護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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ずっと悔しい気持ちになった
生活保護をめぐる内容。
清原が言う通り、生活保護を申請しないように誘導して餓死させるなんて“人災”以外の何物でもない。
ただ、役所の人も国からの圧力、生活保護受給者を否定する世間の空気感に負けてしまい、そうせざるを得なかったのかもしれない。
登場人物の中に悪人がいたとは思えない。
本当に日本政府、とりわけ財務省が舵をとって進めてきた緊縮財政がクソであるかをつきつける作品。
そして、このクソみたいな現状から打開するために、何をすべきかを考えなければいけない、というメッセージをもらった。
静かだけど確かな演技力
佐藤健が良い。叫んだり、大声をあげたりするわけじゃないけど、確かな怒りを表情から感じられる。
善人と呼ばれた2人が投げつけた言葉には善人のかけらも感じられなくてちょっとびっくりした。
圧巻の芝居。画面から伝わる熱量がすごい
佐藤健、阿部寛、清原果耶、林遣都と演技派のオンパレード。
どいつもコイツもやっばいやっばい、すごい芝居。
分かってはいたけれども清原果耶の芝居は素晴らしい (そもそもそれが観たくて、見始めた)。
2002年産まれってことは、100%、これ撮影時、10代ですよね?
...バケモンだわ。
他では絶対に観られない佐藤健の殺意剥き出しの感じも、イイ。
るろうにとは違って、眼が46時中血走っている。
普通に阿部寛が雰囲気俳優かと思うくらい、霞む。
それくらい、上記2名がスゴイ。
話の内容はなかなかに切ない。
時系列を前後に弄るのは分かったから、せめて画面でもうちょっと一目で分かるよう
区別してほしい。
護らなかった我々へ
生活保護をテーマにしたミステリ
ストーリーの意外性というよりは現代社会の問題を提起する社会はミステリの一つですね。
生活保護は国に助けてもらうと考えるのではなく、自分たちが自分たちでみんなを支えている制度だと考えるべきだと思う。支えられるべき人が支えられないのであれば、僕らは安心して生活できない。なぜなら自分たちがいつ働けなくなるかわからないし、苦しい思いをするかわからない。みんなが安心して暮らすためには、必要な人は必ず生活保護を使うべきだ。何も恥じることはない。むしろ、支えるべき人を支えられないことこそが我々の恥である。
この映画の結末自体は個人的には好きではないし、ミステリでしかこういうものを映画として描けないのは少し残念でもあるが、人々に広く問題提起するためとしてはお勧めしたい作品ではある。
東日本大震災を絡めたサスペンスドラマ
始まった途端、東北の大震災の際見た様な学校だったので、重い気分になった。もうこの様な映画が出来るのだな、早いなぁと言う思い。被災者の当時の状況はこういう感じだったのだろうな。寒くて暗い教室で身を寄せ合って、まだ自分の身内がどこでどうしているのかも分からず、寝付く事も出来なかっただろう。
映画については避難所で知り合った三人がお互いの欠けた心を補い合い励まし生活する様子、特に生活保護を勧めるシーンでは心打たれた。警視庁から来た林遣都の演技は気に入らなかったけれど、大物俳優が次々出てきて驚いた。吉岡秀隆は火葬場にまで駆けつけ良い人だと思ったのになぜ殺される側になるのか分からなかった。
最後にサプライズ。いつ阿部寛に「黄色のパーカーの子」がカンちゃんだと分かるかなぁと思っていたけどもうひと捻りありました。
原作と同じオチは使えない
原作ではカンちゃんの正体でどんでん返しがあるのだけど、それは文字だけの小説だから使えた手法だったので映画ではどんでん返しを前提にはしていない。どんでん返しなど無くても作品になるとふんでの採用だったのだろう。
