ヴォイジャー

劇場公開日:

ヴォイジャー

解説

宇宙船という閉ざされた空間で成長していく若者たちの狂乱を描いたSFドラマ。地球温暖化による飢饉が人類を襲い、居住可能な新たな惑星への探査隊の派遣計画が遂行される。航行期間86年におよび、訓練を受けた30人の子どもたちが船内で成長して子孫を残し、彼らの孫の世代が惑星に到達する。子どもたちは教官のリチャードに従順に従い、航行は順調かに思えた。しかし10年の時が流れ、毎日飲む薬によって人間としての欲望が抑制されていることを知ったクリストファーとザックをはじめとした若者たちは、そのことに反発して本能の赴くままに行動するようになる。そして、ある事件をきっかけに船内の統制が崩壊していく。「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダンがクリストファー役を演じるほか、リリー=ローズ・デップ、フィオン・ホワイトヘッドら注目の若手俳優がそろい、教官リチャード役はコリン・ファレルが務めた。監督は「ダイバージェント」のニール・バーガー。

2021年製作/108分/G/アメリカ・チェコ・ルーマニア・イギリス合作
原題または英題:Voyagers
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2022年3月25日

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映画レビュー

3.0宇宙船内の「蠅の王」。試みは良い

2022年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

序盤、太陽系外惑星への植民団として子供たちが宇宙船で旅立ち、10年経過して青年期になったあたりで、性衝動とかどうするのだろう、もし避けて話を進めるなら嘘っぽくなるな…と心配したが、じきに本能的な欲求を抑制する薬のくだりになり、一安心した。

隔絶された環境に置かれた若者だけの集団が共同生活を送るうち、やがて暴力によって集団を支配しようとする者が現れる…という大筋について、監督・脚本のニール・バーガーはプレス資料の中では特に言及していないものの、明らかに英作家ウィリアム・ゴールディングの1954年の小説「蠅の王」(映画化も2度された)からの借用だろう。

それとは別に、1980年代のBBCで放送されたJames Folletのラジオ劇「Earthsearch」の関連を指摘する意見も目にした。もちろん聴いたことはないが、英語版Wikipediaの情報によると、系外惑星への植民ミッションから地球に戻る数世代目の若者らが、性欲抑制剤のようなものを投与されているという要素が、本作と共通するようだ。

おそらく予算的な事情のせいだと察するが、タイ・シェリダン演じる主人公クリストファー、独裁者になろうとするザック(フィオン・ホワイトヘッド)、ヒロイン的な役どころのリリー=ローズ・デップ、この3人以外はほとんど個性のあるキャラクターとして描かれておらず、どっち側につくかで葛藤したりとか、背景の情報もほとんどないので、途中で死んでいったりしても感情移入しづらい。30人なんて大所帯ではなくずっと少ない乗員数にして、サブキャラたちの描写にも尺を割いていたら、人間ドラマの要素が改善されたのではないか。

宇宙船内の重力や、エアロックが破壊されたときの状況など、科学的な正確性に欠ける描写もいくつかあった。脚本をよく練ってSF的な細部や人物描写を丁寧に描いていたら良くなったはずなのに、惜しい。

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高森 郁哉

3.0蠅の王

2024年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

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レント

2.5藤子不二雄Fさんには及ばず

2024年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

よくあるネタですが、思考実験的にもそうはならんやろ、なところが満載でストレスが溜まりました。
本ミッションはバックアッププランが皆無だし、あんだけの設備あるなら、こんな事態もマニュアル化されてるやろ
特に、あんなエイリアンのくだりで丸め込まれるって、いくら子供とはいえ、あれは無いわぁ。武器見つけた時点で取り合いになるし、あんなリーダーに従うわけないわな
無人島でやるほうが、まだリアリティある

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TK

1.5SFとは言えない

2023年12月29日
PCから投稿

冒頭の地球温暖化による云々という説明で、胡散臭い映画だと思ったが、
案の定、移住可能な惑星を探査する目的で子供たちを宇宙船に閉じ込めて
2世代の恒星間航行を強いる。と来た。

まず、こんな非人道的な事を計画は 人々に支持されるはずがない。
指示されなければ莫大な費用をかけられるはずがない。
もしも地球滅亡のカウントダウンが始まっていて 切羽詰まった状態なら、
探査計画が人々の支持を集められるかもしれないが、逆に志願者はいくらでも
出てくるはず。ここら辺の基点が狂っている。

バカげた発想で観るのをやめようと思ったが、飛ばして内容を確認すると
1.薬物で性欲などを麻痺させていたのが乗員(青年)たちにバレる。
2.薬物接種をボイコットする者が現れる。
3.本能の赴くまま行動したいという連中が暴走する。
4.監視者を殺害、嘘の情報を流して他の乗組員の恐怖を煽り、独裁者となる。
5.独裁者が倒されて、平穏に戻る。
こんな感じだった。

1.の薬物投与はやり過ぎだろう。
閉鎖された宇宙船で無秩序な妊娠を避ける必要があるのは解るが、
正しい知識があれば実現可能なのに、なぜ薬物を使う必要があるのか。
映画中では薬物は「毒素」と表現されている。植物にも忌避される物質らしい。
そんなもの、限られた船内で処理するのは負担でしかない。
薬物は、探査の実現に手段を択ばない地球を象徴するものなんだろう。
でも、この強引な設定はSFじゃない。

加えて言えば、地球温暖化という国際政治的ブームを 地球滅亡と直結して考える
映画制作側の頭の悪さ、イメージの貧しさにも閉口する。
縄文時代は文明も火力発電も無かったが、今より暖かったことが分かっている。
地球の長い歴史の中では、この温暖化も単なる温度変化に過ぎない。
この点でも映画のの出発点が間違っている。

この映画はSFじゃない。

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ビン棒