余命10年のレビュー・感想・評価
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普通の人生がどれほど幸せか
年号を追っているわりには、コロナ渦はないのだなと、ちょっとしたツッコミを入れてみたいです。
好きな人が出来て、楽しい日々を過ごし、時には喧嘩して別れの危機があったり。結婚して子どもが生まれ、子どもに育てられて親になり、そんな普通の人生が、どんなに幸せな事かを改めて感じる映画でした。
映画のストーリーは、一直線に主人公の死に向かって行きます。心が元気でないと、耐えきれません。
寿命を知る若者のストーリーですから、大体は想像がつきます。想像どおりに映画は進み、終わりを迎えますが、それでも見て良かったな思える映画でした。
ありきたりな難病恋愛映画かと思いきや…
何度か映画館で予告編を観て「小松菜奈さんが出るなら観よう」と思っていた本作。私個人的には人の死で涙を誘う系の映画は苦手なので楽しめるか不安だったんですけど、公開初日に鑑賞した映画ファンからの評価が軒並み高かったので結構期待しての鑑賞です。
結論ですが、非常に楽しめました。
てっきり「ヒロイン死んじゃう悲しい」っていうありがちな映画かと思いきや、タイトルの通り「死」よりも「余命」にフォーカスした作品でしたね。残りの時間を誰とどのように過ごすかということに重点を置いた描写が多く、尚且つ細かな演出や原作からの改変や脚本が上手で、しっかり深くて考えさせられて興味深い映画でした。
鑑賞後に調べて知ったのですが、原作者の小坂流加さんは2017年に本作の主人公である茉莉と同じ病気で亡くなっているんですね。『余命10年』という作品は治療法が確立されていない原因不明の難病になった小坂さんが「限られた命で、こういう風に生きたい」という願いがこもった半自伝的小説だそうです。さらに、本作を映画化するにあたって藤井道人監督は小坂さんのご両親などにインタビューされたそうで、本当にこだわりを持って作られた映画です。だからこそリアリティと強いメッセージ性。しっかりとした作りの映画でした。
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数万人に一人という原因不明の難病になり、「10年生きるのは難しい」と余命宣告を受けた20歳の高林茉莉(小松菜奈)。病院での療養を終えて日常に戻った彼女は「恋愛だけはしない」と心に決めていた。ある日地元の中学校の同窓会の案内が届き、自分の病気のことは隠して参加することにした彼女は、中学の同級生である真部和人(坂口健太郎)と再会する。
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本作の素晴らしいところは、原作からの大幅な改変です。
映画鑑賞後に調べて知ったのですが、本作は根幹となる設定以外の部分に改変が加えられています。原作ファンの中には怒る方が出てもおかしくないレベルの大幅な改変です。ただ、あくまでも原作未読の観客の意見ではありますが、この改変は映画の面白さを引き出しているように感じました。
原作の茉莉は残された時間を楽しむためにコスプレしたり同人誌を発売したりするなどのサブカル活動を行うのに対して、映画では小説やコラムの執筆活動を行います。また坂口健太郎さん演じる和人も、原作においては文武両道で家柄も良い完璧な男性像として描かれています。更に時代設定もそ現代に変更されています。
これらの改変は、よりこの物語に現実味を持たせるのに一役買っているように感じました。映画の主人公の茉莉は「高校時代に小説の新人賞を受賞した」「自身を題材とした小説を書いた」という設定になっています。これは原作者である小坂さんをモチーフにしてますね。
原作小説は、自身と同じ難病に悩む女性を主人公を据えた自伝小説的要素と、「こういう恋愛をしたかった」という妄想恋愛小説的な要素が混ざった作品ですので、多分そのまま映像化しちゃうとありきたりなティーン女子向け難病モノ恋愛映画になってしまったと思います。原作のフィクション部分を現実の小坂さんに寄せて大幅改変したことに関しては、(原作未読の立場からすれば)大成功だったと断言できます。
家族描写も素晴らしかった。
劇中で余命宣告を受けた茉莉とその家族との関係についても深く描かれていたんですが、実は原作はここまで家族の描写は多くないそうです。調べてみると監督の藤井道人さんは原作者の小坂流加さんの遺族へインタビューをしており、映画での家族描写を追加したとのこと。この描写が本当に良かった。家族の描写がしっかり描かれていることで、「先立つ方と残される方、どっちが可哀想なんだろうね」という劇中の台詞がグサリと心に突き刺さるわけです。
映像がとにかく美しかった。
桜咲く春のシーン、空と海のコントラストが美しい夏のシーン、木々が暖色系に色づく温かみのある秋のシーン、一面に白銀が広がる冬のシーン。どのシーンも映像が非常に素晴らしかった。
通常映画は決められた短い期間で撮影することが多いんですが、本作は一年を通して映画を撮影していったとのこと。映画の撮影期間が長くなるほど演者へのギャラや撮影に伴うスタッフへのギャラが嵩んでしまって製作費が増えてしまうので撮影期間が長いのはあまり好まれないんですけど、本作は四季の美しい風景を実際の映像に収められることや、小松菜奈さんが病気によって痩せてゆく茉莉の様子を実際に一年の時間を掛けて肉体作りをして見せることで、作品の質が間違いなく向上したと思います。
今、映画館でどの映画を観るか迷っているなら、間違いなく本作を観るべきだと思います。それくらい素晴らしかったです。オススメです!
