粛清裁判

劇場公開日:

粛清裁判

解説

国際的に高く評価されるウクライナ出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァ監督が、スターリンによって行われた約90年前の裁判の記録映像を基に製作したドキュメンタリー。1930年モスクワで、8人の有識者が西側諸国と結託してクーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。これはスターリンによる見せしめ裁判で、撮影された法廷の様子はソビエト最初期の発声映画「13日(「産業党」事件)」となった。発掘されたアーカイブフィルムには、無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な姿が記録されていた。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像を加えて再構成し、権力がいかにして人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるかを描き出す。

2018年製作/123分/オランダ・ロシア合作
原題または英題:The Trial
配給:サニーフィルム
劇場公開日:2020年11月14日

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映画レビュー

4.0【”扇動される群衆”今作は、スターリンの独裁体制構築と後の大粛清に繋がる恐ろしいデッチ上げ裁判を映し出した、ラストに流れるテロップに戦慄するドキュメンタリー映画である。】

2025年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

怖い

知的

難しい

ー 冒頭から、8人のロシアの有識者達が西側諸国と結託して、クーデターを企てた疑い通称”産業党裁判”で、“見せしめ裁判”にかけられる様が描かれる。
  だが、不自然な事に1名を除いて弁護士を立てずに、罪を認め、夫々の弁明をしていく。そして口々に自分達の誤りを認め、ソ連の国体の素晴らしさを口にするのである。
  裁判の間には、群衆たちが旗を掲げ当時のフランス大統領ポアンカレを激しく糾弾するデモや”銃殺を要求する”と掲げた横断幕が映されるのである。
  そして、判決が言い渡される。
  多くの者が、全財産没収、銃殺を言い渡される。
  【が、ここでセルゲイ・ロズニツァ監督によるテロップが流れるのである。”産業党は無かった”と。全ては、スターリンによるデッチアゲ裁判であり、後年、処刑された者を含めて、全員の名誉が回復された事と、この裁判の裁判長を務めたヴィシンスキーソ連最高裁裁判官がニューヨークで自殺した事が、テロップで流れるのである。】
  今作は、権力者によってでっち上げられた裁判の恐ろしさを、セルゲイ・ロズニツァ監督が、冷徹な目で後世に残したドキュメンタリー映画なのである。>

<2021年1月 伏見ミリオン座にて鑑賞>

<2025年1月 別媒体にて再鑑賞>

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NOBU

3.5ウソ

2022年3月31日
iPhoneアプリから投稿

何度か寝たけど問題ない。寝ても大丈夫。なぜならみんなウソだから。

この裁判で話されていることは意味がなくて、この裁判があったこと、産業党なんてなかったこと、判決、彼らのその後が重要。

知的な人々がやってもいないことをやったと言い切り、赦しをこうのはどんな気持ちなんだろう。少なくとも表情からは読み取れない。

これがいまのロシアと地続きなんだなあと。日本も遠くはないようにも思う。

デモの人々は熱気がなく、動員されているように見えた。

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hyvaayota26

3.5スターリンはこのようにして何百万人も粛清したらしい

2021年3月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

1930年、8人の有識者がクーデターを企てたと疑われ裁判にかけられた。産業党裁判として起訴され全員反省していたのに多くが銃殺刑になった。
裁判の展開と群衆のデモを交互に映す演出で進み結論が見えてるような裁判が続く。
産業党がソ連の社会主義国家を転覆させようとしていると言う事で裁かれるが、事実はスターリンによる見せしめ裁判で無実の罪を着せられた被告人たちの気の毒な裁判の記録だった。
裁判所に多くの傍聴人を入れ、検察と判事がスターリンの意向に沿った発言をし裁判が続く。
スターリンの労働者のための社会主義に熱狂する群衆の映像が当時のソ連の状況を反映されてて、いかに権力側が民衆を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を強化していったかを描い作品。
これは国葬と違って入り込めた。
被告があんなに反省しててもでっち上げで銃殺とは・・・スターリン恐るべし、だった。

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りあの

3.0権力という名の魔物が成せる劇場

2021年3月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

寝られる

ソ連最高裁という名のスターリン劇場で展開される国家最大の茶番劇

本作もロズニッツアはナレーションを入れず粛々とフィルムのコマを進めていくためやや単調な感じは否めないが、あるがままを写すのが作風であろうから、これは理解した上で鑑賞しなければならないだろう。

それにしてもこんな在りもしない罪を捏造し権勢を維持しようとする人の強欲さには飽きれ果てる。

やはり権力は人間をどうとでも変えてしまう恐ろしいものである。

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ちゆう

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