百花のレビュー・感想・評価
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身内が認知症になる
観賞後、母に会いたくなる邦画。 本年度ベスト。
見終わったあとなんの感情もわかない
原田さんと同世代を生きてきて
60代の自分が10代の頃観た原田美枝子さん あんな役をあんな少女が演じるのかと思った「大地の子守歌」から約45年 今度は母親を演じ、親の介護に直面している私たちの年齢の者にとって、とても共感できるものであった いつかは訪れるひとり親である母親の介護、その日が訪れない事を願いつつも、常に意識から離れず、一方新しい自分の家族である妻との間で揺れる息子
母親にも妻にもじっくりと向き合えないことの葛藤を共感している、特に「一人息子」は多かったのではないだろうか 進行していく認知症に、妻の理解があったとしても施設に入所させる選択をせざるを得ない姿は、日常の介護のできない「一人息子」ならば仕方のないものであっただろう、と思うと親の介護に直面している者には辛い描写でもあった
子どもが忘れているどうでもいいエピソードを、特に母親はよく覚えていて、いつか来る本当の母親との別れを前にして、残された時間が少ないからこそ母親との共有できた記憶はとても切ない
関西に住んでいるものとして、震災は忘れることのできないものであるが、多くの人の人生を変えてしまったことをまた意識をした
石橋静河さんが活躍されているが、母親の影響がとても強かったのだろうと思わずにはいられない原田さんの演技であった(9月23日 イオンシネマりんくう泉南 にて鑑賞)
全てにおいて中途半端
ご都合主義と自己満足のオンパレード!
時間とお金の無駄です
菅田将暉の父親は?
スーパーの売り場の設定変
バスには何故いつも誰も乗っていない?
あれだけの地震で直ぐに飛び起きないのは何故?
永瀬正敏は死んだの?
家を処分するのにわざわざホームから惚けた母親を呼ぶのか?
半分の花火の謎解きだけの映画?
久しぶりに途中で帰りたくなった映画です
一人で観に行ったのならば、間違いなく途中で帰ったと思います
こんな映画のプロモーションで、いい作品です観て下さいと言わねばならない俳優さんも哀れです
望外に良き一作
ほとんど期待せずに観たのだが、全編を上手い役者達を美しいカメラワークの長回しでつないでいく演出が秀逸。映像と網守将平氏の楽曲のマッチングも素晴らしく、久々に時間を感じさせずにエンディングまで観れた望外の秀作でした。今までプロデューサーとして数多くのヒット作品を生み出してきた川村元気氏にとって初の長編監督作品なようですが、この出来なら監督としての将来が約束されたのではないでしょうか。
しいていえば役者の顔のやむを得ないCG処理(あと少しで不気味の谷を超えれそう・・・)と、ところどころ冗長なカットがあるのが少し気になりましたが、作品への没入感を損なうレベルではありませんでした。川村監督にはもっともっとムービーマニアックな作品に走って欲しいという印象で、いろいろな意味で次回作が楽しみ。
記憶を失うイコール不幸せではない
原作が好きでした。母になりきれなかったであろう母、息子との距離感が独特な母を原田美枝子さんが美しく演じられてます。
そして、幼少期の傷つき体験を抱えながら、一般的な家庭モデルを持たない不安を抱え、それでもいま自らも親になろうとする息子を菅田将暉さんが美事に演じています。
川村監督が原作、脚本、監督もされてます。ワンカット、静かな作品で観た人の好みは分かれそうですが、監督が求めるものを創り上げるのに、菅田さんも原田さんも相当な戦いがあったように感じました。お二人の全てを出し切っていたのでは無いでしょうか。
物語にも出てくる一輪の花が朽ちていくように、綺麗でしっかりしてた母が記憶を失っていくこと、それを受け入れるのは本人も家族も本当にしんどいことです。
湖畔で菅田さんが原田さんに感情をぶつけているシーンは非常に胸に迫るものがありました。
記憶を失うこと、出来ていたことが出来なくなるということは健康な時から見たら不幸せのようですが、どんなふうになっても母は幸せだったんだと思わせてくれる作品でした。
これは"半分の花火"の謎解き?
