天上の花

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天上の花

解説

萩原朔太郎の娘・萩原葉子の小説「天上の花 三好達治抄」を映画化した文芸映画。

萩原朔太郎を師と仰ぐ青年・三好達治は、朔太郎の末妹・慶子に思いを寄せるが拒絶されてしまう。十数年後、慶子が夫と死別したことを知った三好は、妻子と離縁して彼女と結婚。太平洋戦争の真っただ中、三好と慶子は越前三国でひっそりと新婚生活を送り始めるが、潔癖な人生観を持つ三好は、奔放な慶子に対する一途な愛と憎しみを制御できなくなっていく。

東出昌大が三好達治、入山法子が萩原慶子、吹越満が萩原朔太郎、漫画家の浦沢直樹が詩人・佐藤春夫を演じ、原作者・萩原葉子の息子である萩原朔美も出演。「火口のふたり」の荒井晴彦が五藤さや香と共同で脚本を手がけ、「いぬむこいり」の片嶋一貴が監督を務めた。

2022年製作/125分/PG12/日本
配給:太秦
劇場公開日:2022年12月9日

スタッフ・キャスト

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(C)2022 「天上の花」製作運動体

映画レビュー

5.0詩人・三好達治のドキュメンタリー

2023年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

天上の花 大阪十三の映画館「第七芸術劇場」鑑賞 2023年11月7日
詩人・三好達治のドキュメンタリー
詩人・萩原朔太郎の娘である萩原葉子の小説を映画化。
1966年に発表した萩原葉子の小説「天上の花-三好達治抄-」を題材にしている。

太平洋戦争真っ只中である。
達治と慶子は越前三国でひっそりと新婚生活を送り始める。
気に入らないと、慶子を殴る、何度も繰り返されてしまう。一途な愛と憎しみを制御できなくなっていく。

「ことばが弾になって、敵を倒すことができないけれど、国民を励まし、勇気づけられるんじゃないかと思って」達治は述べる
「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に負ける」と慶子は泣きじゃくる

