水俣曼荼羅
劇場公開日:2021年11月27日
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解説
「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」「ニッポン国VS泉南石綿村」などを世に送り出してきたドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督が20年の歳月をかけて製作し、3部構成・計6時間12分で描く水俣病についてのドキュメンタリー。日本4大公害病のひとつとして広く知られながらも、補償問題をめぐっていまだ根本的解決には遠い状況が続いている水俣病。その現実に20年間にわたりまなざしを注いだ原監督が、さながら密教の曼荼羅のように、水俣で生きる人々の人生と物語を紡いだ。川上裁判で国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用されたものの、それを実証した熊大医学部・浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視して依然として患者切り捨ての方針を続ける様を映し出す「第1部 病像論を糾す」、小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程や、胎児性水俣病患者とその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に懸ける川上さんの闘いの顛末を記した「第2部 時の堆積」、胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさとかなわぬ切なさを伝え、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力などを描き、水俣にとっての“許し”とはなにか、また、水俣病に関して多くの著作を残した作家・石牟礼道子の“悶え神”とはなにかを語る「第3部 悶え神」の全3部で構成される。
2020年製作/372分/日本
配給:疾走プロダクション
劇場公開日:2021年11月27日