ファーザーのレビュー・感想・評価
全254件中、181~200件目を表示
見なければ良かった、てのが・・正直な感想。
ここんところのアカデミーはイかれてると思う。
・・もう来年以降、アカデミー戴冠云々で作品は選ばないと思う。
(*今迄もそうだったけど・・)
今年も、見ない選ばない!て思ってたけど・・
アンソニーホプキンス卿だけは!(主演男優賞の)我が師匠の作品だけは見たい!と。
昨日、スクリーンへ出掛けた。
(*武漢肺炎で苦しむ映画業界に、お金を使いたかった!)
表題通り、見なければ良かった!
こんな内容だったなんて。・゜・(ノД`)・゜・。
先日もレビューしたけど?
秘密のキッスなり、アンノウンなりインターステラーなり、絶対に内容に?前情報に触れないでおいた方が良い映画が有る(ほとんどの作品がそうでしょうけど)?!
でもね?
この作品がこんな結末なら?こんなテイストなら?最初に教えといて欲しかった!
湊かなえさんの告白を知らずに読んでしまった時の、あの感じ!あの感じが本作にも!
不穏な始まりから?ミステリーなりサスペンスなりに行くのか?と思ってしまった!
始まって十分で、帰ろうか!と思った。
DVDなら間違い無く止めてた。
(長男だから我慢出来た、次男三男なら危なかった!)
元は?舞台劇。
キッチンやエントランスや窓の外の景色やら、伏線は数多で、脚本も劇伴も良い!
素晴らしい映画だ!
でも、何度も言うがこの、淡々と進むオチ無しなのは、ちょっと無理だった!すまぬ。
劇場公開¥1300円水準にて〜
オススメ度】☆②
90分長く感じる度】☆⑤
高齢の母が居る身として思うところ有った度】☆④
重記ですが?
淡々と粛々と話しが進みます。
思った通りのオチになると思います。
それを?
斬新だ!逆に新しい!と取るか?
なんぢゃコラ!と取るか?
果たして!!!!!!!!!!
誰もが経験する物語
舞台劇の映画化ですが、その原作者が自ら監督をするといった力作です。
オスカーを受賞したアンソニー・ホプキンスは、認知症によって崩れていく父親を
ものの見事に演じ、さすがの演技力に感服しました。
父親の行動に右往左往する娘役のオリビア・コールマンも負けじと素晴らしい演技で
この作品をグッとレベルの高いものに仕上げてくれました。
この作品は個人的にも我が家での出来事に近しい内容だったので
とても苦しく、とても心に刺さり、ラストシーンは心が落ち着きませんでした。
この映画は誰もが経験するかもしれない物語であることをしっかりと感じてほしいです。
記憶の実体験
「また認知症の映画か、もうこの手のテーマの作品をどれだけ観てきたろう」と思いながらも、評価が高かったので久々に劇場鑑賞しました。
しかし、今まで観てきたこの手の作品を振り返ると、大半は第三者目線からの作品だった筈で、本作の様に認知症の本人目線からの作品は恐らく初めて観た気がします。
観ていてそれに気付いた時に、メチャクチャ面白くもあり恐くもある作品となりました。
冒頭からスクリーンに映し出される画面が凄く凝っていて、観客が徐々に感じる違和感が、主人公の疑念とシンクロして行く感覚があり、これってサスペンス映画なのか?と思える位、誰かに騙されているのか自分が狂っているのかの判別がし難く「ああ、認知症ってこういう感覚でなって行くのか」と凄く説得力を感じました。この辺りの演出力は凄いです。
昔からよく見ているヨーロッパ映画に描かれる都会にあるちょっと上流の家って、我々日本人から見ると大体同じ様に見えて、最初の違和感は間取りや各部屋が、絶妙なカメラワークでよく分からなくなっていました。
飾っているインテリアや絵画もカメラが動く毎に絵や置物が違うモノの様に見えて来て、私は特に絵が好きなので無意識に見ていたのですが(1枚を除いて)毎回別の違う絵が飾られている様な気がしたかと思うと、急に娘の顔(役者)が変わったり、主人公の家だと思っていたら娘の家だったりと、主人公と同じ混乱を観客にも追体験させる構成は見事でした。
自分を守ってくれている記憶という名の壁が、少しずつ少しずつ壊れて行く様が、主人公(観客)の恐怖に繋がって行くという、この構成(アイデア)だけでも作品価値があると思いますが、更にアンソニー・ホプキンス含め役者の名演もあり記憶に残る作品となりました。
沈黙
どんな予備知識を持って見るかでかなり捉え方の変わる作品だと思う。
少なくともポスターの雰囲気と文句は信頼しないほうが良い。
祖父母、親、そして自分自身がいつかこうなることを誰もが想像しつつも、誰も受け入れられないという現実。
95歳で耳も頭も親よりしっかりしてるんじゃないかってレベルのうちの祖母は奇跡の存在なのかなと、感謝しつつも恐ろしくなる作品だった。
Everything all right?
