BLUE GIANTのレビュー・感想・評価
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現代日本における最高の『お伽話』
映像作品(劇場で観る映画)とは必然的に時間に沿って前に進むものです。後戻りも一時停止もできない。
私は原作を読んでから劇場に足を運びました。
ですのでクライマックスを知ってから映画版を鑑賞いたしました。
劇中何度も前に進まないでくれ、止まってくれと、このままの時間が永遠に続いてくれと、そう願ってしまうほどに主人公たち三人の人間ドラマに熱いものがありました。
何度も目頭が熱くなるのを感じました。
この漫画、宮本大が主人公のようで実のところそうではありません。
宮本大は物語における主人公の条件である『葛藤』をほとんどしません。ただ真っ直ぐに進んでいくだけです。才能に溢れた『お伽噺≒女性神話』における姫の役割が与えられている
つまりこの映画においては宮本大よりもその周りにいるピアノとドラムの二人こそが真の主人公です。
二人の成長物語。
特にドラムの玉田の物語こそこの映画におけるメインのプロットといっても差し支えないのではないかと思うほどでした。
映画において『実際に耳に聞こえてしまう音楽』を扱うのはシナリオとは別の評価軸が生まれてしまうので、私はそもそも音楽映画自体あまり好きではないのですが、
しかし、この映画では人間ドラマの部分で音楽の評価に正当性を与えています。
感動。
暫定、今年ベストの映画です。
無条件にオススメできます。
可能ならば、原作を読まないで行った方が、もしかしたらいいかも、とは思いました。
良作です!
熱い音に包まれる感動
TC PREMIUM THEATERで鑑賞(ドルビーアトモス)。
原作マンガは未読。
ストーリーはオーソドックスな青春物語(大、玉田、雪祈の織り成す青春模様は王道の部類なれど、友情・挑戦・挫折・成長と云う重要な要素を兼ね備えていたから心にビシバシ刺さったし、青春モノ好きとしては大満足!)でしたが、本作の白眉はなんと言っても大たちの演奏シーンにつきる!
大の言う「熱い音」とは何かを、目と耳と心に訴え掛けて来る圧巻の映像と音響に浸り、酔いしれ、痺れました。ドルビーアトモスで観て正解だったな、と…。ジャズに関して門外漢な私でしたが、鑑賞を機にジャズに興味が湧きました。
[余談]
3DCGの違和感がすごい。
動きのぎこちなさがどうしても気になってしまいました。
[以降の鑑賞記録]
2023/11/03:Amazon Prime Video(レンタル)
※修正(2024/06/24)
Jazz for your soul
JAZZ
19世紀末期に
アメリカはルイジアナ州
ニューオーリンズを発祥とする
黒人コミュニティで生まれた
音楽ジャンル
ブルース等をベースに広まり
一ジャンルにおいて
ピアノ・サックス・ウッドベース
様々な伝説的プレイヤーを生み
多種多様に派生しながら
歴史を紡いでいる
近代ではフュージョン
(テレビでよく使われるやつ)
スムーズジャズ
(バーでかかってそうなやつ)
など様々な形で
なじみ深くなっている
公開からだいぶ経っての
観賞でしたが
ステマっぽい宣伝に
食指が伸びませんでしたが
まぁ観たいのが特にない
週末だったので観賞
漫画は未見
さてどうだったか
やはり「音が付く」
音楽の漫画の映画化というのは
意義が大きく原作の世界観を
広めるもので特にアニメで
やった事がハマったと思います
あまりJAZZ自体の蘊蓄はなく
ジャズで世界一になる
音楽で人を感動させる
という少年漫画級にシンプルで
わかりやすい展開で
好印象が多いのも
わかる話です
悪くはないけど
肝心な演奏シーンの
演出面はちょっと
物足りなかったかな
映画は
漫画では分けられていた
「仙台編」
「東京編」
「ミュンヘン編」
のうち東京編を抜き出した
感じ
根性と努力の天才
「宮本大」がサックス一本で
東京に乗り込み
ピアノの天才「沢辺雪折」
上達までの
期間的には間違いなく
こいつが一番
天才なのではという
大の居候先の
ドラムの「玉田俊二」
らで「JASS」を結成し
日本のジャズプレイヤーの
夢舞台「SOBLUE東京」
(BLUENOTE東京のこと)
に10代で上がるという野望に
向かって邁進する顛末を
扱います
演奏シーンには楽曲担当の
本職のプレイヤーを
ロトスコープ
(実写映像の上から
トレースするアニメ)
とCGワークの合成
そして決め絵を手描き
みたいに組み合わせて
いるのですが
各々のクオリティが
あまりにバラバラすぎ
なのとCGパートになると
急に単調なカメラワークの
繰り返しになったり
使ったメリットが
