死刑にいたる病のレビュー・感想・評価
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後半の続きは原作では明かされてるが、映画では明かされず。 原作の映...
後半の続きは原作では明かされてるが、映画では明かされず。
原作の映像化が上手い
阿部サダヲのキャスティングが素晴らしい。美術もさながら、照明まで、サスペンスで恐ろしさを表すのに最大限に全てを使っている。
ただ、小説では分かることが映像化すると分からない部分あり。
阿部サダヲのサイキックな眼差しに吸い寄せられる
「孤狼の血」の白石和彌監督お得意のスリラー作品。阿部サダヲ演じる史上最悪の連続殺人鬼の鳥肌が立つほど異様な生きざまがスリリングに描かれていて、割と現実でもありそうな印象の強い映画でした。特に、阿部サダヲのサイコパスな演技がすごくて、あれほどの怪演を見せられる彼の表現力に脱帽です。
それにしても、あの瞳は何なのでしょう。目の色彩は完全に失われ、見れば見るほど引き込まれてしまいます。本当のサイコパスもああいった目をしているのでしょうか...。拘置所に身を置く連続殺人鬼・榛村と、彼から手紙を受け取って事件を調べ始める大学生・雅也との面会のやり取りは静かで淡々としていますが、それすらも異様な光景として目に映ってしまいます。作品の雰囲気として、そういった部分を際立たせているのでしょう。そして、事件の真相を追えば追うほど、一度入ったら抜け出せない沼へと誘われてしまう、スリリングな展開は僕はすごく好きです。目を覆いたくなるけど、作品そのものがそれを許しません。サイコパスを存分に味わわなければならないような感覚を覚えました。
見るのを少々ためらってしまうけど、何だか見たくなるこういった作品が今後もどんどん増えていって欲しいですね。
阿部の拷問シーンは観るに堪えなかった。 PG12どころではなかった...
死刑にいたる病
原作との相違点はかなりある。特に…
本作の最大の魅力は殺人鬼役を務める阿部サダヲでしょう。
彼の演技はとても凄いです。
この映画の7割ぐらいは彼の演技力に持っていかれています。
ですが、この映画の問題点も阿部サダヲにあります。なぜなら原作では殺人鬼は超絶なイケメン設定だったからです。
原作では超絶なイケメンだったからこそ、誰も警戒せず、被害者さえ心を許し、惹かれ、24人も殺害できたという設定です。
なので映画版の阿部サダヲさんでは普通に怪しい人間ですし、速攻で逮捕されそうにしか見えません。
…この映画を見た方ちょっと想像してください。もしこの映画の犯人役が超絶イケメン俳優だったらどうなるか?
…どうです?
全然違う映画になりませんか?主人公たちがどんどん犯人に心を奪われていく様子がすんなり理解できませんか?
…それが原作なのです。全く映画とは異なります。
阿部サダヲさんの演技自体は素晴らしいので文句が言いずらいのですが、原作とは根本的に作り変えられています。
映画の彼が突然、体を触ってきたらちょっと気持ち悪いです。
映画だけ見た方は「なぜこんな怪しい奴が24人も殺して誰も気付かなかったんだ?」と疑問に持ちませんでした?