認知症の父親目線で描く、認知症体感型映画。
.
急に知らない人が家の中に入ってきたり娘であるはずの人が全く知らない人になってたりするのは、あーこれは認知症だからかと納得がいくんだけど、それだけじゃなく時間空間までがぐちゃぐちゃ。
.
見てる側もいつの話か、果たしてこの目の前の人物は本当に存在しているのか、今このおじいちゃんはどこにいるのか全てが何となくでしか認識できない。今まで認知症の人の話はあったけどここまで体感させられるのは初めて。
.
いつかは自分の親も自分自身もなるかもしれない認知症、こんなに怖くて一人ぼっちなことはないんだと。自分がこうなった時には、周りの大切な人を悲しませないために早めに優しくしてくれる介護の人がいる施設に入れてください、とここに遺言を残しておく(笑).
.
認知症の義理の父にあまりにも酷い言葉をなげかける夫は嫌なやつに感じるけど、面倒を見てくれている娘へ、明らかに妹の方が大切という態度をとったり何となく頭が悪いとか馬鹿にしてたり、認知症だからしょうがないんだけど、夫の言ってることも分からなくはないんだよな。
.
顔に深く刻まれた皺が全てを語る
さてさて、アカデミー賞番狂わせのアンソニー・ホプキンスですよ。あのレクター博士ですよ。今回改めて思ったのは、アンソニー・ホプキンスという役者はどこか危険なオーラをまとっているということ。
年齢も役柄も違うのに、ある瞬間にふとレクター博士に見えてしまう。画面に彼が出てくるだけで、空気が張り詰め気がおけなる。
しかし顔に刻まれた深い皺の一つ一つに人間らしさを感じる。冷たさもありつつ温かさも共生しているという不思議な二面性を含んでいる。"怪演"ではないが間違いなく"名演"と呼べるアカデミー賞納得の演技です。
この映画は当事者としての一人称視点、相手としての二人称視点、部外者としての三人称視点全てで巧みに構成されている。
一人称視点のときは認知症という混沌とした世界に落とされ混乱する。「これは思い違いなのか?」「あれはいつ聞いた話だ?」などと状況を自分の事のように考えなければならない。全てが曖昧なのでミステリー要素が絡む。
二人称視点のときには、認知症の娘という視点で、「こいつは何を言っているのか?」という疑問と「何をしでかすつもりだ」というスリラー的な不安が襲いかかる。
娘の恋人や、ヘルパーで描かれる三人称視点では世間から見た認知症患者への正直な気持ちがぶつけられる。「自分勝手だ。」「演技じゃないのか。」
世間の不快感が容赦なく主張されるがどこかで共感している自分もいる。
全てが曖昧で不確定。『メメント』の名と共に「難解だ」と言われているのをよく目にするが、それは少し違うのではないか?と個人的には思う。
この映画が複雑な構造をしているのは認知症を疑似体験するためであって、ミステリーやスリラー要素があっても根幹にはやはりドラマが存在しているし、「難解だ」とは感じなかった。逆に混乱するからこそ、ラストシーンまでの全てがしっくり来るというか。
そんな不確定要素を映像に落とし込んだ稀有な映画体験でした。
切ない…
認知症の父親アンソニーと介護に悩む娘アンのお話
父親アンソニーの知覚した世界のお話なので時系列やら登場人物やらがめちゃくちゃに進むので観てる側も混乱しやすいけどアンソニー本人も混乱しているのが伝わるのがとても辛い
アンソニー本人も辛いけど娘だって辛い
だから娘の選択を否定できない
どうにもできないんだから…
突然だけどうちの曾祖母と私のお話
幼児の頃会う度に『どちらのぼっちゃん?』と聞かれた
母曰く曾祖母の中で私は生後7日付近でとまってるらしい