さほど感じられない
ところもありました
丁度同時期にやっていた
音楽テーマのアニメ
「ぼっち・ざ・ろっく」
の方がそう凝った工夫も
なく自然だったような
気がします
楽曲の尺に
演出の引き出しが
もってない感じでしょうか
また展開的にも
どうしても漫画版の
大が覚醒していく仙台編を
端折った影響で
JASSのそれぞれのメンバーの
才能にあふれる部分に
だぶつきを感じるところも
ありました
(まあこれは自分漫画未見
だからなんだろうけど)
キャストの声出演は
山田涼介や間宮祥太郎
岡山天音らほんと
最近の若い俳優は
声優もうまくやるもんで
実写でこういう
「いい音楽」系映画をやると
たいていその作中で皆が
感動する「いい曲」に
ハマれないと白け度が
ハンパなくなります
20世紀少年とか
BECKとか
DMCとかね・・
(また作中では一生懸命
やってるから余計)
アニメは声優・演奏・楽曲
各パートにスペシャリストを
集めて超人を創り出せます
まぁそういうのがわかんない
企画屋がまた実写で音楽の漫画
やって悲惨なことになる
んでしょうけど
思ったより雑な映画でしたが
まぁ悪くなかったです
追記
Amazon Primeで見返しましたが
改めて観るとめちゃめちゃ良かったw
恐れ入りました
音楽で感情を揺さぶられる
ブルージャイアント・オブ・ザ・デッド
演奏シーンも音源も非常に良かった。
音楽映画としてしっかり成立していて
感動しっぱなしの映画だった。
ただ、2点
この映画での3DCGは全ての点でマイナスにしかなってなかった。玉田のドラムソロがめちゃくちゃ良かったけど、そこは2Dシーンであの絵柄がそのまま演奏している感じが続いてほしかった。
指の細かい動きや体の動きを誤魔化すため
書く手間を省くためのような気がして冷めた。
そして、もう一つは
原作から変更されたラストシーン。
雪折がトラックに轢かれて2日後のライブに登場するのは
さすがに無理がある。
それならピアノの蓋に指が挟まって突き指しました
くらいじゃないと、流石にトラックに轢かれた2日後に
ピアノを弾いていたら
凄いとか、感動ではなく、人かどうかを疑うのが普通だと思う。
そして、あの立ち上がっての演奏、彼はすでに人ではない。
あれは雪折の見た目を借りたゾンビに違いない。
ゾンビでないとすると、ラストは病室で良いはずだから
制作者の誰かがジョージ・A・ロメロの信奉者なんだと思う。
鳥肌もの
観る映画ではない
ストーリー展開は、一人の青年が夢を叶える為に仲間を集めて成り上がっていくという、良く言えば王道の、敢えて悪く言えばややありきたりなもの。映像の質も決して悪くはないが、少し前に上映されたアニメ映画であるスラムダンクには敵わない。
しかし、それらが些細なことに感じるほど、ライブシーンでの音楽の質が高い。主人公が劇中で語っていた「ジャズの熱さ」を体験することができる。
本作の肝は音楽であり、観る映画というよりは聴く映画だと思う。視聴する際には、ぜひ音響設備が整っている上映館を選んでいただきたい。
芸術のような映画
応援しながら見てしまった
ほとんど何も知らずに見ましたが、感動しました!
メインの3人がそれぞれ乗り越えなければならないものがあり胸アツになりながら、こちらも拳を握りながら思わず応援していました。
漫画ファンの人からは、はしょりすぎ、初見の人分かるのか?というコメントが見られましたが、内容は違和感なく見られました。深いところを知っている人には、あそこをはしょるなよ!ってなるんですかね。漫画も読んでみようと思います。
音楽が半端なくカッコよく、音楽を表す映像も良かったです。
また、二番手のキャラの声や話し方が非常によく、これは本職の声優さんだなと思いながら見ていたところ、エンドロールで流れてきたのは間宮祥太朗さん!驚きました。
ドルビーアトモスで見ましたが、少なくとも映画館で見るべき。サントラ出てたら買おうかな。
原作読んでませんが
マンガの良さ、アニメの良さ
音楽の素晴らしさ
とても良かった
細かい音楽の良し悪しは分からんけども映画館ならではの迫力と映像表現で大変感動いたしました。
ただ正直
「夢叶う直前にハプニングで夢絶たれる」
ってよくある展開、大嫌いです。
この作品はそれを補って余りあるラストだったとはいえ、普通に夢を叶えさせてあげる展開の方が好き。
それでもあの事故の表現はどうかと思う。トラックに激突されて右腕だけの怪我ってないでしょう。しかも翌日に歩いてピアノの演奏をするってさすがに無理がある。展開が悪いわけではなくて、それならあの事故表現は過剰でしょって話です。
ところでJAZZが題材の物語は「JAZZは死にかけている」にするのが鉄則なんですかね?
