茜色に焼かれるのレビュー・感想・評価
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尾野真千子さんの女優魂✨
迷いながらも信念を持って生きるシングルマザー良子を演じた尾野真千子さんの感情豊かな演技にラスト迄魅せられました。
風俗店店長を演じた永瀬正敏さんの、チラリと覗かせる優しい眼差しがいい。
健気に懸命に生きる風俗店同僚のケイを演じた片山友希さんの演技も素晴らしい。良子に投げ掛けた言葉に心が揺さぶられました。良子と二人心を寄せ合う姿が涙を誘います。
母親の庇護の元、何となく日々を生きてきた中学生の一人息子純平(和田庵さん)が、自分なりに考え行動していく姿に胸が熱くなりました。
懸命に生きる彼女達に対する周囲の心ない言葉の数々や態度に、とてもやるせない気持ちになりましたが、ラストで純平が母に向けた言葉に希望を感じ、温かな気持ちになれました。
尾野真千子さん、そして片山友希さんの渾身の演技を是非映画館で。
映画館にて鑑賞
コロナ禍の今と正面から向き合った意欲作
池袋で起きた交通事故なども連想させつつ
コロナ禍の今を描いた意欲作。
飲食店倒産、シングルマザー、風俗…次々と襲いかかる理不尽に対してし強く生きる良子を尾野真千子が体を張って熱演。
弁護士の態度や息子の先輩からのイジメなど多少過剰と感じる部分もあるけど、実際は自分が想像するより世の中は不条理で溢れているのも事実。
作品の中で一番刺さった言葉は
ピンサロ店長中村を演じた永瀬正敏の言葉。
「どうしてそんなに苦しい思いをしてまで生きるのか」
本当にそう思う。今の日本は生きる希望を次々に奪う。このコロナ禍で大した補償もなく休業要請や自粛により倒産や廃業、失業した人は今をどう感じているのか?
繰り返される緊急事態宣言。コロナ対応で疲弊する医療現場や保健所。先進国でも圧倒的に遅いワクチン対応。そんな中、五輪開催に拘泥する政府と東京都。困窮している人達にとっての五輪開催の意義とは?
そんな中、歯を食いしばって愚痴ることなく前向きに強く生きる良子の姿はそっと背中を押してくれます。
そして同じピンサロで働くケイちゃんの最後の行動はとても素敵でした。共感してもらえないかもですが。
息子純平くんの存在がこの作品最大の希望。とても秀才なので良子さんの未来は朝日のように眩しく輝き出すと確信してます。
悔し涙が……
心がきゅっと締め付けられるようなお話しだったけど、こんな時期だからこそ、劇場で観れてよかった映画。 映画を観て、悔し涙を流すのは初めてだったかもしれない。不条理な世の中で、生きる目的、生きる術を模索する親子に、然るべき報いがありますように。 万人におすすめというわけではないけれど、 観てよかったと心から思います。 (こういう世界を知らずに育った人にとっては、 ちょっと衝撃的かもしれないけど…。) 明日からまた、頑張りましょ。
池袋暴走事件を彷彿とさせるやつ
尾野真知子はクソみたいな人間達の中で息子という一筋の希望のために必死に生きている役だった。 人間なんてみんなクズだが、そゆなクズの中でも救いようないクズしかいない世界線。 唯一マトモなのは働いている風俗店の同僚と店長という皮肉 観てて心がしんどくなってしまう作品だが最後は一応スカッとジャパンだった。
オリジナル脚本だからこそ時代を切り取った、稀有な作品
人として当然の道理を、権威や経済力や腕力から遠い「弱者」が求めた時、いかに無残な扱いを受けるのか。 道理を曲げて人生を捨てることは自分を殺し、愛した人を2度殺すこと。 苦しながら生き続けることの意味とは? 聖母誕生の物語。聖母が現れる時とは、いくたの悲劇が繰り返される時代。 そこに響き渡る雄叫び(雌叫び?)はあまりにも人間臭く、胸の奥に届く。 それにしても、出てくる男がことごとく情けない。男どもよ、‘しゃんとせい‘とカツを入れられたような。
尾野真千子の単独主演映画。理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。社...
