ストレイ・ドッグのレビュー・感想・評価
全40件中、21~40件目を表示
ここまでの汚れ役をニコール・キッドマンが演じるとは、思っていなかった…
120分できちんとスタート地点に戻る物語
17年前、潜入操作に失敗して愛する人を失った女性刑事が復讐に突き進む。特殊メイクを施されたニコール・キッドマンの顔がその荒んだ内面を表す。
原題は「Destroyer」、破壊者である。
刑事でありながら情報を得るためなら手段を問わない。終盤、ついに見つけた復讐相手もためらいなく射殺する。しかし、それ以前に破壊されているのは酒浸りになってすさんだ自分であろう。
娘が子供の頃の思い出として語った雪山の記憶。なぜ雪山をさまようはめになったのかよくわからない。しかし、ニコール・キッドマンにおんぶされて雪山を歩くのは美しい記憶に違いない。
物語は少しだけトリッキーな構成だが、120分の物語の軌跡がきちんと円を描いて終わったような印象を受けた。
カリン・クサマ監督はもうずいぶん前であるがシャーリーズ・セロン「イーオン・フラックス」の監督であるらしい。ニューヨーク、ブルックリン生まれの日系人。
タイトルなし
病んだぁ〜💦
きっと誰のせいでもない‼️1日も早い収束(終息)を‼️
紫の毒
17年前に未解決となった銀行強盗事件の後始末をする為に、当時の主犯格を追う女性刑事の話。
首の後にタトゥーのある身元不明の射殺体、遺体の傍らにはゴースト銃と紫色の染料がついた100ドル札が見つかる事件から始まり、17年前の事件当時、FBIの潜入捜査官として事件に絡んでいた主人公の元に、紫色の染料がついた100ドル札が届きと続いて、17年前の経緯と現在の捜査とを、織り交ぜながらみせていく。
フラフラなのに荒っぽい単独行動の主人公のやさぐれ感が、重々しくて非情に良い雰囲気。
並行してみせる潜入捜査時代の様子も、どっぷりアウトローに染まっていてこれまた危なっかしく良い雰囲気。
話が進行して17年前の結末と、現在のボスへの距離が近付いて行くと、それまでの伏線がしっかり回収されていき結構意外な結末に。
まあ、もしかしたら程度では感じてはいたけれど。
サスペンスとしてみたら、ツッコミどころも結構あるけれど、ノワールドラマとしてみると、重々しさと、危なっかしさのあるストーリーに、家族の話までもが繫がって、なかなか面白かった。
キッドマンありき。
贖罪、例えば愛。例えば『ハートブルー』のように(意味合いはまるで違...
贖罪、例えば愛。例えば『ハートブルー』のように(意味合いはまるで違うが)葛藤し、例えば『レザボア・ドッグス』のように時間軸は入り乱れる複雑な語り口…かつ、親切設計。他にも様々な《L.A.ノワール》や70年代の刑事ドラマ等が頭を過る瞬間がある。直射日光下と夜、撮影や音楽(選曲)面での明確・明暗な《差》。圧倒的メイクも手伝って《ニコール・キッドマンの素晴らしい演技》・圧倒的熱演が引っ張る。セバスチャン・スタンも良い。宿敵・長髪のトビー・ケベルは若い頃 = ニルヴァーナ時代のデイヴ・グロールに似ていた。僕の好きなスクート・マクネイリーは思ったより活躍しなくて残念だった。ブラッドリー・ウィットフォードは流石の薄気味悪さで「エルボー!」と絶叫していた。正直、始終面白かったやすごく魅せられたというわけではないかもしれないが、脚本家チームやカリン・クサマ監督の手腕、そしてスタッフやキャストの熱量・献身によって、実に見応えのある作品に仕上がっている気がした。
P.S. オフィシャルサイトに監督の長いコメントまで翻訳して載せているのに、邦題変えちゃう辺り、笑っちゃうな。
勝手に関連作『ヒート』『ユージュアル・サスペクツ』『タクシードライバー』『預言者』『ナイトクローラー』『コラテラル』『フレンチ・コネクション』『セルピコ』『L.A.大捜査線/狼たちの街』『ハートブルー』『ロング・グッドバイ』他
今年映画館鑑賞58本目たぶん
スパイスが足りないかな
ニコール・キッドマン主演の「ストレイ・ドッグ」を見てきました。
本作品、さすがニコール・キッドマンと言う感じで、彼女の入魂な演技や役作りには脱帽しましたが、正直、私としては映画の内容としては、少しスパイスが足りなかったな・・・
