百花のレビュー・感想・評価
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9×9、川村×川村
評価が悪めだったのであまり期待していませんでしたが、面白かったと言えるようなストーリーではないのですが、映像作品としてすごく美しく、そして何より菅田将暉がまた好きになってしまう作品でした。
他のレビュアーの方も仰っていますが、この映画、かな〜り脚本が粗いです。原作者でもあり、本作では脚本も務めている川村元気監督。これ、小説の方もこんな感じなんでしょうか。ビックリするぐらい中身ないし、結局何が言いたいのか分からない。勿体ぶるような演出をするから衝撃的な真実が明かされる系の映画かと思いきや、全然そんなことも無くエンドロール。もし、小説もこんな感じなら読んでられないよ。
何故か。この映画の最大の魅力は菅田将暉だからです。彼じゃなかったら、★3.0?いや、★2.5だったかもしれない。菅田将暉に救われてます。近年は「花束みたいな恋をした」「キャラクター」で素晴らしい演技を披露し、日本アカデミー賞で男優賞を獲得していますが、今年も今作でまた候補に上がるのではないでしょうか。今までで1位2位を争うほどの、繊細で美しい演技を魅せてくれました。感情を抑えようとしながら認知症の母に必死に訴えかけるあのシーンには、「流浪の月」の松坂桃李で感じたのと同じようななんとも言えない気持ちに襲われ、すごく辛かった。圧巻です。日本映画界にはこんな逸材がいるんだぞ!と世界に発信してもいいほどに。そういう面では、非常に価値のある映画かもしれません。
認知症ってこんな感じ...?と疑問に思ってしまうシーンがあったり、文学的要素が強くて何が言いたいのか分からなかったり、正直私の苦手なタイプの作品。だけど、「半分の花火」を初めとした映像、そしてピアノで演奏されるクラシック音楽が言葉に出来ないくらい美しくて、重いテーマを扱っているにも関わらず、すごく居心地が良かったです。主人公の妻が長澤まさみってのも、作品に上品さを与えていてGood。中身は無いけど、印象に残る映画でしたね。
好き嫌い分かれる映画だと思いますが、菅田将暉というとんでもない俳優の凄さを改めて実感させられる、そんな映画ですので、ぜひ。「半分の花火」の美しさも、劇場ならではかと。
あと、同じ9月9日公開日には川村壱馬が主演の「HIGH & LOW」がありますね。なんか被るね、最近笑
涙を止められない
監督おめでとう
身内が認知症になる
観賞後、母に会いたくなる邦画。 本年度ベスト。
見終わったあとなんの感情もわかない
原田さんと同世代を生きてきて
60代の自分が10代の頃観た原田美枝子さん あんな役をあんな少女が演じるのかと思った「大地の子守歌」から約45年 今度は母親を演じ、親の介護に直面している私たちの年齢の者にとって、とても共感できるものであった いつかは訪れるひとり親である母親の介護、その日が訪れない事を願いつつも、常に意識から離れず、一方新しい自分の家族である妻との間で揺れる息子
母親にも妻にもじっくりと向き合えないことの葛藤を共感している、特に「一人息子」は多かったのではないだろうか 進行していく認知症に、妻の理解があったとしても施設に入所させる選択をせざるを得ない姿は、日常の介護のできない「一人息子」ならば仕方のないものであっただろう、と思うと親の介護に直面している者には辛い描写でもあった
子どもが忘れているどうでもいいエピソードを、特に母親はよく覚えていて、いつか来る本当の母親との別れを前にして、残された時間が少ないからこそ母親との共有できた記憶はとても切ない
関西に住んでいるものとして、震災は忘れることのできないものであるが、多くの人の人生を変えてしまったことをまた意識をした
石橋静河さんが活躍されているが、母親の影響がとても強かったのだろうと思わずにはいられない原田さんの演技であった(9月23日 イオンシネマりんくう泉南 にて鑑賞)
全てにおいて中途半端
ご都合主義と自己満足のオンパレード!
時間とお金の無駄です
菅田将暉の父親は?
スーパーの売り場の設定変
バスには何故いつも誰も乗っていない?
あれだけの地震で直ぐに飛び起きないのは何故?
永瀬正敏は死んだの?
家を処分するのにわざわざホームから惚けた母親を呼ぶのか?
半分の花火の謎解きだけの映画?
久しぶりに途中で帰りたくなった映画です
一人で観に行ったのならば、間違いなく途中で帰ったと思います
こんな映画のプロモーションで、いい作品です観て下さいと言わねばならない俳優さんも哀れです
望外に良き一作
ほとんど期待せずに観たのだが、全編を上手い役者達を美しいカメラワークの長回しでつないでいく演出が秀逸。映像と網守将平氏の楽曲のマッチングも素晴らしく、久々に時間を感じさせずにエンディングまで観れた望外の秀作でした。今までプロデューサーとして数多くのヒット作品を生み出してきた川村元気氏にとって初の長編監督作品なようですが、この出来なら監督としての将来が約束されたのではないでしょうか。
しいていえば役者の顔のやむを得ないCG処理(あと少しで不気味の谷を超えれそう・・・)と、ところどころ冗長なカットがあるのが少し気になりましたが、作品への没入感を損なうレベルではありませんでした。川村監督にはもっともっとムービーマニアックな作品に走って欲しいという印象で、いろいろな意味で次回作が楽しみ。
記憶を失うイコール不幸せではない
原作が好きでした。母になりきれなかったであろう母、息子との距離感が独特な母を原田美枝子さんが美しく演じられてます。
そして、幼少期の傷つき体験を抱えながら、一般的な家庭モデルを持たない不安を抱え、それでもいま自らも親になろうとする息子を菅田将暉さんが美事に演じています。
川村監督が原作、脚本、監督もされてます。ワンカット、静かな作品で観た人の好みは分かれそうですが、監督が求めるものを創り上げるのに、菅田さんも原田さんも相当な戦いがあったように感じました。お二人の全てを出し切っていたのでは無いでしょうか。
物語にも出てくる一輪の花が朽ちていくように、綺麗でしっかりしてた母が記憶を失っていくこと、それを受け入れるのは本人も家族も本当にしんどいことです。
湖畔で菅田さんが原田さんに感情をぶつけているシーンは非常に胸に迫るものがありました。
記憶を失うこと、出来ていたことが出来なくなるということは健康な時から見たら不幸せのようですが、どんなふうになっても母は幸せだったんだと思わせてくれる作品でした。
これは"半分の花火"の謎解き?