尾野真千子の単独主演映画。理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。社会的弱者として世の中の歪みに翻弄されながらも信念を貫き、たくましく生きる母の良子を尾野が体現。息子の純平役を「ミックス。」の和田庵が演じるほか、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らが顔をそろえる。
【それでも生きていく】
人生なんて、負けそうになることばっかりだ。 前向きに生きていることがバカらしくなることだって多い。 でも、生きていく。 そう、まあ、頑張るのだ。 (以下ネタバレあり) 物語は、不条理な事故やコロナによるカフェの閉店、イジメ、インチキ、解雇、偏見など様々な障害を散りばめ、それに押しつぶされそうになりながら、生きようとする親子が描かれる。 ただ、確かに、コロナや交通事故など現実と重なる部分はあって、憤りを感じずにいられないが、もう少し踏み込んで考えてみたい気がする作品だと思ったりした。 ケイは、なぜ死んだのか。 本当のところは、分からない。 衝動なのか、絶望なのか、もしかしたら、希望を託したのか。 …分からない…けど、悲しい。 友人や、恋心を抱いていた人が亡くなったら、やっぱり悲しい。 プロローグの陽一の不慮の事故死と対比するように描かれるエピローグのケイの死だが、実は、メッセージとしては同じで、それでも、残されたものは、生きていくのだということではないのか。 純平が到底理解出来ない良子の芝居の意味。 抱える想いは、それぞれで異なっているのだ。 異なっていて当然だ。 叫びたいこと、訴えたいことは、それぞれ違っても、人は生きていくのだ。 今、コロナでもがき苦しんでいる人達にも、コロナが収まっても、きっともがき苦しむことであろう人達にも、そして、何かと闘い抗い続けるであろう全ての人達にも向けた、語りかけ、そして、問いかけるストーリーなのだと思う。
10年目のカーネーション
「それが世間さまってもの、、」 朝ドラの最高傑作と言われる「カーネーション」で脚本家の渡辺あやが尾野真千子に振った台詞だ。 あれから10年 オノマチはライト級からウェルター級に進化し、世間さまを充分にくぐり抜けて来て、台詞に重みが増すようになった。 石井裕也監督をして「化け物級」と豪語した所以だろう。 しかし、、芝居とはハーモニーだ。 出てくる役者全てが反響しあって大きなうねりを出すものだ。 息子も、その悪友たちも、駄目男たちも、なんと非力ばかりか、、 それはプロデューサーの責任だろうが、石井裕也の脚本もスキが多くみられ話が冗長な部分が多々ある そこまで批判しても、これが2021年の日本を刻印した映画と呼べるだろう もう10年後 オノマチが戦うべき共演者に恵まれて映画に戻って来る事を期待したい
満足度は低めで涙も出ず。 そんな中、役者の皆様の演技はとても素晴らしかった。
旦那を交通事故で亡くした尾野真千子さんが演じる田中良子と息子が軸。 旦那のバンド仲間。良子が夜の仕事で働く風俗店の仲間。事故の加害者達。学校のいじめっ子や先生。良子の幼馴染みなど登場人物は多め。 それぞれの人達のヒューマンドラマが満載。 その中でも風俗店で働くユキ(片山友希さん)が良い人過ぎて彼女が主役でも良かった感じ。 生活レベルはかなり低い田中親子なんだけど素敵な親子愛が印象的。 色々なストーリーが満載で焦点がボケ気味だったけど、最後で強引に纏めた感じ。 タイトルの茜色に焼けた感は伝わって来ました。 田中親子が二人で自転車に載ってるシーンはシュールでした( ´∀`)
理不尽に耐える
7年前、老人の運転する車のアクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故で自転車に乗ってた夫を亡くした母の田中良子(尾野真知子)はひとりで中学生の息子・純平(和田庵)を育てている。あるこだわりにより夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみて、夫の愛人の子供の養育費も払い続けている。コロナ禍により経営していたカフェが破綻し、花屋のバイトと夜の風俗の仕事を掛け持ちしても家計は苦しく、その事が原因で息子はいじめにあっているという話。 最初の交通事故は池袋の暴走老人を思い出した。そして一度も謝罪しない所もソックリ。腹たった。 コロナ禍を反映した脚本で、カフェが潰れた所も多くあるんだろうとも思った。 イジメや放火など、とにかく理不尽な事の連続なのに、よく耐えてたくましいな、と思った。きっと、今から良い事が有ると思いたい茜色の空が印象的だった。 尾野真知子と永瀬正敏はもちろん素晴らしかったし、息子の純平役の和田庵も良かった。それと、風俗嬢ケイ役の片山友希も胸を出しての熱演も含め、良かった。