色々な面で、お話の内容に意外性やそういう事だったとか、感心する部分もありますが、どうもな・・・・話が淡々として・・・・
また、シーン毎に、何とももう少しスパイスを加えて貰いたかったな・・・・
何とも、駄目な女刑事なのか・・・・どうして敬遠されるのか・・・・内容を深堀すれば分かるんだけどね・・・
私的には、見ていてなんか勿体ないな・・・・
絵の方も大変に良く出来ていたので、私としては決して内容が悪いと言う訳ではないないですが、もう少しメリハリが有っても良かったかな・・・
迷いと戦う姿に途方もなく涙が溢れた
辛口の評価はしたくないのですが…
----
※ 25日 12時17分 誤字脱字修正
----
今年43本目。
中には160本目という方もいらっしゃるのですが、通算でしょうか…。
1年で160本行っているとするとすごいですね。
tohoさんの鬼滅の刃推し推しはいつまで続くんでしょう…(この調子だと、来週公開分まで巻き込んで本数が極端に少なくなりそう)。
さて、この映画。いわゆる刑事ものに銀行強盗を絡ませたもので、ストーリー性として新しいような要素はなく(確立化されているので)、それだけに、「あっと言わせる新しいアイデア」であるとか、「音楽が素晴らしい」といったものでない限り、「出る人もストーリーも多少は違っても全部一緒」になっちゃいます。すでに同じようなストーリーの筋の映画はもう数多くあることは周知の事実なのに、この工夫があまりなかったのが残念です。
さて、それよりも。
私は基本的には下限は3.5でつけています。あまりに低すぎる評価は(積極的悪意がある映画でない限り)失礼ですし、どんなにまずいかなと思える映画でも「ここは良いところだな」という点は見つけられるからです。だからこその下限3.5です。
ただ今回は、その3.5を割らざるを得ない…と考えたのですが、加点要素を考えて何とか3.5まで持っていきました。
--------
減点1.0 … オープニングから10分ほど。「ストーリーに関係せず」突然に「大人の営み」が描写されます(ストーリーには一切関係しない)。それも「夜の営み」ではないのがポイントで(実際、日が差していることからするとお昼っぽい)、「夜にやるものではない」「ただのキスではない」と書けば、まぁだいたい何かわかりますよね…。
この映画自体はPG12なので最低限のグレードはついているのですが、土日の「コロナ特例解除」(全席座れる)もあり、家族で見に行くと確実に凍りますね、これ…。
しかも、「夜にやる営み」ではないので、お子さんが「映画でやってたあれ、僕/私にもやってよ」って言われると、親は苦労しそうです(「夜の」営みなら、「大人になったらね」で逃げられるので)。
なんでこう、ストーリーに関係のないものを入れるかなぁ…(入れなきゃいけないルールでもあるの…?)。
--------
減点0.5 … この映画、洋画で、元タイトルは「destroyer(破壊(者))」。これに対し、日本の映画は「stray dog(「のら犬」/慣用表現)」で、まったく違っています。この日本の映画のタイトルをつけたのは翻訳したほうの日本の会社のほうだと思うのですが、どうして全然違うタイトルにしちゃったんでしょうか…。
※ 外国・日本の文化の違いで、日本人が見てタイトルが理解しえないと考える場合に妥当なタイトルに差し替えることはあっても、今回はそれに該当せず、しかもこの2つは全く違うので…。
これ、数か月前だったか、フランス舞台で知的障害をお持ちの方を介護する無資格施設に政府が介入するという内容の映画(名前忘れた…)でも、「タイトルと日本語訳タイトルが乖離しすぎ」と言われましたが、そのときはフランス語だったので指摘する方がここでも少なかったのですが、今回は英語なので…。ちょっとこれ、いいんでしょうか…。
--------
減点0.2 … 上記に書いた通り、よくある「刑事もの」「銀行強盗もの」であるため、パターンは多少変わってもだいたいにおいて「パターン、展開」は似ているので、ややもすると他の方が指摘した「ニコール・キッドマンを見に行く(応援しにいく)映画だ」と言われても仕方がないように思えます…(しかも、上記の大きな減点要素もかなり痛い…)。
