映画レビュー
万世一系の血
明治維新の時代に、農民出身であるが故に虐げられた男が女性を凌辱し殺したその呪われた血が昭和まで綿々と続いて犯行が繰り返されるというお話です。
「『異常者』の呪われた血は子から孫へと受け継がれる」と言う物語をそのまま描いては、「人殺しの子は人殺し」と言う安易な偏見を再生産する恐れがあり、それこそが若松プロの別作品『復讐鬼』の背景であった事を思うと、現代的な視点からは違和感を覚えます。若松プロの人々の間では当時そんな考え、或いは議論はなかったのかな?
でも、そこを一旦置いとくならば、ネットリしながらもテンポよく進み、「そう来るのかぁ」の展開にはすっかり惹き付けられてしまいました。「問題あるけど、魅力的」この辺が若松作品の複雑さなのでしょうか。
また、75分でこれだけにまとめられるんだな、と感心しました。
追伸:帰り道、ふと思ったのですが、本作はもしかして「万世一系の血」へのアイロニーなのかな・・・それは考え過ぎか。
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"ひと狼"
明治から大正、昭和初期に遡り、復讐の血から逃れられない三世代?の物語。
一つの場面ごとの濡れ場シーンが長い、どの時代も変わらない場面展開に飽きてしまうが、オドロオドロしい雰囲気が奇妙でもあり興味心は薄まらず。
陰鬱で卑猥なイメージを題名から見受けられるような、暴力シーンや濡れ場などは控え目に、物語も単純明快にオチまで突き進む。
ピンク映画の名残が、、、、。