あれは原作ではあまりにもイケメン過ぎて周りが彼をかばっていた設定があるからなんですよ。
ちなみに映画のラストと原作のラストも全く違います。
個人的には映画のラストが凄く良かった。だけど映画のラストに納得できない方は原作も読んでください。
彼女はああなりませんので…。むしろ彼女は原作では空気です。
その代わり別の人物が…
想像とは違った
映像でのグロテスクな描写がなければもっと高評価になる作品
好きか嫌いかで言われればグロテスクな描写があり嫌いな方ではあるものの引き込まれる部分もあった。主演の阿部さんはこのような重い作品のイメージがなく、意外ではあったが異様な役柄を違和感なく演じきっており、改めて演技力の高さを感じた。岡田さんも同年代の俳優とは少し違う雰囲気を持ちつつ、経験が少ないながら上手い役者というイメージであったが、今作で非常に高い演技力を感じ、これからが一段と楽しみな役者になった。岩田さんは今までのイメージとかなり違い、台詞が少ないながらこのような役柄を上手く演じたように思った。これらの点と全編通して静かな事、裁判や面会シーンのリアルさ、中盤からの内容には引き込まれる部分があり、ペットセメタリーぶりの吐き気がして観るのを止めようかと思うほどの冒頭のグロテスクシーンでの低評価(ここまでだけなら☆0.5)を押し上げての☆1.5に近い☆2.0
この異常ぶりをグロテスクに映像で表す必要性は正直ないとは思うし、その方が多くの観客に異常者の心理を客観的に見せる事で社会派作品になるのではないかとは思う(そういう演出であれば☆3.5以上つけたかもしれない)が、原作もなのかこの映画の演出がなのかあくまでダークエンターテイメントにしている感じなので、私の好みとは違う方向性で作られたのだろうと理解する。
一点その描写はいるのか?と思う所があったが、なるほど無くても良いがもう一要素足す意味だったのかと思った。
視聴後すぐにレビューすれば良かったとつくづく思わせられる作品。 な...
面会室のアクリル板にうっすら映し出されるふたりの顔
ある大学生・雅也のもとに届いた一通の手紙。それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村からだった。「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」。過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村の願いを聞き入れ、事件を独自に調べ始めた雅也。しかし、そこには想像を超える残酷な事件の真相があった―(公式サイトより)。
原作は「イヤミス(読後、嫌な気持ちになるミステリー)」に分類されたというが、本作も後味は悪い。しかし、後味の悪さはだいたい、わたしたちが普段、蓋をしているなにかが描かれていることに由来する。
例えばそれは、大人になっても抜け出すことが難しい生育環境の影響であったり、成長の過程で自己が肯定される喜びを逆手に取った洗脳だったり、結局のところ、自分は何者でもないのだという空虚感だったりする。阿部サダヲ演じるシリアルキラー・榛村(はいむら)は、自分が生きるために「必要」と位置づけ、これらを駆使し、悪行を繰り返す。
印象的だったのが、本作でメインともいえるほどたびたび登場する榛村と雅也の面会室でのシーン。ふたりを仕切るアクリル板に双方の顔がうっすら映し出される演出が多用されている。例えば、ロードムービーの金字塔「パリ、テキサス」では、拘置所の面会室のような小部屋で裸を晒す戯女として働く失踪した妻と、彼女を探し当てた夫がアクリル板越しに電話で話す場面があるが、そこにうっすら映し出される双方の顔は反対を向いていた(はず)。
長く分かり合えなかったふたりを表す象徴的なシーンだが、本作では榛村と雅也はアクリル板越しに同じ方向を向いているように映し出されている。Fラン大学に通う何者でもない雅也が一時的に、榛村に傾倒しかかったようなタームとの符号を思わせ、白石監督のきめ細かな演出が光った。
阿部サダヲの狂人っぷり、水上恒司の小声っぷりは言わずもがな好演だったが、本作で初めて知った宮崎優は良い俳優になりそうな気配がした。
毎度ミステリーにありがちな・・・
見当違いなレビューだと承知しています
高校2年生〜大学4年生までデンマークの哲学者であるセーレン・オービエ・キルケゴールの研究をしていました。
彼の最も有名な著書はおそらく、死に至る病だと思います。
日常生活でキルケゴールに触れられることは滅多にないのでこの映画のタイトルを見て、大好きなキルケゴールに少しでも関係があるかと期待してみましたが無関係でした。
キルケゴールのいうところの死に至る病は絶望です。
彼にとって絶望は罪でもありましたが、シリアルキラーが死刑になることとは全くもって異なります。
ざんねんでした。
映画としてはゾクゾクして面白い部分も多かったです。
私と同じようにキルケゴールが好きで映画をみようと考えている人もいるかもしれませんので、レビューに残しました。
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