本作のテーマは生活保護だが、震災後の東北という状況を被せることで、問題点がより際立っている。本当に救済を必要としている人は生活保護が受けられず、不埒なものたちが生活保護を受けていく。その現実から目を晒さずに向き合っていく必要があるのだろう。
絶大な佐藤健人気
佐藤健人気がすごくて映画を観ないのにファンがパンフレットを購入したりしていて売り切れ状態。
作品はというと、最初から最後まで胸に響くような内容や演技で俳優陣も豪華で最後の最後までスクリーンに釘付けでした。
佐藤健の凄まじい演技
テーマは生活保護。東日本大震災は様々な人たちの生活を踏みにじっていった。それぞれ家族と離れてしまった佐藤健扮する利根泰久、倍賞美津子扮する遠島けい、清原果耶扮する円山幹子は他人ながら寄り添って生きていた。
佐藤健の演技が凄まじかったな。泥水に顔をつけられてもひるまず、歩く姿も常に何かしでかしそうな出で立ちで、犯罪者の雰囲気が良く出ていたよ。
これに阿部寛扮する出世を望まない苫篠刑事が執念深くからんでいく。林遣都扮する蓮田刑事は、役柄もありちょっとイメージ下がったな。
サプライズを狙ってるんだけど…
邦画にクサい台詞や演技はありがちですが、ギリギリそうならない程度でした。大物役者たちの力でしょうね。
必要以上に家族ドラマを見せないで大事なシーンだけに収めてたのはよかったです。
全体を通したシナリオ的には普通でした。
犯人おびき寄せるのに顔割れてる阿部寛がいたらダメだろ。そういうあたりサスペンス性が薄かったです。
真犯人のオチも分かっちゃったし、色んな新事実が判明するんですが、イマイチドキドキせず。サプライズを狙ってるんだけど、スローなテンポのせいでスベってた感じです。
あと阿部寛の台詞は相変わらず聞き取りづらいです(笑)
重たい犯罪の話だが、
善と悪の真っ二つではない。いいところもあれば悪いところもある。光もあれば影もある。救いようのないことにも救いがある。
清原果耶さんと佐藤健さんの演技、特に表情に、魅入ってしまった。
余談ですが、【汚名挽回】というセリフ、気になって調べてしまった。実は、誤用ではないんですね。
倍賞美津子・・・流石です。
連続殺人事件を追う刑事が辿り着く、震災に見舞われた人々の悲劇の軌跡。
極めて私好みのシリアスな社会派サスペンスで、冒頭から引き込まれます。
俳優陣も見事な演技。主演格の阿部、佐藤、清原は勿論、圧巻は倍賞美津子。優しく、気丈で、でも古い固定観念に縛られた年老いた弱い女性。私の母も同年代なので、その演技の迫真さと迫力に驚きを覚えます。
ただ、映画としては高い評価は難しく感じます。
理由は簡単。社会派としても、サスペンスとしても、今一つだからです。
サスペンスで言えば、犯人が簡単に想像出来てしまいます。当初から犯人と目されていた利根からどんでん返しするのであれば、犯人は円山しかいません。それは捻りがなさ過ぎて、驚きがありません。
彼女を犯人にするなら、「何故、今なのか?」をしっかりと描くことが必要だと思います。遠島けいが亡くなってから数年経っています。その間円山は生活保護の窓口で立派に仕事をしているわけですから、今殺人を犯すにはそれなりの理由が必要です。逆に言えば、その理由が明示出来れば、物語はより一層深みを増すことが出来るのですが・・・それがまったく描かれていません。
社会派ドラマとしても今一つ・・・というよりは、不愉快。日本の生活保護の問題を描きたかったのでしょうが、一方的に窓口の職員を悪者にする描き方は納得が出来ません。法律や上位官庁の指示、予算・・・それらに苦悩する職員等を描ければ、これもより深い描き方が出来たのでしょうけど、それも殆どなし。こんな描き方をされたら、窓口で頑張っている職員が浮かばれません。
役者の皆さんが素晴らしい演技を魅せてくれていただけに、残念でなりません。
私的評価はやや厳しめにしました。
永山瑛太がムカつく!
