護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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痛く辛い
ずっと悔しい気持ちになった
生活保護をめぐる内容。
清原が言う通り、生活保護を申請しないように誘導して餓死させるなんて“人災”以外の何物でもない。
ただ、役所の人も国からの圧力、生活保護受給者を否定する世間の空気感に負けてしまい、そうせざるを得なかったのかもしれない。
登場人物の中に悪人がいたとは思えない。
本当に日本政府、とりわけ財務省が舵をとって進めてきた緊縮財政がクソであるかをつきつける作品。
そして、このクソみたいな現状から打開するために、何をすべきかを考えなければいけない、というメッセージをもらった。
圧巻の芝居。画面から伝わる熱量がすごい
護らなかった我々へ
生活保護をテーマにしたミステリ
ストーリーの意外性というよりは現代社会の問題を提起する社会はミステリの一つですね。
生活保護は国に助けてもらうと考えるのではなく、自分たちが自分たちでみんなを支えている制度だと考えるべきだと思う。支えられるべき人が支えられないのであれば、僕らは安心して生活できない。なぜなら自分たちがいつ働けなくなるかわからないし、苦しい思いをするかわからない。みんなが安心して暮らすためには、必要な人は必ず生活保護を使うべきだ。何も恥じることはない。むしろ、支えるべき人を支えられないことこそが我々の恥である。
この映画の結末自体は個人的には好きではないし、ミステリでしかこういうものを映画として描けないのは少し残念でもあるが、人々に広く問題提起するためとしてはお勧めしたい作品ではある。
東日本大震災を絡めたサスペンスドラマ
始まった途端、東北の大震災の際見た様な学校だったので、重い気分になった。もうこの様な映画が出来るのだな、早いなぁと言う思い。被災者の当時の状況はこういう感じだったのだろうな。寒くて暗い教室で身を寄せ合って、まだ自分の身内がどこでどうしているのかも分からず、寝付く事も出来なかっただろう。
映画については避難所で知り合った三人がお互いの欠けた心を補い合い励まし生活する様子、特に生活保護を勧めるシーンでは心打たれた。警視庁から来た林遣都の演技は気に入らなかったけれど、大物俳優が次々出てきて驚いた。吉岡秀隆は火葬場にまで駆けつけ良い人だと思ったのになぜ殺される側になるのか分からなかった。
最後にサプライズ。いつ阿部寛に「黄色のパーカーの子」がカンちゃんだと分かるかなぁと思っていたけどもうひと捻りありました。
原作と同じオチは使えない
原作ではカンちゃんの正体でどんでん返しがあるのだけど、それは文字だけの小説だから使えた手法だったので映画ではどんでん返しを前提にはしていない。どんでん返しなど無くても作品になるとふんでの採用だったのだろう。
本作のテーマは生活保護だが、震災後の東北という状況を被せることで、問題点がより際立っている。本当に救済を必要としている人は生活保護が受けられず、不埒なものたちが生活保護を受けていく。その現実から目を晒さずに向き合っていく必要があるのだろう。
絶大な佐藤健人気
佐藤健の凄まじい演技
サプライズを狙ってるんだけど…
重たい犯罪の話だが、
善と悪の真っ二つではない。いいところもあれば悪いところもある。光もあれば影もある。救いようのないことにも救いがある。
清原果耶さんと佐藤健さんの演技、特に表情に、魅入ってしまった。
余談ですが、【汚名挽回】というセリフ、気になって調べてしまった。実は、誤用ではないんですね。
倍賞美津子・・・流石です。
連続殺人事件を追う刑事が辿り着く、震災に見舞われた人々の悲劇の軌跡。
極めて私好みのシリアスな社会派サスペンスで、冒頭から引き込まれます。
俳優陣も見事な演技。主演格の阿部、佐藤、清原は勿論、圧巻は倍賞美津子。優しく、気丈で、でも古い固定観念に縛られた年老いた弱い女性。私の母も同年代なので、その演技の迫真さと迫力に驚きを覚えます。
ただ、映画としては高い評価は難しく感じます。
理由は簡単。社会派としても、サスペンスとしても、今一つだからです。
サスペンスで言えば、犯人が簡単に想像出来てしまいます。当初から犯人と目されていた利根からどんでん返しするのであれば、犯人は円山しかいません。それは捻りがなさ過ぎて、驚きがありません。
彼女を犯人にするなら、「何故、今なのか?」をしっかりと描くことが必要だと思います。遠島けいが亡くなってから数年経っています。その間円山は生活保護の窓口で立派に仕事をしているわけですから、今殺人を犯すにはそれなりの理由が必要です。逆に言えば、その理由が明示出来れば、物語はより一層深みを増すことが出来るのですが・・・それがまったく描かれていません。
社会派ドラマとしても今一つ・・・というよりは、不愉快。日本の生活保護の問題を描きたかったのでしょうが、一方的に窓口の職員を悪者にする描き方は納得が出来ません。法律や上位官庁の指示、予算・・・それらに苦悩する職員等を描ければ、これもより深い描き方が出来たのでしょうけど、それも殆どなし。こんな描き方をされたら、窓口で頑張っている職員が浮かばれません。
役者の皆さんが素晴らしい演技を魅せてくれていただけに、残念でなりません。
私的評価はやや厳しめにしました。
永山瑛太がムカつく!
佐藤健の新たな魅力発見。
原作は中山七里の同名小説。
被災地・仙台を舞台に、生活保護の実態を問う社会派ミステリ。
るろうに剣心主演の佐藤健が、役者として新たな境地を拓いた一作。
あの細面に野太いハスキーボイスというミスマッチを活かした、姿をみせない寡黙な殺人容疑者というキャスティングは見事。
刑事役の阿部寛や生活保護の窓口役ほか、周囲を固める俳優もみな安定感十分。
ただし清原果耶が好演したカンちゃん、この設定のみ、原作とは性別が違ったがゆえに色んな部分で齟齬が出てしまいました。
詳しくは語りませんが、清原さん、可憐で愛らしすぎです。
キャラの演技はよかっただけに、使い方がもったいなく思いました。
それでもリアルかつ魅力十分な人物たちによる、抑制の利いた物語は、社会保障制度の難しい問題を説得力をもって視聴者の心に訴えてきます。
ミステリファンや社会問題に注目する方、なにより佐藤健ファンに、ぜひとも見ていただきたい逸品です。
一言「重厚」。
震災で被災した話と生活保護の話が、過去と今に行き来する内容(9年)。
生活保護の申請や認定が、うまく機能していなかったら?。
その責任は、誰が取るのだ?。
そこに起こった殺人事件。
福祉の盲点や弱点を、うまく突いてます。
主役級の俳優さんたちがゴロゴロ出演しているので。
あれ、誰が一番悪いやつ?がわかりません。
私的には、ええーー!と驚きました。
「護る」ということ、それはどういうこと?。
終盤その意味がわかってきて、胸熱。
144分あったけど、もうお腹いっぱいな展開。
社会に問う内容でした。思っていたほどヘビーではないので機会があれば。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「声をあげてください。そうすれば誰かが助けてくれる」
生活保護を貰うべき人が貰えない現実、曖昧な制度と行政の問題点。 重...
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