フィクションの芝居(映画含む)こそがリアリティ・・・という自分のルール
コロナ禍の真っ只中で着想を得たという監督・脚本の石井裕也。社会的弱者と言われるシングルマザーを中心に、理不尽な社会や自己中心的な人間たちと向かい合って「生きること」の意味を考えさせられる作品だ。 コロナ蔓延という非常事態だからこそ浮き彫りになった醜い人間の姿、社会不適合なら死んでしまえという発想、上級国民を自覚してる者たちのいやらしさ、?性奴隷としか見てないかのような女性蔑視男たち。特に実際の事件である元官僚による自動車事故なんてのは痛烈だった。 そうした世の中の歪みから湧いて出てきたような悪意たち。風俗店“カリペロ”での同僚であるケイ(片山友希)の悲惨な経歴や病気にも涙してしまった。実父による性暴力、インシュリンを打たねばならない糖尿病、そしてDVを感じさせる現恋人など・・・。生きる意味を店長(永瀬正敏)から問われても健気に生きようとしているのです。虫嫌いの彼女がゴキブリを異常に怖がるというのもストーリーの逆メタファーになってる気がする。 社会問題はそれにとどまらず、バイトがないほどの不景気や良子の一人息子純平のいじめ問題、介護や離婚の問題にまで及んでいた。企業内の自己保身・・・確かに会社で生き残るのは難しい。そして人としての優しさが失われようとしてる現状を訴えてくる。 なぜ賠償金を受け取らなかったのか、なぜ義父の介護費用まで、なぜ養育費を払い続けるのか。良子の行動に対してはもどかしささえ覚えてしまうが、彼女の信念が邪魔をする。死んだ夫(オダギリジョー)がプロテストソング(?)を歌っていたことから、そこに惚れた彼女にも尊厳、矜持、もしくは生きる意味があったのだと思う。社会のルール、自らが作ったルールを破らない限りは・・・そう考えると、権力者、上級国民たちの悪事がますます許せなくなってくる。 交通事故のCG映像、支払った金額のテロップなど珍しい描写もあったり、良子の勝負服(一部、パンツもか?)は赤といった描写!それが夕暮れ時の茜色に染まる終盤の自転車の二人乗り。等々印象に残るシーンが多い。あかねさす日は照らせれど・・・と関係あるかは知りません。とにかく人間の暗黒面がクローズアップされてますが、それが顕著になっただけで、誰にでも悪い面はあるのでしょう。良子だって自転車盗んでますし。 舞台挨拶映像にあった尾野真千子の涙を見たおかげで、今週一発目の作品に決めてしまいました。観たおかげで、生きる意味をしっかり考え、このコロナ禍に立ち向かっていく勇気を得られたかもしれません。
。・゜・(ノД`)・゜・。上映館を増やすべき映画です。良い映画だった!!
この映画、聖人聖女はいません。主人公はピンサロ努め、息子はいじめられっ子。
劇的なクライマックスがあるはずもなく、勇敢で臆病な人間が一生懸命生きる様を撮った映画です。力が湧きます。
旦那を上級市民老人のボケ運転で無くした良子は思春期全開の息子と静かに力強く生きます。様々な社会の嫌がらせを受けますが『まぁ、頑張ろうよ』と受け流していますがその苛立ちは計り知れません。そしてそれは爆発し逃げ場もない状態に、、、、。
私は坂口安吾が好きで愛読書は『堕落論』です。
人は堕落するが、人はどこまでも堕ちないって言ってます。
とても優しく中庸を保った考えで大好きです。
良子も絶望に落とされるもどこまでも堕ちる事なく、息子や同僚に助けられ支えられてどうにかそれを切り抜けていきます。人はどこまでも堕ちないんです。ここが好きです。
ラスト茜色に染まった河岸を自転車で2人乗り。茜色の夕焼けは暗闇が来るのを永久に防いでいるような美しさです。
茜色に染まる親子にささやかな未来があるように映りました。
静かな終わり方ですが力が湧きます。
こんな良い映画、上映館が少なすぎますよ。どうにかして欲しいです。
傑作の一歩手前だが、『今』の日本映画からこのような秀作が生まれたのが嬉しい。茜色の空に浮かんでいた雲の色は「朱鷺色」(私の一番好きな色)と言うんだよ。
