ある男のレビュー・感想・評価
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本人が知られたくなかったんやから死んでから調べんとってくれる?
戸籍を買って別人になって横浜から宮崎に移り住んでかなり幸せな生活を送り始めるのだけれど数年しか続かず突発的な事故で死んでしまってそれでおしまいで良かったのだがそれではドラマにならず・・・一体ほんとは誰やったんやと、誰が何故に別人になりすましたんですかと、故人が絶対知られたくなかったであろうことを根掘り葉掘りおせっかいなことに調べつくしてどうしたいのどうしてくれんの?脛に傷持つ身というのがある高倉健さんが倍賞千恵子と出会うのもそれだ。前科持ちでも刑期を終えて出てきているのだから隠す必要は無いはずなのだが世間の目というやつ。「世間てなんやねん。その世間一般というやつをここへ連れて来い!」という名台詞もあったことだがましてや出自の秘密というやつ。どこで生まれようがどんな両親から生まれようがそれが何か?私に選択の余地はナッシングでそれによって差別するような輩は銀河系の果てまで飛んできゃいいのに。安藤サクラという役者がうますぎて石川慶監督がワンショットでゆっくりズームインというあまりにも前時代的なカメラワークで見せたくなる所以。
その人の辛さや苦しさはその人にしかわからない
二世三世の受難如何程?と想い巡らす内に幕。 悪いが、気にし過ぎじゃ...
いわゆる「カンヌに出しますよー!」という系譜の作品としては近年では...
なんか色っぽい安藤さくら、ほれてまうやろー。
社会派とは
こういうのみたかった。背景として社会問題を扱いつつ、主張するわけでなく、でもきちんと心に残る描き方。
自我、国籍、戸籍、血脈、日常の差別、社会的な差別、死刑制度、犯罪者家族など、考えさせる要素はたくさん。
柄本明の芝居がかった演技をする芝居はやっぱりすごくて、対峙する妻夫木も大変だっただろうな。こんなに骨のある役者になっていたなんて。
真木よう子は優しいのか優しくないのか…。なんで結婚したのかな2人は。
真木よう子は両親の差別的な言動に苦笑いするだけだけど、スナックの子は店長にちゃんと反論するのがいい。いつも俯いて笑うだけだった妻夫木もハッとするんだよね。
大祐とは出会いから家族になるまでが腑に落ちる。子どももいい子だ。
血筋や家系に否定的な気分なので、こういう形の映画は新鮮で面白かった。逃れられない血筋への意識と、それを超えてつながる親子がいる現実。
私も今を捨てて別の人間として、やり直したい。
過去は変えられるのだよ、偽造として。
自分を捨てたくなる時って、切ない…。
好きな作家 平野啓一郎さんの原作で、観たい俳優 妻夫木聡さんの出演作、楽しみにしていた。
仕事帰りのレイトショーは大きなスクリーンに私も含め観客は3人だけで、内容と同じ冷え冷えした静かな空間が落ち着いた。
最初から引き込まれて、妻夫木さんの視点で鑑賞。
窪田さんの出演作は初めて観たけれど、メンタルしんどい役だなと感じた。
ここしか居場所がないと思っちゃうと、袋小路に入る。
家族や周りの人たちから嫌われないように、自分を抑えて、我慢しなきゃと思い込んでしまう。
ホントは、そんなことないのになあ…。
不愉快なことを言われたら、やめてと言う。
希望があれば、こうして欲しいとお願いする。
きき入れてもらえないなら、そこから、その人から離れてみる。
その気になれば、世界中、どこにでも、自分の居場所はあると信じてみる。
死ぬまで付き合うのは、自分だけ。
家族ですら、人生の一部でしかない。
なら、最大限、自分を尊重してわがままに生きていい。
間違えたら、謝って修正したらいい。
色々な体験をして、優しい自分も、ずるい自分も、怒り狂う自分も、情けない自分も、失敗しながら受け入れていけばいい。
だからどうか、自分を捨てないでと祈る。
妻夫木君が、ラストシーン、なんと名乗ったのかすごく気になった。
私なら・・・。
楽しくて仕方なかった。(楽しいストーリーじゃないけどね)
時代にマッチしてる。すごく面白い。
面白かったなあ。
特に窪田正孝さん、深みのある演技というと欠かせないのでは。恥じらいとかそういうリアルな感情がこの人からは細やかに感じられる。
朝ドラのエールでもだけど、悶え苦しみ泣くシーンは秀逸。民放ドラマとかじゃ物足りないのでは?と思っていたら、こんなに深みのある演技を要求される映画には適役としか言いようがない。