新海誠かよ
不治の病という、ありがちなテーマだが、期待をはるかに超える、美しい作品に仕上がっている。
春にピッタリの感動作
原作未読
予告編を見て面白そうだと思ったのと、
好きな役者さんたちが出演してる事が鑑賞の決め手です。
自分は難病モノがあまり好きではなく、
泣けるかな?と思ったけど見事に期待を裏切られた!
後半は涙腺崩壊するシーンが多く、台所で主人公の茉莉が母親に「死にたくない」と涙ながらに訴えるシーンや病気の進行により、どんどんやつれていく茉莉の姿は涙が出っぱなしでした。
鑑賞後、普通の日常がいかにありがたく幸せなのかを考えさせられました。
一日一日を大事に過ごしたいなと思います。
ハンカチとマスクの替えは必須です。
とっても共感しました
泣きました
そんなのずるいよ
4回くらい泣いた、笑
ストーリーとしては想定内だけど、なんかもうせつないですなぁ。。亡くなることがわかってる中で頑張って強く生きる姿と、それを周りで見守らなければいけない家族、そんな子を愛した男。みんなの気持ちが苦しくてせつない。
10年の中で描かれる色々な小松菜奈と、さまざまな日本の四季を感じさせてくれる映像がとても綺麗でした。
安心感抜群のキャストでしたね。誰もが主役はれるメンバーばかりで素敵だった。小松菜奈はもちろん、坂口健太郎の子犬っぽいかわいさからの男らしい成長。黒木華や奈緒とかの涙もろもろ安定感抜群でしたー。山田裕貴にもうちょい活躍の場を与えて欲しかったなぁ。原日出子、松重豊、リリーフランキーなどの世代もほんとにあったかい雰囲気でみんな素敵でした。
ちゃんと生きないとな。
新記録達成
一人一人の言葉が響くハンカチ必須の物語
良かった点、悪かった点
良かった点
主役の小松菜奈さんの
苦しさと悲しさをオーバー過ぎず表現した演技
家族
父親役の重松豊さん
母親役の原日出子さん
姉役の黒木華さん
の主人公を見守るそれぞれの気持ちが分かる演技
友人役の山田裕貴さん、奈緒さん
特に黒木華さんの演技には感動すら覚えた。
悪かった点
相手役を坂口健太郎さんのようなイケメン過ぎる俳優にキャスティングした事。
役と彼の雰囲気に対する違和感が最後まで付きまとった。
(坂口さんファンの皆さんこれは坂口さんに対する悪口ではありません、あくまでもキャスティングした人に対しての言葉ですのであしからず。)
綺麗
もっと生きたい
事前のあらすじを読んだだけで、既に号泣間違い無しな内容でしたが、想定通りでした。
一番切なくなったのは、和人との最後の思い出旅行を過ごし、別れを告げて(「これ以上、一緒に居ると死ぬのが恐くなる、死ぬ準備をしなきゃ」と・・・)自宅に戻ってきた茉莉が母親に「わたし、もっと生きたい!」と泣きじゃくる場面。強く強く生きてきた茉莉がせっかく生きる意味を見つけたのに・・・と、完全に涙腺崩壊。
そして最後の場面・演出も感動でした。
終活としてビデオカメラの映像・思い出を1つずつ削除していく茉莉。(冒頭の場面で亡くなった方も最後にビデオカメラで思い出の映像を見ていたっけ。)そして最後に観たのが、和人を最初にビデオカメラで撮影した場面で伝えた言葉だった。
「私も”頑張る”から、もう死にたいなんて言わないでください」
これを削除しようとしながらも削除する踏ん切りがつかず(もっと生きたい!と)、そのまま昏睡状態に。そこから和人が最後に会いに来て伝えた言葉が、
「”頑張った”ね、”頑張った”ね」
生ききった茉莉。
ここでの走馬灯の演出では、過去の思い出ではなく、未来を見せていたのが素晴らしかった。短くても完全に生ききった茉莉が未来を想像して亡くなっていったことに救われた気がした。
死のうとしていた和人の生きる希望になった茉莉。茉莉が生きた証となった和人。
茉莉は本としてその証を残し、和人は念願の自分の店名として茉莉を残した。
悲しいけど、短いけど、生ききった、素敵すぎる物語でした。
当事者か、残される側かどちらが幸せなのか
原作とは似て非なり。
3年ほど前本屋でふと目に入ってなんとなく買って読んでみた。結果、視界が歪むほど大号泣した。絶対映像化されるだろうと思った。そしていよいよキャストも発表になり、小松菜奈のコスプレや坂口健太郎の和装に期待しながら公開を迎えた。これはヴィジュアル的に見たいというのもあるけど、原作においては2人の設定上大切なポイントです。でもそんなシーンなかった。印象的だった場面や出来事がことごとくなくて、もはや原作とは別物のように感じた。
だいたい2人のキャラがだいぶイメージと違う。これは茉莉と和人の物語なのに和人の要素が薄過ぎる。家との確執とかすっ飛ばしてるやん。いや、いや。商業化し過ぎで正直残念。リリーフランキーありきなのか焼き鳥屋とかいらんかったわ。
RADのファンってこともあり、音楽は最高でした。20代の女性が余命10年を宣告されるなんて残酷ですよ。たまんないです。「死ぬ準備はできた」と言えるようになるまでどれ程の絶望や葛藤があったのか到底計り知れない。精一杯生と死に向き合った小坂流加さんの魂を込めた大切な作品なのでもっと原作に寄り添ってほしかったな。
全然もう一回見に行ける
映像が綺麗
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