さがすのレビュー・感想・評価
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なんか色々とエグい
街の雑踏とか…路地裏とか…佐藤二朗とか…汚らしくもあるが、同時に何処か懐かしく人情味に溢れた映像から物語は始まり…まさか、こんな結末を迎えるとは。
一時、ニュースで話題になったアレやコレ…社会の歪みが生み出した、いわゆる「猟奇的な事件」が題材として扱われており、それなりにえげつない映像も情け容赦なく描写されている。
物語は、人の業に導かれるように、闇に向かって突き進んで行く…
あまりにも暗すぎる題材だが、あえて暗く描きすぎず、飄々とした掛け合いや日常の景色を交えて描くことで、そこに存在するものの異様さがより生々しく浮き彫りになっていると感じた。
奥さんの心理描写や、殺人鬼の「本気で死にたいやつなんて…云々」といったセリフは心にくるものがあり、大いに考えさせられるものがあった。
我々、一般人の多くは、他者との繋がりの中で生活をしている。だから、誰かが不意に口にした「もう、死にたい」の言葉は、往々にして「まず、誰かに自分の境遇(気持ち)を分かって欲しい」という願いが込められた「救い」を求める言葉なのだ。要するに「何か救いがなければ、自分は死ぬしかありません、誰か助けて下さい」と言っているに他ならないのである。
ストーリーな大きな破綻は見受けられないし、足りないピースを想像するのも楽しい(娘はいつから気づいてたんだろうね…)、実によく出来た作品だと思うが、作中に吹き荒れる「性」と「強欲」の嵐に当てられて、なんか疲れちゃった。
映画作品としては面白い
尊厳死や自殺はについては、敢えて語りません。
(これが韓国映画だったり外国のものなら《向こう側》の話として受けとめられるが、不思議ですね、日本人が演じてるとよりリアルになって苦しさが増します)
作品としては面白い!主人公の女の子の視点で進むのかと思いきや…。最後、娘の視点に戻り親子の卓球シーンはとても印象的。歴史に残る名場面な気がする。
ディープな衝撃作(衝撃は激しめ)
卓球
あごは、壊れるものか、外れるものなのか
2022年2月11日
年末から注目していた映画。
『岬の兄妹』で好きにになった監督なので期待していました。
いつもガラガラのテアトル梅田が満席になっているところを初めて見ました。
■映画全体の感想
テーマもストーリーも良かったです。出演者の演技も最高でした。
序盤の「あごは、壊れるものんやない、外れるもんや」のセリフに心掴まれました。大阪人らしい会話。
ただ、構成はすこしびっくりしました。
原田楓視点、智原田視点、山内視点の3構成でしたが、なぜこの構成にしたのかは伝わりにくいなと思いました。
テーマは座間市の事件や市川市の英会話講師殺人事件などを連想させるものでした。クーラーボックスに入った死体は、やはりギョッとします。
『岬の兄妹』はテーマが分かりやすく、公共福祉が届かない最下層の貧困層という、観ている側も問題意識を持ちやすかったです。しかし、本作は、分かりやすいストーリーではあるが、なにを伝えたいのかは少しぼやけるように感じました。
生きることと死ぬことの意味や尊厳死を問うものなのだと思いますが、結局父親 智は山内に加担してなにを得たのか分かりにくかったです。
ただ、他の方のレビューにもありましたが、片山監督の、見たくないものを見せられている感覚は本作にも感じました。「生かされる」側の気持ちなんて、聞きたくないし、知りたくない、綺麗なものだけを見て、楽しい思い出しか残したくない、という私たちに、ストレートなパンチをしてきます。
また、西成の描き方も秀逸。よくある「大阪っぽい」「ケンミンショー」っぽい、ステレオタイプな大阪ではなく、わりとほんとの西成っぽい、ジメッとした描き方がリアルでした。
■キャストについて
佐藤二郎
初めて真面目な演技を見ました。
いつもコメディ寄りのでふざけた役が多いイメージですが、こんなダークな演技できるんやとびっくりしました。
また、関西出身でもないのにネイティヴばりの関西弁をマスターしていて感動しました。
大阪の汚いおっさんをものの見事に再現していて面白かったです。
伊藤蒼
