ノマドランドのレビュー・感想・評価
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自由に生きると孤独になる。また、逆もしかり。
アカデミー賞取った作品にしては、なにかしら一風変わった作品。
僕も経験あるんですが、バツイチで現在未婚の僕はよく既婚の友人から「自由に生きれてていいよね、羨ましい」とか言われます。
が、僕自身は、内心は孤独で寂しいのです。
でも、結婚していた時は、孤独ではなかったけれど一人の自由な時間を欲していましたね。
結局、どちらか、なんです。
不自由でも人に満たされた生活をとるか、自由に一人で好きに生きるか。
この主人公の場合、別に孤独を求めている訳ではないけど、以前の夫のことを忘れられない。いや、忘れてはならない、と心の芯で強く思っています。だからこそ、あえて孤独の道を選んだんです。
前の夫を思い続ける限り、満たされた生活をすることは許されない、と、自分自身の強い意志を持ってノマド人になっているんですね。
だから、誘われてもノマドを続けるしかない。
誘いにのってノマドをやめてしまうことは、前の夫の事を葬り去ることになるから。
決してノマド生活が悪いものではないけれど、それ以上に、記憶が、感情が、彼女をノマドにさせているんですね!
なにかしら、少し寂しくも儚い話でした…。
そして、こんな映画ばっかり見ている自分は、はたしてまた結婚できるのでしょうか?笑
いろいろ考えさす
僕も会社を定年なったら、どうやって生きていこうか考えてしまった。息子、娘、妻には嫌がられるだろうから、人生の最後はどうしたものか?お金もないから、僕も働かないといけないだろう。
「思い出は生き続ける」っていうけど、それを思うとつらくなる。
観た後の余韻が続く
粗筋を読むと、現在の格差社会を告発する作品のようだが、季節労働の悲惨さはあまり強調されない。「ホームレスなの?」と小学生から尋ねられた主人公ファーンが、「ハウスレスよ。ホームレスとは別物」と強調したように、現代のノマド(流浪の民)として、オカネに縛られず移動の自由を謳歌するのだ。
実際に、アメリカでは高齢者の車上生活者が多いらしく、主人公ともうひとりの男性(ボーン・アルティメイタムの悪役)を除いて、実際のノマドが実名で登場しているので、ドキュメンタリー映画のよう。
アメリカ西部の風景が美しく描かれ、広大さを実感する。あぁ、いつかはアメリカの自然豊かな風景を実際に目にしてみたいなぁ。主人公の生き方について、賛否が分かれると思うが、個人的にはヨシ!である。
柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面
言うまでもなく、現れる風景のすべてが美しい。
自らの人生を語る人々の、皺の刻まれた顔に寄ったカットが多かったのも印象的だった。
幾百の燕の巣に覆われた崖、柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面、これは本当にどこかで見ることができるのだろうか。涙が出た。
楽しい出来事があり、自然は美しく、他人は優しい。
それでも世界には「誰も」いないと気づいてしまう。彼方まで続く砂漠。誰もいない、あなたがいない。
逃れ得ぬ孤独の存在は、例えノマドの生活をしていなくても、多くの人の身に覚えがあると思う。
わたしもある。
誰もいない朝の重力、迫り来る夕暮れ、眠り方を忘れた夜。
映画を見て家に帰った後も、余韻のなか、寂しい気持ちで今これを書いている。
帰り道に買った海苔巻きが美味しくて、少し元気になった。
フランシス・マクドーマンドの執念が見える演技
映画自体はとてもあっさりしていて余計な演出とかも無く
まるで他人の日記を見てるかの様な素っ気ない進行。
だから人によってはこの映画を退屈と見る人もいるだろうし
なんの起伏も無い映画なんて酷評をつける人もいるだろう。
ただ見る人がある程度の高年齢になると誰の身にも起きる問題を淡々と描いているので
結構グッとくる瞬間がある。
その問題とはズバリ「老いと孤独」である。
