僕は感じた◎
最後の最後、自作のオーケストラ曲で締めた
このドキュメンタリーに僕は
最大級の敬意と拍手を送りたい(^^)

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tomokuni0714