だから走り回る幼児が誰かわからない
説明するとその場は理解するみたいだけどまた忘れるの
姉のことは覚えているのに
だからとても悲しかった
でも毎日生後7日の私の健康を祈っていたらしい
いつも気にしていたとだいぶ後になってから聞いた
映画を観てたら思い出してボロボロ泣きました
周囲も辛いけど本人も辛いんだよね
自分ではどうしようもないんだから
どうしようもないけどちゃんと向き合わないといけない話
良い映画だったとか面白かったとかアンソニーホプキンス凄いよねで済ませていけない映画なんだと思いました
赤ちゃん返りする主人公を自分自身の視点から描いた作品は斬新
認知症患者を客観的に描く作品はあまたあれど、意識が混乱している認知症患者目線で描く作品は斬新ですね。
そのため、話の内容を理解するには集中してスクリーンを見る必要があります。
ただし、話の結末を観客に委ねているわけではなく、簡単にわかる構成になっています。
はっきり言えば、一見の価値はあれど、再度見たいとは思わない作品でした。
メメントのようでメメントではない、怪奇映像
認知症の父を描いたドラマ映画…なのだが、メメントの叙述トリックも感じられ、ミッドサマーのような心をかき乱す描写もあり、もしかしてサスペンスホラーなのかとドキドキしてしまった。
メメントでは記憶を失い続ける男に対し、悪意を持った人間が働きかけることでサスペンスドラマになった。ミッドサマーでは精神が弱った主人公が生贄を求めるコミューンに滞在することで不協和音のあるホラーになった。この映画でも同様に主人公に問題があるのだが、この2作、特にメメントとは全く異なり、何も事件は起こっていない。事件は主人公の頭の中だけで起こる。ただそれだけなのに、恐怖・悲哀・同情心を呼び起こす怪奇性があった。
そしてその怪奇性は観客を主人公、アンソニーに同調させる。つまり、アンソニーが感じている「奇妙なこと」を観客にも味わわせてくるのだ。それが最後までずっと続き、何が起きたのかさっぱりわからない。ラストシーンでは私も怖くなって泣いてしまうかと思った。
で、ひとつオススメしたいことなのだが…メメントではちゃんと観れば何が起きたか理解できるし、解説記事や順方向再生を使えば観なくても理解可能だ。おそらく、この映画でもきちんとした筋があって、アンソニーだけがそれを理解できていないということなのだろう。オススメしたいことは、アンソニーの外側で何が起きていたのか、アンたちの言動の真実を調べない、ということだ。
理解できたならば映画をメタ的に楽しめた、理解できなかったら映画をそのまま楽しめた。それでいいのではないか。どうしてもメタ的に楽しみたい!と言う方は、出演者数から推測してみるとよいと思う。
訳がわからない…ことが、辛い。
色んなレビューに書かれてますが、確かに前情報全く無しで見たら訳わかんない映画でしょうね^^;
「認知症」を題材にした映画です。
↑この前情報、大事です。
正直、見てるこちらも、???となる場面が多くて、ストーリーに筋が見えない。が、それこそが大切な部分であり、辛い部分でもあります。
おそらく、主人公のアンソニー自体も、もう途中から訳わからないと分かってたんでしょうが、本人のプライドがそれを許せず分かってるフリをしてしまうんでしょうね。
うちの祖母も、飼ってた犬も、認知症だったので、認知症関係者からすると、見ていて辛い…最後の介護士とのシーンは寂しく辛かったなぁ…少し泣きそうになってしまったです!
アンソニーホプキンスの演技の素晴らしさは健在だったが、現実との境目...