登場人物が少なく…、菅田将暉演じる"泉"の父親も出てくることはなく…、原田美枝子演じる母"百合子"が一年いなかったのは、永瀬正敏演じる"洋平"とどこかにいたから?…と考えながら見ているが、ストーリーからしてまず理解できない。
抽象芸術作品としてみれば、よいのかもしれないが、ストーリー性を求めるとすると、これはまた、なかなかの難解さではある。
これはいくら菅田将暉と原田美枝子の演技力がどうこうといっても、なかなか演技も難しいところだろう。
私には、原田美枝子の演じる百合子がアルツハイマーには見えなかった。
菅田将暉と長澤まさみの夫婦もピンとこない。
結局、"半分の花火"の謎解きのために104分を費やしたのだろうか?
このスタイルの映画だと、アルツハイマーの裏側にある精神的な苦悩を描かなければ見ごたえのないものになるだろう。
この映画に「妄想的アルツハイマー日記」という副題を付けたいと思う。
「百花」の意味もわからなかったなぁ。
…芸術は難しい。
この路線でいくと、「彼女のいない部屋」の方が一枚上手かな。
#155
買い物ループ、階段ループの怪
SFホラータッチにも思えたアンソニー・ホプキンス主演の『ファーザー』(2020)をまず思い出してしまった。アルツハイマー型認知症を患った人の頭の中。直近の記憶がままならないために同じ行動を繰り返す・・・さすがに階段での恐怖心は辛いと思うが、ループしてワープして、混乱する姿を見ると可哀想でしょうがない。個人的には『いつか読書する日』(2005)の認知症老人の映像も好き。
卵が数パック。冷蔵庫を開けてみるといっぱいある。だけどまた買っちゃう。どこの家でも同じなんですね。そして汚れ物のたまったシンク。散らかし放題の部屋。ただ、素直にMRI検査も受けているし、本も読んでいる。まぁ、これはまだ初期段階なのでしょう。
菅田将暉と長澤まさみの夫婦が母親・百合子(原田美枝子)をあっという間に老人ホームに入居させてしまった経緯はちょっと気に入らないし、認知症だとわかった段階でもっと対策を練らなければならないと思う。まぁ、母とのある確執があったからだとは思うが、手帳を見つけたときに逡巡する描写も欲しいところ。
物語の大半は1995年の愛の逃避行について。どれだけきれい事を並べても、息子を置いていくのは大きな間違いだった。息子にとってもポッカリ空いたままの愛情。バス停で激しくハグをしたことだって、彼を浅葉(永瀬正敏)と間違えたからじゃないのか?百合子にとっては大人になってからの息子の記憶は消えかかってるんだし・・・母の愛よりは息子の愛のほうが大きく感じられた。長澤まさみに「変な親子」と言わしめたのもこれかな?
