粛清裁判
劇場公開日 2020年11月14日
解説
国際的に高く評価されるウクライナ出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァ監督が、スターリンによって行われた約90年前の裁判の記録映像を基に製作したドキュメンタリー。1930年モスクワで、8人の有識者が西側諸国と結託してクーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。これはスターリンによる見せしめ裁判で、撮影された法廷の様子はソビエト最初期の発声映画「13日(「産業党」事件)」となった。発掘されたアーカイブフィルムには、無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な姿が記録されていた。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像を加えて再構成し、権力がいかにして人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるかを描き出す。
2018年製作/123分/オランダ・ロシア合作
原題:The Trial
配給:サニーフィルム
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何度か寝たけど問題ない。寝ても大丈夫。なぜならみんなウソだから。
この裁判で話されていることは意味がなくて、この裁判があったこと、産業党なんてなかったこと、判決、彼らのその後が重要。
知的な人々がやってもいないことをやったと言い切り、赦しをこうのはどんな気持ちなんだろう。少なくとも表情からは読み取れない。
これがいまのロシアと地続きなんだなあと。日本も遠くはないようにも思う。
デモの人々は熱気がなく、動員されているように見えた。
2021年3月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
1930年、8人の有識者がクーデターを企てたと疑われ裁判にかけられた。産業党裁判として起訴され全員反省していたのに多くが銃殺刑になった。
裁判の展開と群衆のデモを交互に映す演出で進み結論が見えてるような裁判が続く。
産業党がソ連の社会主義国家を転覆させようとしていると言う事で裁かれるが、事実はスターリンによる見せしめ裁判で無実の罪を着せられた被告人たちの気の毒な裁判の記録だった。
裁判所に多くの傍聴人を入れ、検察と判事がスターリンの意向に沿った発言をし裁判が続く。
スターリンの労働者のための社会主義に熱狂する群衆の映像が当時のソ連の状況を反映されてて、いかに権力側が民衆を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を強化していったかを描い作品。
これは国葬と違って入り込めた。
被告があんなに反省しててもでっち上げで銃殺とは・・・スターリン恐るべし、だった。
2021年3月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ソ連最高裁という名のスターリン劇場で展開される国家最大の茶番劇
本作もロズニッツアはナレーションを入れず粛々とフィルムのコマを進めていくためやや単調な感じは否めないが、あるがままを写すのが作風であろうから、これは理解した上で鑑賞しなければならないだろう。
それにしてもこんな在りもしない罪を捏造し権勢を維持しようとする人の強欲さには飽きれ果てる。
やはり権力は人間をどうとでも変えてしまう恐ろしいものである。
2021年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
群衆ドキュメンタリー映画第二弾
ソ連の歴史に詳しくないので登場人物がまったくわからなかったけれど、鑑賞後にはソ連の勉強したくなる作品でした。
「東京裁判」のように自国の歴史とかだとすんなり頭に入ってくるのだが、なんせほぼ知識なしで鑑賞したため字幕をよんでるのに必死で内容あまり着いていけなかった。
それでも被告人たちがどうにかこうにか助かりたいがために罪を認めたり、国に尽くすと誓ったりして必死さが印象的だった。
裁判って基本的に被告人は罪を認めないものだと思っていたので、やけに素直だなとか往生際の悪い奴だな、なんて考えていたのだけれど。
どうやら彼らはでっち上げられた罪で裁かれていたようですね。スターリン等の政策による民衆の怒りの矛先を背負わされただけの被害者だったようです。
そう考えて彼らを見ると、いかに生き延びるため国家に媚びるねばならないかが伝わってくる。
浅い知識の私には表層しか読み取れなったけれど興味深い作品でした。
最後の字幕で被告人や関係者の末路が紹介されるのだが、なんとも恐ろしい結末でなんとも言えない気持ちになった。
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