朝ドラで出演していたらしいのですが、本作が初見でした。
大阪出身の方らしく、関西弁は完璧。関西弁は演技になると臭くなりがちですが、彼女の演技はとても自然でした。
量産型ではなく、良い意味で個性を感じる女優さんだと思いました。
■有料コンテンツについて
「それは有料コンテンツだね」
強烈な印象を残すセリフですね。
このセリフがないと、山内のサイコ感は半減していた気がします。
脚本すごい。
明日から自分も使っていこうと思います。
■あごは壊れるもんやない、外れるもんや
名言。
これを聞いて、「なに屁理屈言うとんねん」とばかりにカンカンを蹴飛ばす楓の演技も良い。
■最後のピンポン 「さがす」の意味
このシーンのためにある映画なんだと思いました。
深い意味なんてわからないですが、楓の「やっと見つけた、お父ちゃん」というセリフがこの映画のタイトルへの答えなのでしょう。
しかし、なんでお父ちゃんは、またTwitterを再開したのか、、、、、、、、、誰か教えて
自殺マシンのレンタルが始まる
誰かから問いかけられたら、その問いかけに対して必ず返事をしなくてはならないものだろうか。顔見知りからならまだしも、見知らぬ人間からの問いかけに、返事をする義務があるのか。
「聞こえとんなら返事せえ」と責める大阪の女子中学生は、返事をしない人間が許せないようである。東京の女子中学生だったらどうだろうか。「あの、ちょっと聞いてもいいですか?」くらいは必ず言うだろう。相手が無言だったら、諦めて「失礼しました」と、頭のひとつも下げるに違いない。
そういう訳で伊東蒼が演じる女子中学生の楓には少しも感情移入できなかった。しかし相手はサイコパスだ。対抗するにはこれくらい自分勝手なキャラクターが必要だったのかもしれない。
佐藤二朗が持ちネタみたいな顔芸や、同じ言葉を何度も繰り返すギャグを封印して、真面目に演技しているのがよかった。片山慎三監督の演出の賜物だろう。さすが「岬の兄妹」の監督さんだ。演出に隙がない。
「岬の兄妹」もテーマが重かったが、本作品はさらに重い。連続殺人犯の山内は「この病院に来る人は二種類いる。生きたいと思っている人と、周囲に無理矢理に生かされている人だ」と言う。
佐藤二朗が演じた原田智の妻はALSである。ALSで思い出すのは理論物理学のホーキング博士だ。車椅子で移動し、音声合成装置で話す。身体はまったく動かないが、頭脳はきわめて明晰で、宇宙の起源やブラックホールについてまで理論を展開する。
しかし進行の速さが遅かったホーキング博士は例外だ。大抵のALS患者は徐々に筋力が弱まって、何もできなくなることに絶望する。特に話すことができなくなって意思疎通が困難になると、絶望はいや増す。死にたくなるのも当然だ。しかしALS患者は自分で死ぬこともできない。手伝ってもらえばその人が自殺幇助の罪になる。助成金でまかなえるのは医療費だけで、24時間交代制のヘルパーなどは自腹となる。家族が24時間にわたって介護をするが、その負担はとてつもなく大きい。そして家族に負担をかけているという罪悪感が、さらに患者を絶望させる。
「死ぬ権利」という言葉がある。人が自殺する自由を認めるという意味である。これ以上生きたくないと決意したら、その人には死ぬ権利がある。その権利を認めれば、自殺幇助や医師による延命措置の停止が罪に問われなくなる。
自殺は旧約聖書の昔から禁止されている。いろいろ理由づけをする人はたくさんいるが、自殺が禁止されている根本的な理由はひとつしかない。自殺は共同体にとって不利益だからである。
家族で自営業を営む場合でも、浜で村人が共同して漁をする場合でも、人が次々に自殺してしまったら、働き手が少なくなる。家族という小さな共同体から国家という大きな共同体まで、その構成員の自殺は共同体にとって不利益なのだ。だから自殺を防ごうとする運動や組織がある。目的は共同体の維持なのだが、それについては何も触れない。そこには欺瞞がある。「こころの健康」という言葉にどこか胡散臭さがあるのは、自殺防止運動が欺瞞だからだ。
自殺者を罪に問えないから、自殺幇助した人間に罰を与える。自殺幇助罪がなくなったら、自殺屋ができるだろう。あるいは自殺マシンのレンタルが始まるかもしれない。それがいいことなのかどうかは言えないが、少なくとも通勤列車の遅延は劇的に減るに違いない。