この主演女優のフランシス・マクドーマンドという人は大したものだと思う。
職業意識の塊の様な人だと思った。
1番ドキリとしたのは冒頭の荒野での放尿シーンと
劇途中でフルートを吹いていると突然差し込みがして
車の中で排泄するシーンがある。
この排泄するシーンと言うのは誰にも見せたくないものである。
それを此処では2回も行ったのはキチンと理由があって
実際に老人介護をしたりその現場を見れば分かるけど
高齢者にとって排泄と言うのは付き物の問題で
それを描きたかったのだろうと思う。
排泄シーンだからどんなグロテスクなものなんだろうと思うかもしれないが
実際はうらぶれて悲しみが伴うものだ。
元々この映画の権利を持っていたのはこのマクドーマンドと言う女優さんらしい。
それで監督を誰にするかでこのクロエ・ジャオ監督を選んだと言う。
恐らくこの排泄シーンを撮ろうと最初に言い出したのはこのマクドーマンドであろう。
何故なら他人が貴方の排泄シーンを撮ろうと言っても
普通女優さんがOKする筈はないからだ。
それだけ彼女の作品に対する意気込みが凄い。
またこの作品で出てくる彼女の髪型だが
とても美容師に頼んだとは思えない所謂「虎刈り」に近いショートヘアだった。
もしかしたら自分で髪を本当に切っているのかもしれず
もし本当にそうなら女優と言う仕事の重みを非常に感じる。
映画自体は淡々と進むのだけれど
その各々のシーンに込められたメッセージの重さが凄い。
この映画の主人公ファーンと絡む各々の出演者との絡みがあるが
彼らにのちのち待っているのは「孤独な死」である。
その死の瞬間を各々が1人1人孤独に向かっている。
でも毎日そんな重い事ばかり考えていられないから
たまには仲間と寄り添って孤独を癒すときもある。
でも最後は結局は1人で「孤独と死」に必死で向かいあってる。
この部分に孤独な高齢者は身につまされそうになるだろうが
途中仲間の1人に一緒にうちの家族と暮らそうと誘われたが結局それもファーンは断る。
え?なんで?孤独から逃げられるのに、と思うかもしれない。
ただやっぱり孤独とは言えど反面気楽だと言う事実もある。
毎日大変だけど大自然が自分の目の前にはあると言う慰めもあって
結局今まで通り孤独を選ぶと言うのも分かる。
孤独を自ら選んでいると言う面も確かにあるのだ。
特にドラマチックに描かれるわけでもなく
淡々と物語が進行するから
掴みどころが無い様に感じるかもしれない。
でも実際に自分がジジイ、ババアの世代になれば
じんわりと胸に迫ってくる様に思う。
映画自体に派手さは無いから一見分かりづらいところがあるけど
まるでスルメの様に噛めば噛むほど味わいが増す。
渋い良い映画でした。
喪失状態にある人の旅
今の時代だからこその映画なんだろうなぁ。
雄大な風景、ことに夕焼けの映像は美しかった、とても寒そうな荒野の雪景色、荒涼とした大地、川での沐浴、野尿、バケツへの排泄、ノマドと呼ばれる人がたくさんいることがわかった。
でも映画としては、何を伝えたかったのかが分かりにくかったけれど、私は、
「喪失状態にある人の旅」として捉えた。
長年暮らして来た町が、無くなってしまう‥まるでツナミが来たように。ツナミならば、自分の目の前からモノは消え失せるのだが、それとは違う。モノは有るのに其処に留まれない不合理さがある。しかも主人公は、唯一の家族であった夫さえも病気で亡くしている。それは、「安心出来る居場所」が無くなった事に等しい。
社宅に住んでいたというのだから、ある程度のコミュニティがあったはずだが、そう思わせる部分はない。
ファーンは、より自分が居心地良い状況に身を置く人ってことだと思った。だから群れない。それが一番自分らしく落ち着き、自分の人生を引き受け、孤独な人ではなく、孤高の人なのかも。
夫のいない家は、彼女の居場所ではなく、新しく自分の人生の居場所を構築していくための放浪、夫と出会う前の自分、つまり元の一人になるってことだけだ、昔よりもだいぶ歳取ったが‥。
全てを解き放って、自分らしくって事は、ある意味、何かを手放すって事なのだとも思う。
でも、これが、何故アカデミー?
