エリ・エリ・レマ・サバクタニ
劇場公開日:2006年1月28日
解説
「EUREKA ユリイカ」の青山真治監督が、謎の致死性ウイルスが蔓延した世界で未来への希望を見いだそうとする人々の姿を、希望の象徴である“音”と美しい映像で描いた近未来ドラマ。
2015年。映像を通してウイルス感染し確実に死に至る「レミング病」が世界中に蔓延し、人々は絶望感に満ちた日々を送っていた。そんな中、発病を抑制する唯一の方法が発見される。それは、ミズイとアスハラの演奏する“音”を聴くことだった。ある日、彼らのもとに、レミング病に感染した孫娘ハナを助けてほしいという富豪が現れる。ミズイを浅野忠信、ハナを宮崎あおい、アスハラをミュージシャンの中原昌也、ハナの祖父を作家の筒井康隆が演じた。
タイトルの「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」はイエス・キリストの最期の言葉で、「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」を意味するヘブライ語。2005年・第58回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作品。
2005年製作/107分/日本
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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2022年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
レミング病という感染すると自殺してしまう病気が流行する。
このウイルスの活動を止める効果のある騒音に注目した大富豪は・・・。
理解不能でした。
圧倒的な音楽を表現するのは難しいなと思った。冷めてしまった。
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タイトルの意味は「神よ、何故に我を見捨てたもうや。」マタイ27章46節。十字架にかけられたキリストの最期の言葉。
西暦2015年、感染経路不明の自滅ウィルスによる自殺者が急増。人口統制とか政府の陰謀か?みたいな始まり。そういう病気があるというだけでレミング病に関しては世界設定。はじまりに出てきた人たちのこっちの話は以降は展開せず。大金持ちの老人の孫ハナがこの自殺する病にかかり、病気の進行を止める効果があるとされる音楽を奏でるミュージシャンのもとを訪ね演奏してくれと頼む。それだけの話。
ノイズ音楽家の2人のうちのアスハラは感染している。もう1人のミズイの恋人は過去にレミング病で自殺している。
自殺が本当に病気によるものなのか、絶望によるものなのかというのもストーリーに幾分含まれてるけど結局なんなのかわかんないまま。
ノイズミュージックがお好みの人にはたまらない内容なのかもしれないが、音楽に興味がない人にはあまり響かない映画だと思う。だだっ広い場所で爆音を鳴らす場面が非常に良かった。
2018年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
失業率増大!2015年には日本の失業率も38%に膨れ上がり、自・殺者も300万人にまで増えてしまった。それもほとんどは“レミング病”の蔓延によるもの。感染すると自・殺してしまいたくなるという恐ろしい病気なのです(ただし、普通の自・殺とは区別がつかない)。ウィルスによるものだが、感染経路もわからないし原因だってつかめてない。唯一救われる方法は、ミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)のユニットによる“音”のパフォーマンスを聞くことだったのだ。
この2人は波の音、掃除機のホースの音、貝殻の音、野菜をつぶす音等々をサンプリングし、コンピュータで加工し、前衛的な音楽を奏でるというもの。とても音楽とはいえないシロモノですが、レミング・ウィルスが死滅もしくは停滞する効果があるのです。音を拾い、ディレイマシンやフランジャーやタッチワウなどのエフェクターを通す。ゲインを下げフリークェンシーを高め、レゾナンスを上げて・・・シンセサイザーもミニムーグからKORGまで加工しまくりで、音に陶酔しなければ出来あがらない。普通の音楽に慣れ親しんだ者にとっては雑音でしかない世界。限りなく自己満足に近い不快音楽の部類なのだった。
金持ちのおっさん(筒井康隆)が、レミング病に感染した孫娘ハナ(宮崎あおい)を連れて2人の元へやってきて「演奏してほしい」と懇願するが、2人は「好きなときにやる」と答えるだけ。自由な音楽家といった雰囲気なのだが、探偵が持ってきた資料には死なせてしまった恋人のカルテがあったことから興味を示すのだが・・・といったストーリー。厭世観と楽天主義が混在しているような中心人物だったけど、人の死に直面すると考えも変わり、甘えの思想も心を無にすると道が開けるようなことを感じました。タイトルの意味が「神よ、なにゆえにわれを見捨てたもうや」ということらしいので、悲観的な内容かと思いきや、そうでもなく、最後には爽快感さえ残る不思議な作品でした。
2人の行きつけであるペンションのオーナーが岡田茉莉子。彼女が登場してアップになると、「犯人は彼女だ!」と叫びたくなってしまうのは何故なのだろうか・