慶子演じる女優「入山法子」の迫真の演技に感動した。

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大岸弦

5.0みんなが見逃した邦画の佳作

2023年2月23日
Androidアプリから投稿

久 し ぶ り に 切 れ 味 の 良 い 純 正 で 無 垢 な 邦 画 を 観 た 。 イ ン パク ト の 強 い 濃 厚 な 魅 力 を 感 じ さ せ て く れ る 充 足 感 が あ っ た 。 「 天 上 の 花 」 は 、 舌 に 苦 み が 残 る ビ タ ー テ イ ス ト な 仕 上 が りで 、 決 し て 観 終 わ っ て 心 地 良 い 映 画 と 言 う 類 い で は な い 。 だが 作 り 手 が 意 識 し た か ど う か は 分 か ら な い が 、 こ の 作 品 は D V 、ハ ラ ス メ ン ト 、 ス ト ー カ ー 、 ジ ェ ン ダ ー な ど の 現 代 的 な 社 会 問題 を 想 起 さ せ る 表 現 が あ る も の の 、 そ れ を 持 っ て 不 快 な 映画 と 片 付 け る の は あ ま り に も ナ ン セ ン ス で あ る 。 こ う し た 表 現 は 、そ の 必 然 性 が 観 客 に 伝 わ る こ と で 初 め て そ の 意 味 を 成 す 。 そ れ は こ の 作 品 が 原 作 の 中 で 最 も イ ン パ ク ト の 強 い 一 部 分で あ る 美 好 達 治 と 萩 原 朔 太 郎 の 妹 ・ 慶 子 の 愛 憎 劇 に 絞っ た と こ ろ と 戦 中 か ら 敗 戦 直 後 に 時 代 が 限 定 さ れ た こ と に ある 。 極 寒 の 荒 れ 狂 う 日 本 海 に 面 し た 港 町 を 舞 台 に お 互 いに と っ て 不 幸 な め ぐ り 合 わ せ と し か 言 い よ う の な い 男 女 の 葛藤 が 繰 り 広 げ ら れ る 中 で 、 三 好 達 治 の あ ま り に も 純 粋 す ぎる 極 端 な 特 異 的 な 性 格 が 為 せ る 技 と は 言 え 、 戦 中 の 日 本の 男 性 が 女 性 に 手 を 上 げ る こ と 、 女 性 は こ う あ る べ き と 箸 の上 げ 下 ろ し か ら 夜 の 生 活 の ス タ イ ル ま で 口 う る さ く 言 う な ど とい う こ と は 日 常 茶 飯 事 だ っ た に 違 い な い 。 負 け る は ず の な い日 本 が 敗 戦 を 迎 え る こ と で 、 そ れ ま で の 価 値 観 が ガ ラ ガ ラ と崩 れ る 様 、 そ の 喪 失 感 が 戦 後 の 闇 市 の 女 に 達 治 が 女 性上 位 を せ が む 場 面 に 見 事 に 表 現 さ れ て い る 。 同時期に 観た 製 作 費 が 5 4 0 億 と 言 わ れ る 「 ア バ タ ー 」 の 続 編 が 、延 々 と お 互 い に 殺 戮 を 繰 り 返 し な が ら 、 身 内 の 死 だ け を 情緒 的 に 描 く こ と で 感 動 を 誘 う の に 対 し て 、 片 や 、 そ の 制 作 費の 爪 の 垢 ほ ど で 作 ら れ た こ の 映 画 の 潔 い と こ ろ は 、 登 場 人物 の 誰 に も 感 情 移 入 し た 描 き 方 を し て い な い と こ ろ だ 。 そ の客 観 的 視 点 が 、 逆 に こ の 映 画 に 重 み を 与 え て い る 。 か つ て 市 川 崑 が 映 り も し な い 茶 箪 笥 の 中 の 器 に こ だ わ っ た と い う 逸 話 が あ る が 、 こ の 作 品 が 邦 画 と し て の 品 格 を 持 ち 得た の は 、 映 画 美 術 の 功 績 が 大 き い 。 成 功 の 原 因 は 時 代 や舞 台 設 定 が 限 局 さ れ た こ と で 、 時 代 考 証 が 散 漫 に な ら な かっ た か ら だ 。 こ の 映 画 の エ ピ ロ ー グ 、 達 治 が 慶 子 へ の 想 い を捨 て き れ ず に 死 ぬ ま で 後 生 大 事 に 抱 え て い た 色 艶 や か な 上質 な 着 物 の 美 し い こ と 。 そ れ を 眺 め て 「 今 更 こ ん な も の 」 と一 蹴 す る 慶 子 の セ リ フ に 戦 後 か ら 更 に 十 数 年 経 過 し た 時の 流 れ を 感 じ さ せ る 秀 逸 な 幕 切 れ で あ る。

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かぜ

5.0詩人が主人公というのはかなり珍しい

2023年2月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

三好達治が主人公で萩原朔太郎も重要な役回り、詩人が映画に取り上げられるのはとても珍しいと思う。戦前の日本の封建的価値観、第2次世界大戦中の戦争詩の問題など、おそらくは原作にかなり忠実なのだろうが、三好達治という詩人の生き方を正面から描いている。
演出も抑えが効いていて(一度だけ三好達治が叫び回るシーンが残念)、構成的にも終盤に描かれる妻に離婚を迫る場面、戦後の娼婦との場面など効果的だと感じた。少し残念に感じたのはケイコはもう少しコケティッシュというか妖艶な感じでも良かったのではないだろうか。食べ物やお金へのこだわりなど庶民的な印象が強かった。まあ、時代を考えればあれでも十分革新的な女性のイメージなのかもしれないが。

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はちめ

4.5文学者の戦争協力と女性の暴力への抵抗

2023年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

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てつ