登場人物が少なく…、菅田将暉演じる"泉"の父親も出てくることはなく…、原田美枝子演じる母"百合子"が一年いなかったのは、永瀬正敏演じる"洋平"とどこかにいたから?…と考えながら見ているが、ストーリーからしてまず理解できない。
抽象芸術作品としてみれば、よいのかもしれないが、ストーリー性を求めるとすると、これはまた、なかなかの難解さではある。
これはいくら菅田将暉と原田美枝子の演技力がどうこうといっても、なかなか演技も難しいところだろう。
私には、原田美枝子の演じる百合子がアルツハイマーには見えなかった。
菅田将暉と長澤まさみの夫婦もピンとこない。
結局、"半分の花火"の謎解きのために104分を費やしたのだろうか?
このスタイルの映画だと、アルツハイマーの裏側にある精神的な苦悩を描かなければ見ごたえのないものになるだろう。
この映画に「妄想的アルツハイマー日記」という副題を付けたいと思う。
「百花」の意味もわからなかったなぁ。
…芸術は難しい。
この路線でいくと、「彼女のいない部屋」の方が一枚上手かな。
#155
買い物ループ、階段ループの怪
SFホラータッチにも思えたアンソニー・ホプキンス主演の『ファーザー』(2020)をまず思い出してしまった。アルツハイマー型認知症を患った人の頭の中。直近の記憶がままならないために同じ行動を繰り返す・・・さすがに階段での恐怖心は辛いと思うが、ループしてワープして、混乱する姿を見ると可哀想でしょうがない。個人的には『いつか読書する日』(2005)の認知症老人の映像も好き。
卵が数パック。冷蔵庫を開けてみるといっぱいある。だけどまた買っちゃう。どこの家でも同じなんですね。そして汚れ物のたまったシンク。散らかし放題の部屋。ただ、素直にMRI検査も受けているし、本も読んでいる。まぁ、これはまだ初期段階なのでしょう。
菅田将暉と長澤まさみの夫婦が母親・百合子(原田美枝子)をあっという間に老人ホームに入居させてしまった経緯はちょっと気に入らないし、認知症だとわかった段階でもっと対策を練らなければならないと思う。まぁ、母とのある確執があったからだとは思うが、手帳を見つけたときに逡巡する描写も欲しいところ。
物語の大半は1995年の愛の逃避行について。どれだけきれい事を並べても、息子を置いていくのは大きな間違いだった。息子にとってもポッカリ空いたままの愛情。バス停で激しくハグをしたことだって、彼を浅葉(永瀬正敏)と間違えたからじゃないのか?百合子にとっては大人になってからの息子の記憶は消えかかってるんだし・・・母の愛よりは息子の愛のほうが大きく感じられた。長澤まさみに「変な親子」と言わしめたのもこれかな?
「人間は忘れる生き物である」というのは誰の名言だったか忘れましたが、忘れることがあるからこそ人間らしいとも言えます。それを記憶の声を集めたデジタル・アーティストに歌わせるというエピソードが上手く絡んでいて、認知症の逆メタファーとなっている。要は、空白の1年の罪を赦して最期まで母親を愛することの美しさ。半分の花火にこだわりを持っていたことも浅葉、泉に対する愛だったのかもしれません。一輪ざしの花に関しては、なんだかつまんなかったし、全体的に綺麗に描きすぎだったのも難点。汚かったのは泉の嘔吐だけ。
仕事から引退したり、脳を活発に動かさないと認知症が増えるのだろう。周囲の人の中に、コロナ禍で自宅待機命令の出ていた人がアルツハイマーを発症してしまったとか・・・見ていて可哀想だった。3分くらい話しただけなのに、同じことを3回も喋ってた・・・
認知症のように大事な部分がドーナツの様にぽっかりと抜け落ちてしまった映画
覚えていることと忘れていること
嗚呼原田美枝子よ青春の美しい記憶を壊す勿れ
楽しい映画で無いことは分かっていたし原田美枝子の演技を観るのが辛いというか恐かったしハナから期待はしていないがそういう歳になったということなのだろうでも撮影が「ヤクザと家族」「余命10年」の今村圭佑で全シーンワンカットで撮ったと聞いてしまったので観ずにおられましょうか冒頭からさあ来るぞと身構えているとその手法は役者の演技を引き出すためというよりも現実と非現実、現在と過去を行きつ戻りつしたり「ワンショット風に見せる」編集テクニックが優先していることが分かるがヒッチコック先生の「ロープ」のように背中に回り込んでロールチェンジしたりするのが割と好きなのでそれだけで楽しめたけれどリアルに義父が認知症気味でどうしても答えを求めてしまう部分もあり鑑賞の邪魔をする。主題歌をAIボーカロイドに歌わせ「人間の記憶とは」的に無理くりストーリーにからませ実際にCDデビューさせてしまうあたりはPとしての川村元気面目躍如なのであろう。最後の最後に「百花」というタイトルの意味が一輪挿しで伏線回収される展開は不意打ちを食らいちょっと泣けました。
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