神様、貧しい者ほど失う気がします
この映画を通して伝えたいものは何か。
色々考えさせられる。。。。
上映後の舞台挨拶付きで見てきました!監督と佐藤二朗さんのトークが面白く、映画の想いも聞けて良かったです。
本編は予想していたものと全然違ってて、監督の思い通りに作品はなったと思います。目が離せず気になって画面に見入ってました。私はホラー系やグロイ系が苦手なので、少し刺激がある場面はありましたがR指定ではないのでこういう感じなのかと思いました。
父と子の親子愛、命の選択が私にはこの映画で学んだ気がします。
とにかく3人が演技にハマっていました。上映後も余韻があり気になる点が何点もあり、夜寝る前に調べたり、一緒に見に行った主人と話すほどモヤモヤはしました。もう一度見返したいですがやっている映画館が少なすぎるのが残念です。
よくできた作品
君は天才子役伊東蒼の芝居を観たか
2022年映画館観賞6作品目
2月6日(日)チネラビィータ
監督と脚本は『田沼旅館の奇跡』やポン・ジュノ作品などで助監督を務めた片山慎三
グロい
フォークを武器に使うのは自分の記憶ではブッチャー以来だがそれでも目を攻撃することはない
テリーファンクは毎回毎回血塗れだが急所は外されている
待ち伏せなんてしないでさっさと逃げればいいのにあの行動は理解に苦しむが連続殺人犯に共感を求めること自体間違っているのかもしれない
自殺志願者の1人にパンツ一丁のヌードがあったが役者の名前はわからない
舞台は大阪
突然失踪した父を探す娘と連続殺人犯と共犯関係になってしまった父の転落劇
娘が探偵の真似事をするが最後の最後はやっぱり探偵モノ
なんやかんやで父と娘のハッピーエンドにならないところが良い
楓の父で肉体労働者の原田智に佐藤二朗
智の娘で中三の原田楓に伊東蒼
指名手配中の連続殺人犯で智になりすます山内照巳に清水尋也
自殺志願者のムクドリこと内藤あおいに森田望智
彼氏昇格を条件に楓に協力するクラスメート花山豊に石井正太朗
楓と豊の担任教師の蔵島みどりに松岡依都美
智の妻でルーゲーリック病に冒される自殺志願者の原田公子に成嶋瞳子
柑橘系農家の爺さんでAV蒐集家の馬渕に品川徹
今回の二朗さん笑い殆ど無し
伊東蒼の芝居がずば抜けていた
彼女の芝居を鑑賞するだけでもお金を払う価値がある
楓は父探しに協力する先生に罵声を浴びせたりマンションの手すりに食べたあとの容器を置いたりシスターの顔に唾を吐いたりと模範的な中学生とはいえない
それでも彼女なりの正義を貫いている
『おかえりモネ』でお天気コーナーのスタッフとして出演した森田と清水がまた共演
映画を観ることは殆ど無くテレビドラマしか観ない人たちにとって2人はあのイメージしかなくそれが残念でならない
見事な役作りのためかムクドリがあの森田と全く気づかなかった
それにしても馬淵の爺さんはいくらなんでも可哀想
山内は自殺志願者に協力する名目以外でも殺人をするただの変態だった
ラストは派手に鳴り響くサイレンだけで逮捕シーンはない
2人の卓球をするシーンから卓球の球が無くなる演出は何を意味しているのかよくわからないが親と娘のサヨナラを表現しているのか
ポン・ジュノ監督に多大な影響を受けた感はある
詰め込みすぎたようにも思います
家族で始まり家族で終わる
伊東蒼が良かった
中学生の原田楓は母が亡くなり、父と2人で暮らしていた。ある日、指名手配中の連続殺人犯を捕まえたら300万もらえる、と父が言って、その翌朝姿を消した。警察から大人の失踪は・・・と相手にされず、楓は一人で父の行方を捜していた。やがて、日雇い現場の作業員に父の名前を見つけたが、その人物は父とは違い、知らない若い男だった。がっかりしていた時、無造作に貼りだされていた連続殺人犯の指名手配チラシが目に入った。そこには、日雇い現場で出会った、あの若い男の顔があった。さてどうなる、という話。
父親が主人公のようで、実は娘が全て知ってました、ってオチなのかな。だとしたら怖いね。
娘役の伊東蒼が良かった。卓球も形になってたからホントに上手いのかも。
雑さ含め"韓国"を感じる
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