原作観てから鑑賞すればよかったかな
原作読んでないから 何で? これは誰?みたいな感じがちょいちょいあり
沢辺さんの事故の後は駆け足なストーリー展開でもう少し丁寧に進めて欲しかった
演奏は良かった
上原ひろみさんの音楽を堪能できるだけでかなり贅沢
ジャズを知らなくても楽しめました
音楽は抜群、演奏シーンは…
上原ひろみ、石若駿、挾間美帆など
これ以上が無いと思わせる人選で
ジャズに馴染みの無い人でも入りやすく、かつハイクオリティな音楽を、物語の設定に合わせて奏でてくれた事に感動しました。
演奏シーンは、ちょっと残念。
話題のドラムもそうだが、他パートも…
本来なら
身体全体が等速で動き続ける事は無く、フレーズの捉え方によって身体の一部だけが一瞬速くなったり止まったりする。
サックスは上のラ以上の音域を鳴らす場合、ネック部分のキーが開いたり、運指に合わせて動くパーツが幾つもある。
そういう描写の欠落が違和感に繋がってしまい、素直に観られなかった。
難しいのは承知の上だが、それでも丁寧に描いて欲しかった。
2作目での改善に期待します。
贅沢な音楽!映画館でこそ観るべき作品
人気漫画の映画化で、色眼鏡で見る方も多いとは思いますし、私自身もその一人でした。
しかしそもそも、JAZZという本作品のテーマは映像化にあたり親和性の高いものです。否が応でも高まる期待について、本作はいともあっさりと超えてきました。本当に見事な楽曲、演奏、演出。これこそ映画化をする意味であり、映画館の音響で、音を浴びるように聴くべき作品だったと感じます。
原作を既読でしたが、映画のライブシーンでは、原作でも流れなかった涙が自然と溢れてきました。
もちろん、散々言及されている3D-CG部分については確かに稚拙な印象を受けます。
特に同時期に、圧倒的なクオリティで世に出している某バスケ映画もあることですし…。
けれども本作において、それは枝葉末節に過ぎないのではないでしょうか。
肝はあくまでも楽曲であり、限られた予算はそちらに全振りするという選択も、正解であったと思います。
そして誰もが認めるであろう最大のMVPは、楽曲提供のみならず実際の演奏までをも手掛けたジャズピアニスト上原ひろみ氏でしょう。氏の多大なる貢献は、主人公・宮本大の劇中のセリフにもあるような、「JAZZの普及」に通じるものがあると考えます。
ぜひとも劇場で観賞するべき名作です。
物語と音楽が一心同体だった。
音楽を魅せる映画は数多あるけど、この作品の音楽が一番生きてると思える。作品に活きてた、ではなくて、生きてた。です。
音楽シーンで物語がぶつ切りになるのは仕方ない通例で、大抵魅せてやんよ!とスタンドプレー気味に別作品を見せられている感覚になるけれど、この作品は物語と音楽が一心同体だった。
三者三様に感情移入できる物語があり、その深度もある。しかも感情移入した先で演奏も彼らの心情とちゃんとリンクしているから、全てのピースが地続きにあり、音楽が装置ではなく愛によってつくられていると感じられる。
モーションキャプチャはCG処理が惜しかったものの、アニメーションは奏者の表情描写に情緒を感じたし、彼らの音楽が成長するたび音の描写もレベルアップされ、音の時間軸まで表現されていた。音楽の描写はバリエーションが多彩で発想も自由だし、複数のムードを持つ表現が共存してたり、理性的な物語とは裏腹に、映像に加わった爆発点な音楽の感性に表現が合っていて、もう一回ちゃんと噛み締めて観たいなと思える見応えがある。とアニメーションも素晴らしいです。
声優も抜群で、山田裕貴感を強く残したままに、彼は紛れもなく宮本大だった。大になってやるぞ、みたいないやしさがない。あざとさがない。打算や計算高さは意外と人に伝わってしまうから、つくづくお芝居やる人って無邪気な人の適正が高いのだろうなと思います。雪祈も玉田も最後まで誰が演じてるのか全くわからないくらいキャラクターとイコールで、3人等しく素晴らしかったけど個人的にもう岡山天音さんにメロメロ。凄すぎ。大好き。
ベストの演奏シーンはコットンズでのピアノソロ。死ぬほどよかった。CDにも曲はあって最高だけど作中の演奏は別物です。アニメ映画を観ながら生ライブを聴いていた。そこにアニメーションで表現される奏者の感情が乗っかり、映画館で感じたことのない立体的な体験があった。これまでになかった表現に到達したかのような。
地に足がついて着実に進むストーリーラインに、良い意味で音楽によってタガが外され更にどこにでも飛んでいってしまいそうな作品に。理性的な物語と本物の振り切った感性の音楽とのバランスが抜群、且つ2の要素が一心同体にある。物語のために音楽があって、音楽のために物語がある。そう思える作品です。
全650件中、261~280件目を表示