シャドウ・イン・クラウド
劇場公開日:2022年4月1日
解説
クロエ・グレース・モレッツが主演を務め、第2次世界大戦で極秘任務に挑む女性パイロットの戦いを描いたサスペンスアクション。1943年。ニュージーランドからサモアへ最高機密を運ぶ密命を受けた連合国空軍の女性大尉モード・ギャレットは、B-17爆撃機フールズ・エランド号に乗って空へ飛び立つ。モードは男性乗組員たちから心無い言葉を浴びせられながらも、ひたむきに任務を遂行しようとする。やがて彼女は高度2500メートルの上空で、自機の右翼にまとわりつく謎の生物を目撃する。次から次へと想像を絶する試練に見舞われる中、大切な荷物を守りながら決死の戦いを繰り広げるモードだったが……。新鋭女性監督ロザンヌ・リャンがメガホンをとり、第2次世界大戦に従軍した女性兵士たちへのリスペクトを込めながら描き出す。2020年・第45回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で観客賞を受賞。
2021年製作/83分/G/ニュージーランド・アメリカ合作
原題:Shadow in the Cloud
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
ネタバレ! クリックして本文を読む
公開前からで公式の宣伝で「クロエがモンスターを素手でボコる!」が流されまくっていて、確かにアレは最高の見せ場だし、劇中のクロエならずとも「マジ??」ってなるしかないトンチキな展開が目白押しなんだけど、正直、これほど無駄なく出来ている映画も珍しいと思っている(3回観に行って確信した)。個人的には、娯楽としての映画に見せてほしいものが、この80数分間にだいたい詰まっている気すらしている。
とはいえ母性神話みたいなものには鼻白む部分もなくはないのだが、むしろ本作で打ち出されているのは男性優位社会クソ!という女性全般からの主張だし、あのキャラクターに関しては母親であることの重要さはわかるというか、キャラとして成立しているとは思っている。しかしむしろ痛快なのは、「ここはいいとこ!」と勘違いした役に立たないハンサムがひざまずいてプロポーズするような瞬間で、男が主体という幻想を気持ちよく打ち砕いてくれる最高のプロポーズシーンだった。
話がザルのバカ映画として半笑いで観る向きもあるように思うが、細かいところまで気を使った上で堂々と大嘘を付いてくれる、映画の鑑だと思っている。もちろんカーペンター風のシンセ音楽も、突然シフトチェンジする爆撃機内での躁ミュージックも最高。世評以上に噛みごたえのある映画だと思いますよ、マジで。
2022年12月22日
Androidアプリから投稿
本編、ひたすらクロエ推しの作品。秘密の任務で輸送機に乗り込んだ後、離陸時から入れられた操舵室に閉じ込められる形となり、そこから後半まで無線で機の人間と揉めながら、襲来する日本の零戦と、グレムリンと対峙するという、ひたすらクロエの1人芝居となる怪作である。事ある毎にセクハラ発言をする男どもと、比較的協力的な男。どうせこの男と上手くいくんだろうな・・・等と考えていると、物語は予想を超える展開となる。本作では冒頭からグレムリンがいる事を匂わせる形であるが、何故、どこから来たのか、何体いるのか等のこちらが知りたい情報は一切省いている。 2008年公開のマット・リーヴス監督作、「クローバーフィールド/HAKAISHA」でも似たような手法が取られているが、こちらはこぢんまりした作品のため、身近な恐怖の様に思え、雰囲気作りには一役買っていると思われる。
基本は顔の見えない機の連中と無線で会話をするのだが、顔が見えない相手から暴言を浴びさせられるのは、現代のSNS社会に存在する闇を風刺したものなのだろうか。また、女性が虐げられていた時代が変化し、活躍していくという時代の変化を描写している。本作でクロエが「何でも出来ちゃう子」なのもそれが大きな理由だろう。
CGがチープで幻滅してしまう部分もあるが、83分という短い本編の中に色々と工夫が詰まっており、それなりに見応えのある作品であった。
予告ではクロエがグレムリンを思い切り殴りつけるシーンがピックアップされるが、全体に渡ってかなり突拍子の無い作品である。ここまで来ると脚本はあって無い様なもの。色々な意味ですごい作品を観た気がする。
観るに当たっては第二次世界大戦時にイギリスで編成された女性の空軍組織WAAF(Women's Auxiliary Air Force)について知っておく必要がある。
WAAFは実戦闘ではなく後方支援が主だったようだが戦場は男社会という事もあり女性に対する差別や侮蔑も酷かったようだ。
『シャドウ・イン・クラウド』はそんなWAAFに所属する主人公ギャレットが男性社会の中で逞しく戦っていく姿を描きながら戦時を生きた女性達への女性讃歌になっている。
つまり敵のグレムリンや日本軍や仲間の男性兵士も強い女性を引き立てるための添え物でしかない。
ラストのバトルシーンが正に象徴的。
グレムリン=キモい、やや強い
日本空軍(零戦)=早い、強い
仲間の男性兵士=下品、バカ、弱い
という感じなので強い女性……というかクロエ・グレース・モレッツを観る映画になっている。
80分近い尺の7割がクロエとたまにグレムリンしか映ってない(男は通信の音声のみ)シーンなのも割り切っている。
2022年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
クロエ・グレース・モレッツ扮する女性将校モードが極秘任務で闖入した爆撃機が離陸する。満席のため球形機関銃座に押し込められ、散々セクハラをうけるモード。そこでモードはグレムリンを発見するのだが.... 秘密任務の内実とか、噴飯もののしょうもないストーリーだったが、そこそこ緊迫してたし面白かったのでOK。グレムリンと対峙するところとか笑える。
クロエもまあまあかわいいしね。