①コロナ禍の社会の中で生きる人々を描いたのは日本のメジャー映画の中では初めてではないだろうか。②さて、どんなにリアルに描かれていても劇映画は劇映画であってドキュメンタリー映画ではない。僕らも厳しい現実を観に映画館に足を運んでいる訳ではない。厳しい現実を観るのならば日常の僕らの周りを注意深く問題意識を持って見れば済むことだから(僕が実際に当事者=社会的弱者でないから、こんな悠長なこと言ってます)。③どんなにリアルに描かれている映画でも、やはり現実社会はもっと不条理・不公平で一杯だ。ただ、この映画はそういう世知辛くてやるせない現実を描きながら、一方でその中での“救い”を描き出そうとしているように思える。④ヒロインの良子は『世の中には悪い神も良い神(=救い・生きる意味)もいて、悪い神はあちこちにへばりついているから、頑張って良い神を見つけるの』という。そう救いは待っていても来ない。自分から探しにいかないと。その良子にとっての“救い”はケイちゃんであり店長であり、なにより『お前の母ちゃんは売春婦!』と苛められながらそれでも『母ちゃん、大好き』と言ってくれる純平の存在であろう。⑤「人間社会とそのルール」というのがこの映画の場合、底流として流れている。人が気づかなければ、咎められなければ、自分だけじゃなく他の人もやっているからという言い訳が出来ればルールを守らない人様の多い社会(歩行者が立っていても横断歩道で止まらない車の多いこと!)。でも他人を批判したりコミュニティから排斥するときはルールを水戸黄門の印籠のように持ち出す人達で構成されている社会。しかし、一人で誰にも関わらず生きているならともかく、組織や社会の中たくさんの人の中で生きていくためには、ルールは必要で守らなければならない。例えそれが理不尽であったり勝者に有利であったりしても。そして、ルールとそれを作り・守るということはヒロインの良子のキャラクターを代表する要素の一つともなっている。⑥生活能力に乏しくでも物事を突き詰めて考える男を好きになり、若いころはアングラ劇で観念的な芝居をやっていた女優だけあって良子も物事を突き詰めて考える方で言うことも時々意味不明。息子の純平に言わせると『むずかしい』。適当に生きている、“軽く”生きることが良いように思う人達の中では良子は真面目すぎるのだろう。⑦真面目すぎるから、ケイちゃんが『シングルマザーや風俗で働く女性ばかり狙う男たちがいてむかつく』と言っているのを聞いていながら、まんまとその狙いにはまってしまい、その上好きになってしまう純情さ。殺したいとまで思い詰めてしまう。純平の機転で事なきを得るが、母親が女の部分をさらけ出しても、(ケイちゃんが複雑な事情を抱えていることを薄々感じていながら…何故なら「愛は激烈だから…」)母親とケイちゃんとを守ると言う純平は男らしい。しかし、純平と店長以外はこの映画に出てくる男連中はみんな女性や社会的弱者を舐めている奴らばかりなのは情けない。⑧社会的地位が高いこと・社会的強者であることを良いことに、アルツハイマーであったとしても(アルツハイマーの者に車を運転させるなよ、と言いたいがこれも現実的には簡単には解決できない問題だ)実際に人一人を死なせているんだから先ずは謝罪するという人間として最低限のルールも守れない人間モドキたち。まあ、唯一彼らの肩を持つとしたらオダギリジョーも後続の車を確認してから道路を渡るべきだったことくらい。⑨冒頭、社会的強者(表社会の実力者)を護る立場の弁護士が後半実はヤクザ(裏社会の実力者)の弁護もするという皮肉。ことほど左様に世間様というものは奇々怪々です。⑩演出は始終緊張感を保っていたが中盤(良子が中学の同級生と再会する辺り)がやや中弛みする。それと、ケイちゃんには自殺してほしくなかった。コロナ禍で自殺する若い女性が増えたことを監督は反映したかったのだろうが、かつてメンタルを患ったことのある私としては登場人物を死なすのに安易な自殺という設定はとってほしくなかった。この2点が無ければ私の中では傑作になったのだが。⑪尾野真千子は熱演。世の中の理不尽にギリギリ耐えるには無感情を装わざるを得ない、笑っているが実はそれは怒っていること・泣いていることである、という良子の内情が伝わってくる。いつの時代でも世の中を渡っていくには我慢することです。役が良いこともあるが、永瀬正敏はいつもながらの安定した演技力・人物造形で安心して観ていられる。⑫ケイちゃんが問う『こんなんでもどうしても生きていなくちゃいけないんですか?』(中島みゆきの「生きていてもいいですか」と表裏一体だな)の答えは台詞の形ではついに出てこなかった。でもクライマックスのなかなか暮れない茜色の夕空の中にその答えがあるような気がする。
