Ribbon

劇場公開日:2022年2月25日

解説・あらすじ

YouTubeで配信された映画「おちをつけなんせ」で監督デビューした女優のんが、劇場公開の長編映画で初メガホンをとり、自ら主演・脚本も務めた青春ドラマ。コロナ禍の2020年。美大生のいつかは大学の卒業制作展が中止となり、1年かけて制作した作品を持ち帰ることに。様々な感情が渦巻いて何も手につかない彼女は、心配してくれる両親とも衝突してしまう。妹のまいもコロナに過剰反応し、普段は冷静な親友の平井も苛立ちを募らせている。そんな中、絵を描くことに夢中になるきっかけをくれた田中との再会や、平井との本音の衝突によって心を動かされたいつかは、自分の未来を切り開くため立ち上がる。「シン・ゴジラ」の監督・特技監督の樋口真嗣と准監督・特技統括の尾上克郎が特撮チームとして参加し、主人公の様々な感情の流れをカラフルなリボンで表現した。

2021年製作/115分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント
劇場公開日:2022年2月25日

スタッフ・キャスト

監督
のん
脚本
のん
企画
のん
特撮
樋口真嗣
特撮プロデューサー
尾上克郎
製作統括
福田淳
エグゼクティブプロデューサー
宮川朋之
クリエイティブ スーパーバイザー
神崎将臣
滝沢充子
プロデューサー
中林千賀子
撮影
彦坂みさき
照明
岡元みゆき
録音
佐藤里佳
原川慎平
美術
福田宣
清田楓菜
装飾
田中智寿子
Ribbom Art
renamiyu
衣装
小磯和代
スタイリスト
町野泉美
メイク
渡辺順子
VFXスーパーバイザー
蟻坂歩美
VFXコンポジダー
護摩堂雅子
カラリスト
廣瀬亮一
音楽
ひぐちけい
主題歌
サンボマスター
スクリプター
押田智子
助監督
遠藤圭悟
スチール
菊池修
宣伝ビジュアルデザイン
直井忠英
松井亜里沙
メイク(宣伝ビジュアル)
菅野史絵
アシスタントプロデューサー
鈴木那奈
制作管理
福永真里
制作担当
村上麻里子
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(C)「Ribbon」フィルムパートナーズ

映画レビュー

3.5 確かなビジョンが感じられる、「のん」の長編デビュー作

2022年3月31日
PCから投稿

まだ能年玲奈と書きたい気持ちはあるが、がんばって「のん」と書こう。いずれにせよ、この人の表現力にはこれまでも瞠目させられてきたが、今回は長編初監督であり、脚本や編集も務めているという。いささか気恥ずかしくなってしまう部分もあるにはあるが、ひとつひとつのシーンに対して、ちゃんと時間をかけようという意思が感じられて、この監督には確かなビジョンがあるのだなと思わせられる。その点において、将来有望な新人監督の長編デビュー作として、ちゃんと日本映画の歴史の中で記憶されておいて欲しいと思う。そして親友役の山下リオは、思えば「あまちゃん」のGMT47仲間であり、こういう繋がりが信頼につながっていることも好感度高い。そして、そういう仲間の輪から飛び出した時に「のん」が何をやってくれるのかにも期待しています。

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村山章

3.5 主演・脚本・監督「のん」による初の長編映画。出来は良いので、見られる機会のある人は是非見てほしい作品。

2022年2月25日
PCから投稿

正直なところ「主演・脚本・監督のんによる初の長編映画」という設定時点で、やや地雷臭もしましたが、見ずに判断は良くないので期待を込め見てみました。
冒頭のサイレント的なシーンなど「あ〜やっぱり」というアート系のノリを感じました。そして背景説明のような描写が「Ribbon」というタイトルが出て消える14分間くらいまで続きます。
ただ、これ以降はどんどん面白くなっていくので、とりあえず14分間は失敗したと思っても辛抱してください。
14分後は主に部屋を中心として物語が本格的に始まっていき、素の「のん」であろう姿が描かれていきます。
ここからは不思議なほど心理を共有でき、主人公の機嫌の悪いと重く感じたり、機嫌の良い時はこちらも心地良かったりと、主人公にシンクロできていることに気付きます。心理描写に結構リアリティーがあるのです。
これは、のんが自らを曝け出すような渾身の演技で、監督を兼ねているためできた芸当のようにも思えます。
そして何と言ってもコロナ禍を描くと、どうしても作品は暗くなりがちですが、本作ではコミカルなやり取りも含め、全体としては明るいですし前向きでもあるのです。
さらには冒頭のシーンなども含めて、伏線的な要素として必要なシーンであることも分かります。
見終わって思うのは、これは新しい才能が開花した瞬間であろうということ。公開規模は小さいようですが、出来るだけ多くの人に見てもらいたい作品でした。
評点は難しいですが、「新人監督のデビュー作という視点であれば間違いなく満点」です。ただベテランなど全ての作品を含めると及第点ですが、次回作も期待したいほど十分なセンスを感じました。

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細野真宏

4.0 のんという生命体

2025年12月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

のんは、ふんわりしているけれど明るく、バカっぽいけれど賢く、社交的ではないけれど元気なキャラクターをよく演じる。本作の主人公浅川いつかのようなキャラクターだ。
不思議生命体のようなこのキャラクターがのんにはよく似合うし、のん以外に同じ味を出せる役者がいるとも思えない。
それだけのんが特別な女優であることが分かる。
もちろん浅川いつかとは違った、至って真面目なシリアスキャラも演じるわけで、妖艶キャラクターはちょっと無理かもしれないけれど、のんの役の幅が、競合がいない方向に広いことが分かる。

浅川いつかのようなキャラクターを考えたとき、のんが最初に思い浮かぶのだからプロデューサーものんを使いたくないよなと考えていた。
しかし!。この作品はのんが脚本も監督も務めている。演技だけではなくキャラクターの構築まで自身で考えたとき、のん本人の素が出ないなんてことがあるだろうか?。

つまり、演技をしていないときののんも浅川いつかのような人なのではないか。
のんが演技をする前の素の状態で、不思議生命体のような人なのではないか。

どこかで、のんは女優をしていなかったらどうやって生きていくのか想像出来ない的な話を聞いた。
女優とは昔から少し変な人が多かった。そういった、人とは違う感性を持っている人の方が向いている職業なのかもしれない。
そして、のんもまた、女優に適した何かがある(もしくは足りない)人なのだろうなと感じずにはいられない。

だけど、監督としても無難にこなしたのではないか。特に良かったとは思わないけれど、別に悪くもなかった。
作中に幾度となく登場する「リボン」が意味するところは私には分からなかったけれど、それでも目障りではなかったし、作中のドラマを邪魔するものでもなかった。

結構、芸術家肌の人なのかもな。彼女の中のアーティスティックさがリボンのパートを生んだのかもしれない。
しかし残念ながら、凡人である私には不思議生命体の感性は理解出来なかった。
それでもこの作品は面白かったと思う。

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つとみ

3.5 好感はもてるのだが・・・

2025年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

カワイイ

のんの見事な存在感と演技はさすがではあるのだが全体的な印象が舞台的であり映画的でないのが難点かなぁ~。感情の機微とリボンによる表現がなかなか重なって来ない・・ツッコんだ云い方すると少し独りよがりかな・・と。もっと大きな難点は大きくダメなところもなく大きく良いところもない・・・これが切ない。

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共感した! 1件)
mark108hello