海を感じる時
劇場公開日:2014年9月13日
解説
作家の中沢けいが1978年に発表し、当時18歳で第21回群像新人賞を受賞した文壇デビュー作を、市川由依の主演で映画化。原作は発表当時、現役女子高生が書いたスキャンダラスな作品として話題を呼んだ作品で、愛を知らない少女がひとりの男と出会い、女へと目覚めていく姿を描いた。ある日、授業をさぼり新聞部の部室で暇つぶしをしていた女子高生の恵美子は、3年生の先輩・洋から突然キスを迫られる。洋は「ただ女の人の体に興味があっただけ」と言い放ち、相手は誰でもよかったというが、父親を亡くし、厳格な母に育てられて愛を知らずにいた恵美子は、それでも洋を求め、何度も体を重ねる。やがて洋は進学のため上京し、恵美子もその後を追って東京の花屋に就職するが……。「blue」「僕は妹に恋をする」など繊細な作品で知られる安藤尋が監督、脚本は「戦争と一人の女」「大島村騒動記」の荒井晴彦。
2014年製作/118分/R15+/日本
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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都合の良い時だけ弄ぶのにあとは自分を無視したり避けたりする、いわゆるクズ男の浩に愛を打ち明け続け身体を捧げ続け、高校時代からずっと執着して、家族関係も大学進学もぶち壊しにして、浩を追っかけるためだけに上京。
長い年月にわたって同じことを繰り返し、ようやく振り向いてもらって、同棲を持ちかけられる。良かったやん!ハッピーエンドやんけ!
と思いきや、ハッピーエンドが見えた途端、主人公は行きずりのサラリーマンとあっさりセックス。ええええ。
「誰でも良かった」のは本当は浩ではなく、主人公の方やったんや……
主人公も、サラリーマンとのセックスの後でそのことに気づいてしまい、浩への執着が薄くなる。そして実家に戻り、家族全員が揃っていた頃の思い出に浸る。
主人公の行動の理由が父親の不在なんだとしたら、あまりにも短絡的過ぎるから何か理由を示されるのかと思ったが、特に理由は無いまま終わってしまった。
これじゃただの自己承認欲求メンヘラヤリマンやんけ!
もしかして本人も自分の行動の理由がわからないから、あんなフワッとした終わり方だったのかな。
でも不思議なことに、自己承認欲求メンヘラヤリマンの気持ちはめちゃくちゃわかる。誰でも良いから求められたい、必要とされたい、でも自分の心まで必要とされるのはなんか違う。嫌だ。
誰かを追いかけたり股を開いたりあれこれ悩んだりしなくても無防備に愛されていて受け入れられていたあの頃。それが実家=海であり、彼女にとって本当に海を感じる時とは、あの頃のようにまた誰かに無条件に受け入れてもらえた時なんだろうな。
2021年8月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
原作にはもう少し文学を感じたが・・・唯一エンディングが美しい❗
2021年3月12日
Androidアプリから投稿
数年前に鑑賞。
ヒロインの境遇が自分とよく似ていて、とてもヒトゴトとは思えなかった思い出があります。
(私の場合、家庭はもう少し良い。恋愛は、もうちょい悪い)
主演の市川由衣ちゃんのことは全然、存じあげなかったんですが、お上手ですね。
飢餓感と、消化不良な現実に胃もたれ起こしてる感じが出ていて。
高2のとき、フローベールの『ボヴァリー夫人』を読んで、別に不倫をしていた訳でもないけど、一箇所、まさしく少し前の自分を描いてるとしか思えない描写があって。エスパーかと思いました、フローベール(いや、すごい昔の人なんだけど)。
お陰で、自分が経験したことは特別たいしたことでもなくて、まだ17の当人としてはすごい辛いんだけど、実はごくありふれたことなんだということが分かって、大いに救われた。自分がとくべつ欠陥品という訳ではないのだと、言われている気がして。
同じように、もしかしたらこの作品も、私や恵美子のような経験をした子に寄り添うものになるかもしれない。ぜんぜん違う青春を送った子&男性には、どこが良いのか全く分からないかもしれない(笑)
ま、そんなもんでしょ。
気が向いたら、原作も読んでみようかな。
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うーん、どっかの小説みたいな話でした。
しかも読んだあとに、レンタルにしておけばよかったなというタイプの。作品全体の完成度としては良い部類だとは思います。雰囲気も役者も方向性もあっていました。
しかし、個人的には合いませんでした。こういった性の葛藤的なの表現すればかっこいいんでしょ?というような少し古い作品に感じました。
いつの間にか好きになったときの流れも知りたかったですね。うーん、もう少し表現に心理描写が欲しかったですね。言わずともわかるだろという表現にしても、うーんおっぱい!!としかなりませんでした。