優しいひと、というところが本当にリアルに思えるからね。
いろんな、その人それぞれの過去、背景、国籍、学歴…
みんな自分が望むものでないものも背負って生まれて生きている。
そうした肩書きや、情報や、評価や、果ては言葉や目に見えるもの、当たり前かもですが、それに頼って生きてる。
そして苦しむ人も。
なりすましが多い現代社会だし。人が自分ですって証明できるものって顔とかいじったらもう無いわけで怖くなりますが。
でも自分がシンプルに行き着いたものは、
結局、信じるものは自分の感じたものだけ。
やはり何を自分が信じて、幸せと感じるか
自分の内証に、自分の声に従うしかない。
自分の中に誰もが絶対ってものはあるから。
間違うことでまたお勉強して
自分の行きたい方向に向かえるものを自分で見極める。
そうした智慧を磨いていくしかないのかな。見える何かに従いたければそれもそれで生き方のひとつだけど
時に簡単にそれが崩れる時があるから。
安藤サクラの、里枝が、「知らなくても良かったのかも」と言ったことが全てなのかもしれないと思いました。
でも、知らないと不安になるから正しかったという裏付けはやはり求めてしまうけどね。
センセイは、何もわかってないんじゃないですか?
普通の仮面を持っている事の有り難さ
私は某国が大キライです。
こう言うと、私は差別主義者のレッテルを貼られるかも知れませんね?
キライになった理由も、事情もあるけど、キレイな一般常識社会は其処を考慮しない。
だから外見や、出身や、経歴、立場で人を差別しません。って常識という仮面を被ってる。普通のヒトで。
酷い過去のある方なら尚更、仮面が必要。
その人が何者であるかより
どんな人で、どんな性格かは
肩書きの仮面では分からない。
分からないから怖い。
だから様々な印象を判断材料として
人を視て判断しないといけない。
安全かそうで無いかは重要だから。
イケメンのヒトは良いように見られ易い。
無愛想なヒトは不気味に見える。
話して付き合っていっても解らないのにね。
良い仮面が欲しい人は沢山いるよなー。
そんな事を考えさせられた映画です。
無題
重く深いテーマを娯楽作品として見事に構築した面白い作品でした。
映画サイトも高評価が多いのだけれど、評論やレビューを読んでも具体的にこのドラマの何処が良かったのかを言及している書き込みは極端に少なく、言語化するのが難しい作品だったのかも知れません。ベースが推理サスペンス形式のドラマだったので、物語に引き込まれ面白く感じただけの人も多くいたでしょうしね。
“自分の過去を消し去りたい”というというモチーフで、私は今の日本の社会問題である“宗教2世問題”を想起しましたが、他にも“加害者家族”“前科者”や“犯罪被害者への二次的被害”等々、一度過去を全て消し去りリセットしたいというモチーフは、面白い作品が非常に多くある気がします。
その理由は何故か?なのですが、本作では柄本明の役(レクター博士の役割)がその象徴であり、いわゆる現実の人間社会は“性悪説”で成り立っているという事なのでしょう。
だからこそ更に“善”の部分が美しく感じるという事なのだと思います。
安藤サクラの演技が光る。
偽らないと生きられない人がいる
自分を偽らないと生きられない人間がいる。
城戸の強い叫びがずっと頭で反芻している。
その人の存在、幸せだった時間どれが事実で人を救うのか考え続けてしまう映画だった。
本作は人のアイデンティティを問う作品でその人となりどう生きたかまでが分かるほど人物の解像度が高く、迷い込んでしまった。
何と言ってもキャスト陣の掛け合いは凄まじく、窪田正孝の絶望、狂気、壊れてしまいそうなほどの脆さと穏やかさ全てが入り混じった演技は本作のMVPだったと思う。
本作の主演である妻夫木聡の哀愁、何かに囚われ続けている表情がこの映画の雰囲気を作り上げていた。
決壊した時の凄まじさが彼にしか出せない迫力だった。
柄本明の悩み続ける城戸を常におちょくり、深い闇に誘う怪演はこの映画のハイライドだと思った。
出てくるだけで凄みがあって、一気に引き締まってた。
血のつながり、その人自身のアイデンティティ、実際に過ごした時間どれが人を表せるのか最初から最後まで全編通して見る人に訴えかけられた気がした。
理解はできないけど
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