尾野真千子のド迫力の声に背筋がピーン
尾野 真千子の啖呵にしびれる。社会的弱者だからっていって舐めてかかるやつは、男だろうが女だろうが、強烈な一発をお見舞いしてやれ。あまりのド迫力の声に見てる自分も背筋がピーンとなっちゃった。 池袋の元高級官僚が起こした事故を思い起こさせる冒頭のシーンでは、社会的に優位に立つ人間の傲慢さに腹が立つ。弁護士を演じている嶋田久作が、憎々しさを掻き立てる演技で、強者は用心棒も雇うことができて、圧倒的に有利なことを知らしめてくれる。 シングルマザーとなった田中良子を苦しめるのは、社会的強者だけではない。自分より下と見るや、軽くあしらったり、威張ったり、下僕扱いしたり、体を求めてくるようなクズ人間は、場所、階層を問わず現れる。夫のバンド仲間の男みたいな奴が、現実社会でもシングルマザーを苦しめているのかなって想像してしまう。 上映時間の144分の長さを感じないくらい、引き込まれてしまったが、肝心の夕焼けが、明らかにCGとわかってしまったのが残念。その点以外は、すごく見ごたえがあった。尾野真千子は、文字通り「力の限り戦ってみました」の演技を見せてくれたし、永瀬正敏演じる風俗店の店長もハードボイルドな感じでいいところをかっさらった感じ。和田庵くんの芋虫のような自慰シーンには、笑ってしまった。その後の親子の会話がめちゃくちゃ面白かった。
エアペー!
情報が大渋滞して混乱しながら鑑賞 一言で「こんな作品です」とは説明できない 初期作品(文芸坐オールナイトの特集上映で鑑賞)から変わらない石井裕也ワールド リアリティのバランスが独特 次の展開の予測が付かない(階段を踏み外す様な感覚) 荒削りだけど心に焼き付くようなメッセージを感じた *ご近所情報(蛇足ながら) 例の事故現場の至近に漱石が眠る雑司ヶ谷がある 慰霊碑の除幕式はコロナ禍で取りやめ
カリペロ
ひたすら重い展開が続き、出てくる男共がひたすら胸クソ悪い しかし胸クソ悪く思うのは映画として俯瞰して観ているからで、所詮男は保身と打算の生き物 嬢をどこか見下していないか?、会社の言いなりになって自分を捨てていないか?、弱っている女性に下心をもってあはよくばを狙っていないか? 男なら多少は身に覚えがあるはず(SNS少女たちの10日間でもわかるが男なんてそんなもの) 自分自身良子やケイを全面的に受け入れることができるかと問われれば、彼女達の背景を知った瞬間尻込みするだろう 尾野真千子が、演技巧者らしく中学生男子を育てる未亡人役をリアルに熱演 終盤はストレートな人生讃歌になっており、監督の熱が伝わる
関係スタッフの気合いは感じました。
上映時間はやや長めですが、石井裕也監督の気合が凄く見応えはありました。 コロナ禍で苦しんでいる現代に向けて力の入ったオリジナル脚本で真正面から勝負しています。 尾野真千子演じるシングルマザーの不器用な生き様と熱演に感動できました。 ただお金に不器用過ぎて後半になればなるほど辛い環境に陥ってしまうのは見てて辛かったです。 救いは真面目な息子とのやり取りですがいじめ問題も絡みこちらも一筋縄には解決せず。 最後に親子に多少の救いはありますが爽快感は感じなかったです。最後に息子の成功した姿でも見たかったかも。 社会のルールを守る事が最低限の生き方という親子の姿に胸を打たれる人は多い気がしますが風俗で働く同僚のケイを演じる片山友希はかなり良い味を出してました。 とにかく石井裕也監督が脚本を書き作品を完成させて、一般公開するスピード感と労力は関係者は相当大変だったと思います。 渋谷が主な舞台でしたので渋谷ユーロスペースで見たのもとても良かったです。 辛いシーンが多いですが良心的な作品です。
クソな社会で…
「ルール」という言葉に代表される日本の嫌〜なところを凝縮したようなお話。 こんなクソな社会で、懸命にしかししなやかに生きる母子を活き活きと描いている。 尾野真千子の渾身の芝居も素晴らしいが、なによりも純平とケイが愛おしい… クソオブクソな話なのに何故かなんだかスッキリする。 なんだか不思議な映画…
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