重たい、非常に重たい映画でした。
鈍色の映像が、東日本大震災で人々が心に負った傷を現しているような。
主要な登場人物は少ないので、謎解き要素は全くありませんが、観てる側が想像する最悪の事態に一歩、一歩近づいていく感覚が何とも切ないです。 そしてエンドロールで流れる、桑田佳祐の月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)で涙。涙。 豪華キャストの皆さんも迫真の演技で、引き込まれますが、個人的には永山瑛太。心のこもっていない対応をする職員の役を、見事に演じきっておられます。本当に憤りを感じました。
佐藤健の新たな魅力発見。
原作は中山七里の同名小説。
被災地・仙台を舞台に、生活保護の実態を問う社会派ミステリ。
るろうに剣心主演の佐藤健が、役者として新たな境地を拓いた一作。
あの細面に野太いハスキーボイスというミスマッチを活かした、姿をみせない寡黙な殺人容疑者というキャスティングは見事。
刑事役の阿部寛や生活保護の窓口役ほか、周囲を固める俳優もみな安定感十分。
ただし清原果耶が好演したカンちゃん、この設定のみ、原作とは性別が違ったがゆえに色んな部分で齟齬が出てしまいました。
詳しくは語りませんが、清原さん、可憐で愛らしすぎです。
キャラの演技はよかっただけに、使い方がもったいなく思いました。
それでもリアルかつ魅力十分な人物たちによる、抑制の利いた物語は、社会保障制度の難しい問題を説得力をもって視聴者の心に訴えてきます。
ミステリファンや社会問題に注目する方、なにより佐藤健ファンに、ぜひとも見ていただきたい逸品です。
一言「重厚」。
震災で被災した話と生活保護の話が、過去と今に行き来する内容(9年)。
生活保護の申請や認定が、うまく機能していなかったら?。
その責任は、誰が取るのだ?。
そこに起こった殺人事件。
福祉の盲点や弱点を、うまく突いてます。
主役級の俳優さんたちがゴロゴロ出演しているので。
あれ、誰が一番悪いやつ?がわかりません。
私的には、ええーー!と驚きました。
「護る」ということ、それはどういうこと?。
終盤その意味がわかってきて、胸熱。
144分あったけど、もうお腹いっぱいな展開。
社会に問う内容でした。思っていたほどヘビーではないので機会があれば。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「声をあげてください。そうすれば誰かが助けてくれる」
生活保護を貰うべき人が貰えない現実、曖昧な制度と行政の問題点。 重...
生活保護を貰うべき人が貰えない現実、曖昧な制度と行政の問題点。
重い内容ではあるけれど、わかりやすく、伝わりやすい内容だったと思う。
特に清原果耶の演技が良かった。
そしてラスト、本当に自分の家族かはわからないけど、きっと自分の家族だと思い救われる阿部寛の心情はぐっと来ました。
2時間に及ぶプロローグ
国の政策やらは、一度始めたらなかなかやめられない
会社や法人でも、矛盾や根拠の無い事、「なんか違うよなー」と感じる事でも、なかなかやめられないし、変えられないし、変えてくれない
声を上げても聞いて貰えず、国に対しても声を上げようが
何も変わらない
で、結局諦める………
富裕層でも、貧困でも無い私たちは
どうにか稼いでる収入の中で、山ほど税金を払い
年金を払い、失業中に健康保険に加入していないと
口座凍結までされかねない制度の中で(本当の話です(笑))
いずれは迎える年金生活の保証すら危うい現実
我々の税金を湯水のように使っていても、貰える立場になると
「貰えるものは貰っておこう」と思うのがほぼ一般的だ
生活保護なるものは、何十年も前からおかしいものだ
日本全国で、その基準が統一されている訳でも無く
地域性もあり、その地域性の中には差別も存在した
生活保護を貰いながら、外車に乗っていたり
パチンコ屋通いをする輩が存在する一方
僅かなはみ出しを責められたりもするのだ
犯人逮捕迄の経過は、何だか消化不良で
2時間の以上の時間の経過を感じさせない面白さはあるものの
映画として中途半端な感覚を否めなかった
生活保護という制度に斬り込むには浅く
何より、映画という限られた時間の中で
掘り下げる事は不可能だし
ミステリーと言うには、アッサリしていた
が、ラストでその感覚は払拭された
15分程のシーンの為に、2時間のプロローグが
用意されたような感覚だった
清原果耶は、ほんといい女優さんだね
倍賞千恵子さんなら、良かったなぁ
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