--------
加点0.2 … とはいえ、それでも「よくあるストーリー・パターン」で、そのままコピペして監督と主演だけ入れ替えましたではなく、ちょっと筋を変えたり物語の大筋(特に、クライマックスにかけて)を工夫したり、というのは見えました。これは評価できます。
また、英語表現(当方、準1持ち)もしっかりしていて(実は、一貫して文法ミスを含んで話す人がいる。これはそういう文法で育った、ということを意味するのでしょう。日本の国語に「言葉の乱れ」があると指摘されるように、文法ミスをする人はずっとするので)、その点は自然さを感じられました。
ただ、これ以上に上記の1.0の減点(突然、大人の営みが出てくる…)から、10分でまずドン引きするんじゃないかと思います…。
--------
全体的に見ると、日本では「鬼滅の刃」が放映され「すぎ」なため、それに飽きた人が(まぁ、やりすぎでしょうね…)見に行くことになると思うのですが、「積極的に」勧めるか…というとちょっとこの評価では…という印象です。
主人公に嫌悪感を覚える
既視感がある。ボロボロになりながら執念深く犯人を追う姿はダーティ・ハリーに似ているし、朱に交わって赤くなるストーリーは沢山の映画やドラマで観たし、思春期の娘が不良と付き合うシーンはもう観飽きた。
という訳で本作品の唯一の見処はニコル・キッドマンが推定三十代の女盛りとその17年後の更年期障害か始まっていそうな年増刑事をどのように演じ分けるか、ということになる。
しかし残念ながら上手くいったとは言い難い。若作りのメイクがそれほどでもなかったから、コントラストを際立たせるために逆に現在の見た目を酷くした感じなのだ。キッドマンにとってはチャレンジだったのかもしれないが、観る側にとっては醜いものを見せられただけである。
邦題の「ストレイ・ドッグ」は聖書の「迷える仔羊(ストレイ・シープ)」に因んで付けたのだろうが、典型的な思い込み先行のタイトルだ。原題の「Destroyer(破壊者)」の方がずっとマシである。
主人公エリン・ベル刑事は独善的で暴力的なクズ人間である。当然ながら感情移入できず、どちらかと言えば主人公の独善に振り回される周囲の人たちに同情する。これほど主人公に嫌悪感を覚える作品も珍しい。2時間がとても長く感じた。
っぽくない
ニコールで驚愕し、ジェイドに惚れた。
いつもの美しさをかなぐり捨てたニコールの狂演が凄まじい
ロサンゼルス。河べりで射殺体が発見される。襟首にタトゥーのある被害者の身元は不明、死体のそばには凶器の拳銃と塗料の滲んだ訳アリの紙幣。LAPDの刑事エリンはギャングのボス、サイラスが街に帰ってきたと確信、単独で捜査を開始する。その執念は17年前に担当した囮捜査に端を発していた。
ポスタービジュアルではほぼ判別不可能ですが主演はニコール・キッドマン。この間観た『アクアマン』では超絶キュートだったのに、本作ではすっぴんで皺だらけのやさぐれたアラカンのお婆さん。そんな姿でLAの街を彷徨う現代に17年前の物憂げで美しい姿がフラッシュバックする構成で、ニコールを知らない人は同一人物が演じているとは気づかないかもってぐらいの別人。そんなニコールが過去と現在であんなことやこんなことを臆せずやってのける姿に『デイズ・オブ・サンダー』の昔からニコールに焦がれ続けている者としてはお願いだからそれはやめて(;´༎ຶД༎ຶ`)!と叫びたくなるくらい切ない。そんな感じで心を掻き乱されながら物語に引き込まれているところに1つ2つと伏線が放り込まれて、それはどういうこと?と首を傾げているところでドカーン!と卓袱台が盛大にひっくり返されるとんでもない展開に・・・この脚本書いた人、天才ちゃうの?先のあらすじは勝手に観客が想定していることで、いやいやそれはあなた達が勝手に決めたことでしょ?とばかりにシレッと叩き捨てる、これはスゴイ。これはしてやられた!と呆気にとられているところに訪れる静寂なラストシーンがセリフでは一切語られないエレンの決断を暗示して終幕、これはとんでもないです、傑作です。
全40件中、21~40件目を表示