私には、あんまり響いてこなかったな。
深い。
人生について、行き方や死に方、時間の使い方。
重いテーマのフルコースです。
「時間を無駄にするな」
はい、分かります。この歳になって実感してます。
ここ10年近く思う存分海外旅行ばっか
行き尽くしました。
特にネバダ州。
映像のネバダがリアルなネバダとして思い出されます。
(超個人的感想)
早朝の肌寒いけど乾燥していて心地いい気候とか。
日本にはない(日本では育たない)植物や風景など。
自分の世界観価値観がぐんと広がりました。
アメリカ人でも(アメリカ広いから)
見たことない土地や風景もあると思います。
この映画みたいに。
コロナ禍でもしかしたら一生行けないかも知れない
と思うと尚更(時にはローンを組んででも)
行ってよかった!と心底思います。
ただ、多くの日本人には真似出来ないとか、
同じ感覚が理解できないとかは多いかなと思います。
日本って世界的にみても安全な国だから
ハウスレスになってもそんなに問題ないと思うけど
日本人ってシャイなのでキャンプ地(?)とかで
軽々しく「ハーイ元気?」なんて声掛けづらいとか
初見の人と一緒にダンス踊るとかできないし、
世間体もあるし、で自由にできないし。
しかも挙げ句の果て、精神病んだ上に孤独死しそうw
そもそも、自由=悪、協調性=良
みたいなとこあるし。
個人的にはあんな自由な生活
素敵だなぁと思うけど。
困ったら助けてくれる家族や友人がいるから
ホームレスじゃないし
自由にできるのかな。羨ましい。
それぞれの生き方
アカデミー賞なのでほとんどエンタメ要素はないです。
根本的にアメリカの年金制度が良くないんだが、人それぞれ理由があって、迷惑もかけず、助け合って、美しい自然の中で生きていて、それが癒しになると伝わりました。
そしてまだまだ働ける自分はこのままでいいのかという自己啓発にもなりました。一生懸命働けば後で報われるという時代ではないですね。
まずは自分の環境、お金を使えることに感謝しつつ、じっくり考えたいと思います
情熱大陸
実質、ドキュメンタリー
ドキュメンタリーを映画の範疇に捉えるには抵抗があるが、情熱大陸だと思えば楽しめる
恐らく日本人には受けないだろうが
音楽も情熱大陸のテーマにすれば、それなりに楽しめただろう。
レビューには、ファーンの行き方を称賛する意見が多いが、果たしてそうだろうか?
彼女にはプラスの部分と負の部分が混在し、
無条件に肯定できる人物像には描かれていない。
風景はキレイです。ただ映画でまず風景を称賛するのは違うくない?