アンソニーホプキンスの演技の素晴らしさは健在だったが、現実との境目が曖昧過ぎて、頭の中なのか現実なのかわからない部分が不安にさせる演出だった。
コールドソングで始まる演出は素敵だった。
当事者の視線
怖かった。不思議だった。あんな終わり方とは。アンソニー・ホプキンス。オリヴィア・コールマン。救いを求めたくなるが、目を逸らしてはいけないテーマ。名作戯曲を劇作家自身が映画化した力作。当事者の主観がリアルにあんな世界なのだとしたら。ダメージ食らった。
いつか通る道が眼前に現れる映画体験。
いつかおそらくこの道を通る。
今の暮らしが成り立たなくなる時はきっと来るのだろう。
上映中、老後のことを考えた。はじめて真剣に考えた。今、たまに届く年金額の通知を思い返し、今の職場が定年後も雇ってくれるだろうかと考えた(笑)
一人で暮らす父はいつ主人公のようになってもおかしくはない。
現実に起こるだろうこと、あまり見ないようにしていることを2時間だけだが直視した。
アンソニー・ホプキンスのほとばしる情熱が、狂気もはらむかに見える情熱が、我々の眼前に通るだろう道を示してくれた。
怖くなった、正直。
自分の先行きが怖くなった。
ラストシーン、主人公には死に向き合う意識が残されていた。
うらやましかった。
それさえも失くなってしまうこともあるのかも知れない、そのことに気付いたら余計に怖くなった。
めったにない映画体験になった。
ある意味ホラー
認知症の見当識障害や被害妄想など認知症の症状を、映像化したらこうなるのかもね。次々と入れ替わる時間、認識。怖すぎる。認知症の人がパニックになるのも分かる。
アンソニー・ホプキンスが認知症の老人を好演。色々変わる心情を見事に演じてます。高慢な態度から、戸惑い、ラストの気弱なシーンまで圧巻。ラストは本当に彼が小さく見えたよ。
タイトルなし
こういった帰結は観ていて落ち込んでしまうので、はっきり言って好みではない。
それほどアンソニーホプキンスのアンソニーの演技が素晴らしかった。
私はただ号泣するしかなかった。
アンソニーホプキンス健やかに長生きして欲しい。
目が赤くなったどうしてくれよう…。
認知症になったレクター博士
虚構、現実、時間錯綜、腕時計…
観ているコチラも混乱してきます。
認知症の老人の視点の映画ですが、まるでサイコサスペンス映画の様相を醸し出しています。アンソニーホプキンスの演技…脱帽です。素晴らしい演技です。どんどんと映画に引き込まれていきます。
ノマドランドはアカデミー賞の作品賞・監督賞・主演を取っていますが、個人的には、こちらの方が何倍もいい映画だと思います。
認知症を疑似体験
特に注目していた作品ではないですが、他に見たい作品もなかったのでなんとなく鑑賞してきました。本作は認知症を描いた作品で、はっきり言って映画としてはちっともおもしろくありません。というのも、序盤から話の展開が見えず、「何か見落とした? 聞き落とした?」と思えるほど、シーンのつながりが悪く、わけがわからなかったからです。それなのに、しっかり訴えてくるものがあり、鑑賞後の印象は悪くなかったです。
実は、この「わけがわからない」というのが本作の肝です。映像は徹底して認知症のアンソニー目線で描かれるため、観客は必然的に彼に共感しながら見ることになります。結果、周囲で起こっていることが理解できないという、認知症の疑似体験を半ば強制的にさせられるわけです。
それにしても、認知症がこれほどまでに自分を混乱させるものだとは思いませんでした。ちょっとした記憶違いや錯覚などという生やさしいものではなく、周りの人間がよってたかって自分を陥れようとしているのではないかという恐怖を感じるレベルです。
こういったアンソニーの戸惑いや猜疑心や苛立ちの連続が描かれるため、全体としてストーリーなんて存在しません。それは、アンソニー自身が日常をストーリー化できないことの表れであり、観客は見事にその目線に送り込まれているわけです。認知症を一人称視点で捉えているところが斬新です。その一方で、世話をする娘のアンの気持ちにも共感できるような作りになっているところに本作の巧みさがあります。
主演のアンソニー・ホプキンスがアカデミー主演男優賞だったことは、鑑賞後に他の方のレビューで知りましたが、これは納得です。知っているようで知らない身近な問題を、新しい切り口で見せてくれる本作。おすすめです。
全254件中、181~200件目を表示