「人間は忘れる生き物である」というのは誰の名言だったか忘れましたが、忘れることがあるからこそ人間らしいとも言えます。それを記憶の声を集めたデジタル・アーティストに歌わせるというエピソードが上手く絡んでいて、認知症の逆メタファーとなっている。要は、空白の1年の罪を赦して最期まで母親を愛することの美しさ。半分の花火にこだわりを持っていたことも浅葉、泉に対する愛だったのかもしれません。一輪ざしの花に関しては、なんだかつまんなかったし、全体的に綺麗に描きすぎだったのも難点。汚かったのは泉の嘔吐だけ。
仕事から引退したり、脳を活発に動かさないと認知症が増えるのだろう。周囲の人の中に、コロナ禍で自宅待機命令の出ていた人がアルツハイマーを発症してしまったとか・・・見ていて可哀想だった。3分くらい話しただけなのに、同じことを3回も喋ってた・・・
認知症のように大事な部分がドーナツの様にぽっかりと抜け落ちてしまった映画
覚えていることと忘れていること
嗚呼原田美枝子よ青春の美しい記憶を壊す勿れ
楽しい映画で無いことは分かっていたし原田美枝子の演技を観るのが辛いというか恐かったしハナから期待はしていないがそういう歳になったということなのだろうでも撮影が「ヤクザと家族」「余命10年」の今村圭佑で全シーンワンカットで撮ったと聞いてしまったので観ずにおられましょうか冒頭からさあ来るぞと身構えているとその手法は役者の演技を引き出すためというよりも現実と非現実、現在と過去を行きつ戻りつしたり「ワンショット風に見せる」編集テクニックが優先していることが分かるがヒッチコック先生の「ロープ」のように背中に回り込んでロールチェンジしたりするのが割と好きなのでそれだけで楽しめたけれどリアルに義父が認知症気味でどうしても答えを求めてしまう部分もあり鑑賞の邪魔をする。主題歌をAIボーカロイドに歌わせ「人間の記憶とは」的に無理くりストーリーにからませ実際にCDデビューさせてしまうあたりはPとしての川村元気面目躍如なのであろう。最後の最後に「百花」というタイトルの意味が一輪挿しで伏線回収される展開は不意打ちを食らいちょっと泣けました。
親子だからこそのわだかまり
半分の花火、湖畔から見るか?家から見るか?
2022年映画館鑑賞48作品目
9月19日(月)イオンシネマ名取
ハッピーマンデー1100円
原作未読
原作と監督と脚本は数々の話題作の企画・プロデューサーを務めた川村元気
初監督作品
作品内容からして決して駄作ではないが自分には合わなかった
はっきりいってつまらなかった
眠くなる人も多いだろう
河瀬直美監督初期作品や『青いパパイヤの香り』によく似たカンヌ系の淡々とした流れが人によっては退屈に感じるかもしれない
『ちむどんどん』でヒロイン暢子の伯母でイタリア料理店のオーナー役の原田美枝子は今回の映画では認知症患者を演じた
原田美枝子がボケ老人の役をやることで改めて自分の老いを感じた
半分の花火とはそういうことか
生まれた頃から母子家庭で育ち幼少の頃に母から置き去りにされた経験を持つ葛西泉に菅田将暉
泉の母で認知症を患う葛西百合子に原田美枝子
泉の妻で妊娠中でやがて息子を産む葛西香織に長澤まさみ
泉と香織が働くレコード会社の上司の大澤哲也に北村有起哉
泉と香織が働くレコード会社の後輩の永井翔太郎に岡山天音
泉と香織が働くレコード会社の同僚の田名部美咲に河合優実
百合子を診る心療内科医の佐藤雅之に長塚圭史
香織を診る産婦人科医の関綾乃に板谷由夏
百合子の学生時代の友人の工藤恵に神野三鈴
百合子が移り住むことになった高齢者介護施設の職員に占部房子
大学教授で百合子の愛人の浅葉洋平に永瀬正敏
小説向き
W主演のおふたり(菅田将暉と原田美枝子)の繊細な演技が光る。
病気を相談しようと電話してきた母の電話を仕事の忙しさにかまけて無視したことを悔いたり、恋に入れ上げ失踪した母が阪神淡路大震災で我に返ったりと、内面を丁寧に描くタイプの作品でした。
と同時に、役者の技量が問われる作りなわけですが、見事に表現は出来ていたと思います。
ただ、文芸的過ぎるというか、小説でこそ生きる内容であり、映像化はいかがなものか?というのが率直な感想。
さまざまな失敗やすれ違いは、当事者同士の赦しか、自分の中で消化するものであり、嘆きや戸惑いを見せるだけでは軽く感じてしまって、作品の中に入り込めなかったです。
映画にしたかったのは予告にもあった「半分の花火」のビジュアルを見せたかったのかなとは思うものの、想像の範囲内のことで感動ポイントにはなりえませんでした。
「惜しい」の一言。
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