エンタメとして映画をみたい自分としては
映画としての感想は☆2つですが
情熱大陸としては文句なしに星5つ
エンドロールも、情熱大陸のテーマにすれば
一般の日本人的にはよかった
肯定も否定もしないスタンスが心地よい
くるーくるーと聞いてから実際上映するまでに、かなり待った気がする。まだ上映されてない映画があることを考えればまだましか。
映画をみるまでロマドとはなんのことか知らなかったので、まずその在り方、人生の選択にそのような生き方があるということに驚いた。これは小さな日本のような土地の少ない国では無理かな、と思う。
しかし固定の家がなくなる過程が、映画を見る少し前に同じように社宅住まいの方が仕事と家をなくすニュースを見た直後で、今のこの新型コロナの時代の日本ともリンクしていて、その先のオプションとしては、自分が思うより前からあるということも驚いた。パンデミックではない理由で、米国ではすでにそういう状況に追い込まれている人が一定数いるということも知る。
映画・フィクションとして、ノマドであることで得ることもあるが、同時に厳しく辛いことも多くある様子が淡々と描かれていて、カメラ越しに監督の優しさを感じてほっとする。悩まされもするが、同時に癒されもする。
乾いた孤独・・☆
公開時に迷っていた作品だったので、GW中 特に見たいものがなくアカデミー賞受賞と
いうことで鑑賞。
悪くはないけど、ほぼドキュメンタリーのような展開。
逆に日本ではこの作品は撮れないと思った。
広いアメリカ・・・ファーンの車以外に荒れた風景しかスクリーンには映らない。
荒涼感の溢れる風景が続く。
「ノマド」という言葉に憧れる気持ちがあるのは事実。
日本では、スタバでPCで仕事をする人さえも「ノマド」と呼ばれてしまう。
ファーン達ノマドは、終始孤独感が付きまとう。
それも日本的な湿った孤独ではなく、ずっと乾いた孤独。
海岸の崖の上で、吹き飛ばされそうになりながら 風に身を任せるファーン。
まるで、彼女の人生のように・・
出会いと別れを繰り返すノマド達。
幸せそうでも、不幸でもない。
その生き方を選んでいるだけだと思った。
生き方を問う映画
アカデミー賞で話題となったので鑑賞。
主人公の女性は、車中生活をしながら流浪生活を送ることを自ら選ぶ。それは自由であり、かつ孤独である。孤独だからこそ、めぐり逢う人との繋りが愛おしい。各地で淡々と働き、また旅をする。 彼女の心の中は空っぽのようだが、実はそこに入れる何かを求め続けている。それは、決してお金でも友情でもない。何か入れようとしてもそれはすぐになくなってしまうことを知っているのだろう。かつての生活基盤を自らの意思でなく失ってしまったことがトラウマのように。空っぽの心で旅を続けることを自らに課しているようだ。そして大自然に癒やされ、出会う人に癒やされることを求めているようだ。かわいそうとか気の毒とかいう言葉を超越した精神世界がそこにはあるように感じた。
やはりノマド生活は無理(-_-;)
年に数回の車中泊の旅を楽しんでいます
その度に雨や強風の夜を感じながら
家にいるのとは違う
外と一体になりながら寝るのも
ある種の感性を呼び覚ます良い機会だなと思ってました
だからこそドキュメントとして車上生活に興味があります
だけど…そんな甘いもんじゃなかった…
果てしない大地と果てしない孤独、過酷な労働
まったく日本とは違う風景が丁寧に丁寧に映し出されています、ここが映画ね
死ぬまで働く覚悟がいる
それは家賃を払って屋根のある家で生活する貧困者も同じだけど
人それぞれ人生色々
とりあえず、アカデミー賞を取ったと言う事で見てきました。
ま、アカデミー賞をとれる作品なんでこんなものでしょう・・・・めちゃめちゃつまらないと言う作品ではないですが、賞を貰うと言う観点で見ると、評価ポイントを聞きたくなるかな・・・・ま、私的には、映画に芸術性は望んでいないの別にいいけど・・・
本作品、自身の生き方について考えさせられるかな・・・・
特に日本って、いい学校を出ていい会社に入る事がステータスと言う感じになるんだどけど、どんな国でもどんな世界でも仕事で成功してお金が有っても幸せであるとは限らないし、ギリギリの生活でも、人生を楽しんで死んでいいく人もいるだろうし・・・・
特に最近有った紀州のドンファン事件だって、事件の真相が想像通りであれば、幾らお金が有って多くの女性と付き合ってお金を使っていても、結局あのような死に方をしたらどうなのとおもうしね・・・・
しかし、逆に、ある意味、苦労して成功しても苦労が身につくのも嫌だし、今の自分、これからの自分と照らしあいながら本作品を見る事が出来ました。
本作品のような作品は、人それぞれの考えがあると思いますが、ひとそれぞれの考え方有って凄くいいと思います。
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